ちょっとしたコラム      
               
05.3.26付


試合数

 通算試合数歴代1位は野村克也の3017試合。野村が引退したのが1980年なので、すでに24年が経過したが通算1位は動かない。翌81年限りで張本勲が2752試合で引退した後は、87年引退の衣笠祥雄が2677試合としたのが最高。それでも340試合もの差があった。2500試合以上の選手すらわずか6人なのだから3000試合の偉大さがわかる。ベストテンの中では満40歳となる年より前に引退しているのは7位の土井正博だけ。やはり相当年数の現役生活も必要とされる記録である。

 さて、これを追う現役選手だが2000試合以上が3人、その他に1800試合以上が3人。現役1位の清原和博はあと131試合で10位の山本浩二に並ぶところまで来ている。今季でまだ38歳だけに更なる上位進出が期待される。土井正博の記録までは抜けそうだ。近年故障がちで昨年など40試合止まりにもかかわらず、ベストテン入り有望な位置にいるのは高卒入団1年目からバリバリ試合に出ていたからに他ならない。西武時代の11年間はチームの延べ1430試合中1403試合に出場して出場率98.1パーセント。この間の欠場は27試合と1シーズン平均2試合程度だった。

 清原より2歳若く、その差82試合まで追い上げているのが立浪和義。立浪の入団時に清原はすでに256試合に出ていたので、17年かかって174試合縮めた事になる。今季フル出場しても2217試合でベストテン入りは無理。しかし近年の数字を比較しても、最終的には立浪の方が通算試合数で清原を上回る可能性が高い。通算ベスト5入りも十分可能だろう。球団記録である高木守道の2282試合にはあと211で、これは来年夏頃には追い越せそうだ。
 田中幸雄は昨年わずか35試合。故障に泣かされたとは言え、かなり寂しい数字である。球団記録である張本勲の2136にあと119に迫っており、これは何としても抜きたいところ。今季中には難しいかもしれないが・・・。

 現役4位に中村武志、5位に古田敦也と捕手が並ぶ。8位にも谷繁元信がおり、選手生命の長い捕手が多い時代となっている。中村は昨年47試合だが新球団の楽天に移籍した事もありチャンスは増えそう。古田もあと134試合での通算2000試合は146試合制の今季ならば十分達成出来る数字である。2000本安打が大卒社会人経由では初と言われているが、2000試合も同じく初である。また、球団記録である若松勉の2062試合も来年には十分到達出来る。球団フロントには早期の古田監督構想があるようだが、体力・気力の続く限りは現役で頑張ってほしい選手である。
 野村謙二郎は2000試合まであと2年というところだが、今季達成濃厚な2000本安打を花道に引退する可能性もある。むしろ8位の谷繁が楽しみで、12月に34歳になったところだが同じ捕手である伊東勤の同年齢時の1650試合を130試合も上回っている。単純計算すると伊東と同じ41歳までプレー出来れば2500試合の可能性もありそうだ。

 現役ベストテン圏外では29歳で1207試合の大村直之(ソフトバンク)や28歳で1001試合の城島健司(ソフトバンク)あたりに将来的な歴代ベストテン入りの期待がかかる。共に高校からの入団で、大村は2年目に110試合、城島は3年目に120試合と早い時期から試合に出ている。特に大村は同じプロ11年目終了時の野村克也と比べ6試合少ないだけの好ペースであり、2500試合以上が期待される。

 ちなみに松井秀喜は日本最終年となった10年目の28歳終了時で1268試合。同年齢時の野村克也が1065試合だから200試合以上リードしていた。連続試合出場がその時点で1250にもなっていた選手であるだけに、野村の記録を破る期待は大きかったのだが。しかしその松井といえど、40歳まで連続出場しても3006試合でありまだ11試合足りない。むしろ日米通算でならばMLBの方が試合数の多い分、30代のうちに3017試合はクリア出来るだろう。

 現役の若手では川崎宗則(ソフトバンク)が23歳で303試合。いいペースには違いないが、イチローや松井秀喜、松井稼頭央がその頃には450試合以上出ているのと比べるとまだまだか。川崎より1つ年下の中島裕之(西武)は22歳で181試合。今季もフル出場すれば317試合となり川崎のペースを上回る。川崎にしろ中島にしろ、この年齢でこの出場数は大卒や社会人経由の選手では不可能なだけに、このアドバンテージを生かして通算記録にチャレンジしてほしい。

参考 2000試合までのペース比較

<通算試合数ベストテン>
歴代 選手名(最終所属) 記録   現役 選手名(所属) 記録 04年実績
1 野村克也(西武) 3017試合   1 清原和博(巨人) 2153試合 40試合
2 王貞治(巨人) 2831試合   2 立浪和義(中日) 2071試合 134試合
3 張本勲(ロッテ) 2752試合   3 田中幸雄(日本ハム) 2017試合 35試合
4 衣笠祥雄(広島) 2677試合   4 中村武志(楽天) 1891試合 47試合
5 大島康徳(日本ハム) 2638試合   5 古田敦也(ヤクルト) 1866試合 133試合
6 門田博光(ダイエー) 2571試合   6 野村謙二郎(広島) 1821試合 107試合
7 土井正博(西武) 2449試合   7 川相昌弘(中日) 1789試合 80試合
8 福本豊(阪急) 2401試合   8 谷繁元信(中日) 1780試合 121試合
9 伊東勤(西武) 2379試合   9 堀幸一(ロッテ) 1715試合 119試合
10 山本浩二(広島) 2284試合   10 初芝清(ロッテ) 1698試合 61試合

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