素材作り
☆ 適切な道具を正しい方法で使う
ナイフは自分の方向に刃を向けて削らないことが原則、具体的には
・ナイフの刃を研ぎ切れあじの良い状態で作業をする
・右手で柄を握り、材料を持った左手の親指でナイフの背を押して削る
・ナイフの刃を材料を支える手の方向に向けて削らない
・作業台に材料の端を当て作業台の方向に削る
☆ 周囲に注意を払う
☆ ゆっくり、慎重に
☆ 作業用の手袋
作業に応じて材料を支える左手(右利き)に着用すると危険が少なくなる。
怪我をするのは大抵左手である。
しかし作業性が悪くなるので細かい作業には向かない面もある。
正しい道具の使い方と集中して作業に当たることが大切である。
☆ ひねり竹とんぼには太い “孟宗竹” が適している
・羽根の材料には直径7p以上が必要である
太いものほど使いやすく、デザインの自由度が高まる。
・軸の材料には細目のものでも使える
☆ オフセット竹とんぼには “マダケ” が向いている
・直径30oから40o程度の太さ
☆ 共通する条件
・真っ直ぐに伸び、節の間隔が20センチ以上あるものがよい
・根元に近いところは真っ直ぐに割れないので避ける
・生えてから3年以上経ち、充実している竹を選ぶ
・伐採は休眠している11月から2月までがよい
・伐採後半年ほど乾燥させてから使う
日陰で雨が当てず、風通しの良いところで乾燥させる
竹はカビが発生しやすいので注意が必要、カビは材の中に入り変色させる
☆ 節の近くは使えない
・節の近くはだんだん太くなり、繊維が真っ直ぐでない
真っ直ぐな板が得られないので節から15〜20mmは使わない。
☆ 大きさを決める
・飛ばす人の体力に合ったサイズの竹とんぼが最も良く飛ぶ
・初級者向けの推奨サイズ ・・・・・ これからの説明では基本型(ベーシックタイプ)とよぶ
羽根 長さ11p、幅16mm、厚さ2〜2.5o
軸 長さ15p、太さ3mm
・大きくしても飛ぶようにならない
飛ばす人の体力に合わせたサイズを選ぶのが良い、最大12p程にする。
むしろ羽根の幅を広くして揚力を増す方が得策である。
☆ 必要な長さに玉切り
・必要な長さの材を取れるように切り取る線を引く
物差しは20pで曲がりやすいものが使い易い。
・歯の細かい竹引き鋸などで力を入れずにゆっくりと引く
刃の粗い鋸を使用したり、引くとき力を入れすぎると切り口がささくれてしまう。
これで太さが均一な竹のパイプが出来る。 根本側の木口にマークしておく。
☆ 寸法取り
・切り口に作る竹とんぼの幅で寸法取りをする。
丸いので長かったり硬い物差しでは測りにくい、短く曲がりやすいものが使い易い。
マークは細字用のフェルトペンを使うと書き易い。
・推奨するサイズ(16o)の羽根ならば1つの竹筒から十数個とれる
☆ 竹割りの基本
図1・竹の割り方 |
・『木もと竹うら』
木は根本の方から割り、竹は先端の方から割ると真っ直ぐに割れる。
玉切りした時に付けた根本の方を示すマークの反対側から割る。
・一方の幅が狭いと真っ直ぐに割れない
右図に半分に、更に半分に小さな竹片に割っていく様子を示した。
☆ 割る作業
・両刃の電工ナイフやアウトドア用ナイフが使い易い
・ナイフの背を木ハンマー、プラスチックハンマーで叩いて割る
・真ん中で割るようにするため、2のべき乗(2、4、8)単位に割って行く
1つの竹の筒で14個の羽根が取れる場合を例にすると
14/2=7個単位でなく
最初は8個と6個に割る、次に8の半分の4個、4個を半分の2個、
更にこれを半分に割る。
6個になったものは、4個と2個に割る、次に4個を半分に、次に割れば出来上がり。
☆ 作業の基本は同じ
・軸の材料として3.5oの角材を作る
・寸法取り
3.5oの2倍、7o間隔にマークをする
・羽根の材料を割るときと同じ手順で割って行く
この作業で7o幅の竹片が沢山出来る
・次に厚さ方向を整えるために割る
厚さ方向に半分に割る、半分であるが外側の部分(皮の付いている)が内側よりも
硬く強いので寸法的に半分でなく両側の強さが等しい所から割ることが必要。
両方の強さが等しい場所を定量的に表現出来ないので、割ってみて真っ直ぐに割れる
場所を見つけて欲しい。竹片が沢山出来ているので少し失敗しても必要な数が得られる。
これで7o×3.5oの角棒が出来た。
・次に7oの幅を半分に割る
寸法のマークがないので目測で割る
3.5o×3.5o、長さ15pの竹材が得られる
・ナイフ、鉋で3o×3oの太さに削る…割っただけではざらざらしていた表面が滑らかになる
・角をナイフで取る
3o×3o、長さ15pの軸の材料が完成。
☆ 羽根材を厚さ方向に割る
・一番難しい作業
今までの作業で得た経験を生かして慎重に作業しましょう。
・先ず厚さ方向に半分に割る
外側(皮のある側)を使い、内側は使えないので捨てる。
・もう一度半分に割る
薄くなった竹を割るので慎重にナイフを当てる場所を決める。
基本型には皮の付いている側を使います。
割り初めの部分の厚さと終わりの部分が同じ厚さに割れましたか?
多少の厚みの差は次の工程で修正できます。
☆ 穴は中央に開ける
・最も慎重さを要する作業です
・長さ方向と幅の方向共に中央に開けることが必要
穴の位置が悪いとバランスが崩れ飛びません。
・穴は翼に直角に開ける
直角度が出ていないと軸が直角に付かず飛び難い竹とんぼになります。
・穴の直径は2.5o〜3o
・電気ドリル、ハンドドリルを使い、鉄工用のドリルの刃を使用するのがベスト
☆ 割った面がざらついている
・割っただけでは表面が荒れてざらついている
ナイフか鉋で削ってすべすべにする。
☆ 羽根のモーメントのバランスを調べる
・飛行性能に影響する大切なことです
・軸の取り付け穴に針を通し、針が水平になるように持ち上げる
バランスが取れていると羽根は水平になり、バランスが取れていないと重い方が下になる
☆ バランスを取る
・バランスが崩れている原因を探す
穴が真ん中にない
一方が厚い
一方の幅が広い
・バランスを取る
穴が真ん中にない場合は、長い方の端を削る。厚みや幅が異なる場合はナイフで削る。
少し削ったら再びバランスを調べ、バランスが取れるまで何回も繰り返す。
☆ 素材作りは地味でやや難しい
・素材作りは意外に難しく時間がかかる作業
・初心者向けの竹とんぼ教室では素材作りは省略した方が良い
☆ 主催者が事前に素材を作って提供するのがベスト
・参加者は後半の加工と組立のみとする
・自分の作った竹とんぼを飛ばして遊ぶことに時間を割く
☆ 素材作りは興味を持った子供を対象とする
・素材作りは初心者向けのイベントからの発展した行事とする
・更に飛行性能の改善に取り組む
☆ 素材の提供、出張指導などのサポート
・主催者が準備できない場合は素材を提供します
・直接出向いて作製指導します
・竹とんぼ教室などの企画をお手伝いします
首都圏ならば出向いて、遠方ならば電子メールによるアドバイスが可能です。
詳細はこちらで案内しています
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