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宗教を読む / 聖書の宗教

◆加護と奇跡
 加護とは、「神仏が力を加えて守り助けること。」(goo 辞書)
 加護とは、「神仏がその力によって衆生を守り助けること。」(コトバンク)
 奇跡(奇蹟)については、〔奇跡の項参照〕
 
* 奇蹟観
『キリスト教とイスラム教』によると、
 キリスト教的にいえば、奇蹟は超自然的な現象ということになります。 つまり、神が、通常の自然法則を無視して、あるいは通常の自然法則を乗り超えて起こされた現象が、 奇蹟です。
『新約聖書』にはそうしたさまざまな奇蹟が出てきます。 たとえば、イエス・キリストの誕生に際しての、聖霊による処女マリアの受胎が一つの奇蹟です。 また、イエスは、病人を瞬間的に治癒させたり、死者を蘇生させたりしています。 これらの奇蹟によって、イエスが「神の子」であることがわれわれに示されているのです。
 
 イスラム教の「奇蹟」は、基本的にはマホメットが預言者であることを証明しようとして、 神がある事象を生起させることをいいます。 「奇蹟」という語は、アラビア語ではムージザ=Bこれは「無力化するもの」といった意味です。 すなわち、マホメットは預言者ではあり得ない − と言ってまわっている反対者の主張を、 神が「無力化」する、これが「奇蹟」というわけです。
 コーランの中に、次のような記述があります。 コーランはマホメットが捏造したものだと言う者が現われます。 そういう反対者に、「それなら、コーランに匹敵するものを、 人間が捏造できるものなら捏造してみろ!」(11章13節、あるいは17章88節) と挑戦的な言葉が投げられています。 まさにコーランがマホメットを通じて啓示されたことが、 マホメットの預言者であることを証明しているのです。コーランが「奇蹟」なのです。
 ……
 コーラン記載以外の、例えば聖者による奇蹟については、 イスラム教ではあまり肯定されていないように思われます。
 
 神道においては、人々は神前に進み出、祈願などを目的とした拝礼をする。
 〔方便の項参照〕、即ち、神職は次のような祝詞を奏する。
 祝詞の体裁(構成)
一、起首章句 − ○○神の前で何某が申し上げます。
二、由縁(神徳・感謝など)章句 − 神恩感謝、祝詞の目的など。
三、献供章句 − 初物などを献納。
四、祈願章句 − 祈願内容。
五、祝頌章句 − 神祇・国家・天皇・国民・氏子崇敬者(取捨選択)を祝福・頌讃。
六、結尾章句 − 以上のとおり申し上げます。
祝詞(例)の項参照〕
 
 この場合の祈願とは、神の恩頼(みたまのふゆ、加護とも)を(蒙ることを) 希う(乞い願う)ことである。
 出来れば、神による奇跡のような出来事を祈るのであるが、 一般的には自分の努力の結果が期待通り(実力通り)に発揮され、成就することを期待するのである。 決して全て神頼り(神による奇跡依存)ではなく、自分も精一杯努力することを誓うのである。 その上で、その努力が十二分に、かつ障害なく機能するよう祈るのである。

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