22 神社における参拝の作法
 
             参拝と作法
 
                       参考:神社本庁発行「参拝と作法」
 
                     本稿は、神社本庁発行の「参拝と作法」
                    を参考にさせていただきました。
                     なお、併せて次項「神社における参拝の
                    作法」をもご覧下さい。     SYSOP
 
[参拝と作法]
 
 参拝の作法は真心をこめて行いましょう。
 先ず浅く拝礼して鈴の緒を大きく振り、
 次にお賽銭を奉納し心を澄まします。
 そして二度深く拝礼します。
 次に二度拍手をします。
 そしてもう一度深く拝礼します。
 
〈神社参拝の心と形〉
 
 何事も、心が素直に表された形は自然で、また美しくもあり、私共の共感を呼び起こ
すものです。
 神社に参拝する場合、どうしても形にとらわれてしまい、終始形式的になりがちです。
参拝方法は、永い間の変遷を経て現在、「二拝二拍手一拝」の作法がその基本となって
います。
 そこに、どう心をこめるか、またどのように心をこめた方がよいのかは、参拝される
皆さんの心の持ち様ではないでしょうか。それがためには、具体的な形におけるそれぞ
れの作法の意味を分かっていただくことが重要です。
 もちろん、祈りの心は個々に違っていて当然ですが、参拝とそれにかかわる作法につ
いて、その「形」の前提にある「心」を分かっていただければ幸いです。
 
〈参拝の前に〉
 
△申込受付
 普通の参拝では、神社の前に進み、お賽銭サイセンを上げて拝礼ハイレイをすればよいのです
が、個人やご家族、又は企業とか団体が、特別な御祈願や、社殿に上って参拝する場合
(昇殿参拝)には、あらためて神社に申込みをします。
 この場合、あらかじめ神社に、住所・氏名・参拝日時・参拝の趣旨(御祈願の場合は
願い事)を電話などで伝えておくとよいでしょう。
 当日、神社には初穂料ハツホリョウを持参します。また、赤飯や初物などのお供え物があれ
ば一緒にお持ちします。
 神社に着きましたら、まず社務所シャムショ(神社の事務所)又は授与所(お神札やお守り
を授与する所)に初穂料やお供え物を差し出し、参拝を申込みます。所定の申込用紙が
ある場合には記入して下さい。
 申込受付を済ませると、神職シンショク又は巫女ミコが社殿にご案内します。
 
△初穂料
 わが国は古来、稲作を始め農業を中心に国づくりを進めてきました。ですから、実り
の秋には「ありがとうございました」と云う感謝の気持ちをこめて、必ずその年に初め
て収穫された稲穂などの穀物 − 即ち「初穂」 − を神様にお供えします。野菜や果物、
魚などの初物も同様です。神社にお供えするお初穂と云う言葉は、ここに始まっている
のです。
 現在では季節にかかわらず、お初穂としてお金を上げることが多くなりました。その
場合、お金包みの表書には「初穂料」、あるいはより丁寧に「御初穂料」と書きます。
表書にはこのほか、単に「上」と書くこともあり、また神前にお供えする玉串タマグシに因
んで「玉串料」、あるいは神職に出張していただく地鎮祭などでは、神職への御礼の気
持ちをこめて「御礼」などと書くこともあり、必ずしも明確な区別はなされていません
が、「初穂料」が最も一般的でしょう。
 初穂料の金額は、神社に定めのある場合はこれに従い、定めのない場合には一般の慶
弔時などの包み金額を参考にしましょう。
 更に、家庭でお祝いに赤飯を炊いたりした場合は、やはり神前にお供えしましょう。
 なお、社務所などにお包みを差し出すとき、袱紗フクサに乗せますとより丁寧です。
 
〈包み〉
 
 お金包みは、水引ミズヒキと熨斗ノシとが組みとなったものや、印刷されたものを用いるこ
とが多くなりましたが、家庭に奉書紙ホウショシや水引を用意しておきますと簡単に作ること
ができます。元々わが国では、作法が正式になればなるほど、簡素な形を尊びました。
 次に、参考までに小笠原流のお金包みの方法を示しましょう。
 
△包み紙
 包み紙には幾つかの種類がありますが、一般には奉書紙を用います。
 
△水引
@お祝いの場合には、赤・紅白・金銀など何れかの水引を九本、七本、五本など奇数の
本数で用います。紅白・金銀の場合には、紅や金を右側にします。また、神事に用いる
麻アサは、慶弔何れの場合にも使用できます。
A結び方は、結び切りにするのが正式で、雌結メムスビ(蝶結チョウムスビ)は略式です。結ん
だ先は包紙の大きさにもよりますが、包みの端より0.5〜1p位長めに切ります。
 
△表書
@上半分中央に、「御」の字を冠して「御初穂料」と、楷書で書くのが丁寧な書き方で
す。
A表書が目録の役割を果たすことを考えると、表側下半分中央には数量、つまり金額(
金○○円)をその左側に自分の氏名を記します。元々自分の氏名は、中央や右側より低
い左側に書きました。
 なお現在では、表書下半分中央に氏名、裏側左下方に金額を書くことが多く見受けら
れます。
 
△のし
 熨斗ノシの由来は鮑アワビを熨ノしたものです。現在では、お金包みに熨斗を貼ったものを
多く見受けますが、本来は品物に添えて差し出したものです。
 
△包み紙の折り方
@横長の奉書紙を半分に折り、その折り目を手で裂いて二枚の縦長の紙にします。
A紙の裏(ざらざらした面)を表にして、裂いた端を左にして二枚を重ねます。
B右端(機械による裁断端)から中程に向けて縦に、三分の二よりやや多めの幅にして
しっかり折ります。
C次に左端(手で裂いた端)から中央に向けて、その折り目を右端(機械による裁断面
)に合わせて、右から折った紙の下に折り込みます。出来上がりは、和服の前と同じ合
わせ方になります(お祝いの場合)。
D上下の端は、裏側でわずかに重なるように後向きに折ります。このとき折り目は、ア
イロンを掛けたようにしっかり折らず、丸味を残す方が品良くできます。裏側の重なり
は、万歳をするように(下から上に)、即ち下の紙の余白が上の紙の上に出るように重
ねます(お祝いの場合)。
 なお、半紙を用いる場合には、手で裂かずに二枚重ねて、同じような折り方で折るの
がよいでしょう。
 また、お金を半紙で中包みする場合は、半紙の裏側中央に紙幣を斜めに置き、四方か
ら包むのが丁度よい大きさになるでしょう。
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