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大湯環状列石:Cなぜ「石英閃緑ひん岩」を配石に用いたのか?

△石英閃緑ひん岩と医王石
 
 大湯環状列石に用いられている岩石の種類は、「石英閃緑ひん石」とされている。 読み方は「せきえいせんりょくひんがん」「セキエイセンリョクヒンガン」で、 石英閃緑浜玲岩、又は石英閃緑玲石と記述する。
 石英閃緑ひん岩(石英閃緑玢岩)は、フィールド名「石英斑岩」に分類される。 石英斑岩は、火成岩の一で、石英・正長石などの斑晶を含み、岩脈・岩株、また花崗岩の 周縁の岩体として出現する。

 石英閃緑玲石は、「医王石(戸室石とも)」とも呼ばれる。
 医王石は、斜方輝石角閃安山岩とも、石英閃緑玲石とも説明され、医王石のうち、 赤いものを「斜方輝石角閃安山岩」、青いものを「石英黒雲母角閃石両輝石安山岩」と 分類される。
 
 医王石の特徴(一般的構成)は、
 @組織構成:完晶質斑状組織
 A構成:融触した石英や斜長石を主体とし、リン石灰・緑泥岩・緑シン石・角閃石・単斜輝石・ など(地殻の主要構成物である火成岩中の半深成岩)
 B効果と特長: 微細な多孔質を持つ(表面積:約17m2/g)
 C吸着作用・イオン交換作用、微量要素ミネラルの溶出
とされている。
 医王石は、水に関しては、浄化作用、腐敗防止、必須微量要素の供給(ミネラルウォーターとして 天然の微量無機ミネラルやラドンを含有)として用いられる。

 一方では医王石は、次のようにも云われている。
 
 富山県と石川県の県境の金沢市戸室地区には、医王山(いおうぜん)と呼ばれる霊山がある。
 この医王山では、「医王石」と呼ばれる良質なミネラルを豊富に含む天然鉱石が古くから 採取されてきた。採取地区の名前に由来して、別名「戸室石」とも呼ばれる。
 
 医王石とは、学名を『斜方輝石角閃安山岩』と云い、鉱物学的には、めのう・水晶に似た組成 を持つ火山岩の一種で、長石類、緑泥石・雲母、角閃石などのケイ酸塩鉱物、海水・海圭類生物など に起源する各種の微量金属・非金属が加わった複雑な組成を持つ岩石とみられる。
 
 医王石には遠赤外線調理作用、飲料水・食物の防腐作用、体質改善作用、薬害防止作用、 身体の酸性化防止作用などがあると云われている。
 つまり医王石は、何億年もの間、海底の堆積物として海中や地底の元素を吸収しながら生成され、 更に長い時を経て、地殻変動により地上に現れた天然鉱石である。医王石は多孔性であり、 人体に不可欠な良質なミネラルを多く含み、更に微量なラドンも含んでおり、これらの要素が 相乗的に働き、より高い効果を生みだす。また、重要な成分として、 可溶性の珪酸が33%含まれており、この珪酸が溶けるときに、ミネラル分も一緒に溶け出し、 良質なミネラルイオン水が出来る。
 多孔質空間からは、多量の酸素が徐々に放出され、これによって水中の腐敗材料(有機物) を酸化分解し、大腸菌など腐敗菌の増殖を抑え、飲料水の腐敗を防止する、などと説明されている。
 
 医王山自体、海底火山が隆起して出来た山なので、陸、海、マグマ3種のミネラルを含有した 奇石であり、大別して緑色の緑色凝灰石・石英閃緑岩・蚊紋岩系と、黒色のガラス岩鉱石・ 石英岩系・雲母系、赤色の石英斑岩系の3色系に分かれるとも説明されている。

 医王石にまつわる言い伝えをご紹介する。
@医王山は、もともと霊山として祀られてきた山で、そこで採掘された石は古墳時代の頃から 既に利用されていた。
A奈良時代、泰澄と云う人物が山岳信仰の山として医王山を開山した。あるとき泰澄は、 病に伏せている恒武天皇の治療に喚ばれた。泰澄は医王山の鉱石(薬草とも)を天皇に処方し、 無事回復させた。 このことで泰澄は、天皇から大師としての称号を得て、鉱石を採取した山を医王山と 称するようになったと云う。
B江戸時代、加賀百万石の前田藩では、上級武士など限られた身分の人の中で、 医王石が水をきれいにする秘蔵の薬石として珍重された。
 
 また、医王石は昭和60年(1985)、厚生労働省の食品添加物として認可された。

 更には、医王石は、マイナスイオンを放出する。
 マイナスイオンは生体の細胞を活性化し、 自律神経や内分泌機能を調整して人体の精神安定、免疫力向上、疲労軽減などの効果 (マイナスイオン効果)を奏すると説明されている。
 したがって、例えば医王石(粉状、又は粒状)などで作られた敷物に横たわると、 マイナスイオン効果と脱臭・消臭効果によって休息効果を高められる。 つまり悪臭の不快感が生ぜず、マイナスイオン効果に浴しながら心地よく 睡眠・休息をとることが出来るのだと云う。

 果たして大湯環状列石の石は、「医王石」と同じであろうか………
(H18.02.01)
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