化石周氷河斜面 |
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凍結・破砕は、低地より温度の低い高所で激しく起こった。山頂部や突出部の岩石は破砕によって崩落し、山上の凹部は崩落した岩石で埋まった。その結果、起伏のきわめて少ないゆるやかな高原状の地形が形成された。高星山から平石山にかけての標高1000m前後の山頂部がこれにあたる。また、ここから見える峰山高原、砥峰高原、フトウガ峰から段ヶ峰の山頂部も、ゆるやかな高原状であり、この化石周氷河斜面にあたる。 |
峰山高原・砥峰高原の景観 |
トア(岩塔) |
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高星山の稜線には、天狗岩などいくつかの岩塔がそびえ立っている。これは、凍結・破砕によって周囲の岩石が崩落し、その崩落から岩塔として残ったものである。これを、トア(岩塔)という。 |
天狗岩を裏から見る |
ロックフォール |
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トアの下には崩落した岩塊が積み重なっている。これを、ロックフォールという。
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天狗岩の下のロックフォール |
岩塊流 |
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崩落した岩塊が、高原状の凹部にひも状に連なったもの。峰山高原では、2〜5mの岩塊が厚さ5〜6m、幅20〜30m、長さ数100mに達するとされている。今回、高星山から平石山にかけての稜線上からは、いくつかの凹部で、大きな岩塊を見いだすことができた。
また、ヒシロガ峰(1042m)から降りた平石山の西斜面では、1m程度の岩塊が幅100m以上にわたって積み重なっていた。山頂部から崩落した岩が、斜面に累積したものである。 |
平石山西斜面の岩塊流 |
麓屑面 |
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凍結破砕によって崩落した岩石が山麓に堆積しできた緩斜面。生野学園のある天狗岩東方の斜面がこの麓屑面にあたる。地形図を見ると、この麓屑面の様子が明白に分かる。 |
生野学園の上の麓屑面 |