KI10055 天照皇御祖神社境内の磨崖仏マガイブツ及び板碑イタビ 秋田県指定史跡 昭和60年3月15日指定 所在地 鹿角市八幡平字谷内14 所有者 天照皇御祖神社 磨崖仏は境内の東側にあり、石英安山岩の露出部分(高さ6米、幅7米)の上方右寄 りに弥陀ミダ三尊が刻まれている。中央の月輪ゲツリンは径96.5pで、中に阿弥陀如来座像 が描かれている。左に「サ」観音菩薩、右に「サク」勢至セイシ菩薩を脇侍キョウジとし、種 子シュジをもって表し、その月輪は径44pである。製作年代は鎌倉時代末期とされている。 板碑は、3基に紀年銘があり、鎌倉時代末期のものである。それぞれの板碑には、種 子、銘文メイブンあるいは経文キョウモンの一部が刻まれ、板碑としては形式の整ったものであ る。正和ショウワ2年(1313)銘板碑は、石材及び形状が武蔵国のものに似ており、関東御 家人ゴケニンである成田・安保・奈良・秋元の四氏が鹿角地方に地頭として入部したことと 関連があるものと考えられる。 この磨崖仏は、中世のものとしては北限のものといわれ、板碑とあわせて鹿角地方の 歴史や宗教文化を知る上で貴重である。 |