21 敬神生活の綱領
 
              敬神生活の綱領
 
                     参考:大法輪閣発行三橋健氏編「神道」
 
 ▼敬神生活の綱領
 「神道は天地悠久の大道であって、崇高なる精神を培ツチカひ、太平を開くの基モトイであ
る。神慮を畏カシコみ、祖訓をつぎ、いよいよ道の精華を発揮し、人類の福祉を増進する
は、使命を達成する所以ユエンである。ここにこの綱領をかかげて、向ふところを明らか
にし、実践につとめて、以て大道を宣揚する事を期する。
 
 一、神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以て祭祀にいそしむこと。
 一、世のため人のために奉仕し、神のみこともちとして世をつくり固め成すこと。
 一、大御心オオミココロをいただきて、むつび和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄とを祈る
   こと。」
 
 神社本庁は昭和二十一年二月三日に、全国の神社の総意のもとにその事務機関として
設立されましたが、当初、神道教学の大綱として、@天照大御神の道であること、A天
皇の天下をしろしめす道であること、B四海にゆきわたる道であること、Cまことの道
であること、という四項目を掲げていました。ここに神道教学の一致点を本庁は見い出
していたわけですが、その教学方針をより具体的に、しかも神社界のみでなく、広く一
般に至るまでの理解を及ぼすべく、新たに綱領制定の研究がなされ、奇しくも同三十一
年五月二十三日、本庁設立十周年の席上において、北白川総裁のお言葉を拝し、大会の
名のもとに、前掲の綱領が宣言されました。
 
 この宣言はあくまでも綱領であって、必ずしも教義の謂イいではありません。神社本庁
の基本姿勢として、伝統的な神社信仰を鑑カンガみ、制定教義は立てるべきではなく、古
来よりの信仰的要点を列記することによって指針を立てようとしたもので、その意味に
おいて綱領と名称するもので、また神道の信仰は日々の営みの中にあり、生活と遊離し
たところにあるのではないとする信仰観から、敬神生活という名称化がなされてくるも
のです。いわば生活実践の中の拠り所の確立を表明したものといえます。
 本文の内容としては、神道の定義を「天地悠久の大道」とし、その使命を崇高なる精
神の涵養カンヨウ・太平を開くということに求め、更にその達成の方法及び態度として神慮
をかしこむ・祖訓をつぐ・道の精華の発揮・人類の福祉の増進を掲げています。綱領が
宣言されて以来、各種会合等において斉唱されるなど、関係者にとってその精神的指針
となっています。神道の精神を最も適切に表明したのが本綱領といえます。
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