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スズメバチの狩り (採餌習性) |
|キイロスズメバチの巣を襲うオオスズメバチ|ニホンミツバチの巣を襲うオオスズメバチ|モンスズメバチの巣を襲うオオスズメバチ| |コガタスズメバチの巣を襲うオオスズメバチ|ハラビロカマキリを狩るオオスズメバチ|アシナガバチの巣を襲うヒメスズメバチ| |
スズメバチの仲間は,幼虫の餌にするためいろいろな昆虫を肉だんごにして巣に持ち帰ります.スズメバチには,ミツバチのように”ダンスで餌の場所を知らせる”という情報伝達システムはありませんから,それぞれが単独で狩りをおこなっています.餌としてどのような虫を狩るかはスズメバチの種類によって異なっています. コガタスズメバチとキイロスズメバチは各種のクモや昆虫をを狩る”何でも屋”ですが,主に狩りの対象となる昆虫には違いがみられます.キイロスズメバチはハエの仲間(ハエ目)を狩る割合が高く,コガタスズメバチはハエの仲間の他,アシナガバチなどのハチの仲間(ハチ目)もよく狩ります. オオスズメバチは,コガネムシや大型の鱗翅類の幼虫などを狩ります.その他にカミキリムシやカマキリなども狩りますが,こうした昆虫が少なくなる秋口には,他のスズメバチやミツバチの巣を襲うようになります. 最初は働きバチが単独で巣に飛来し,巣の外で成虫を捕獲して巣に持ち帰るという行動を繰り返しますが(単独捕獲期),やがて、腹部末端から分泌する餌場マークフェロモンが巣の入り口付近に塗りつけられると,この匂いに誘引されて付近にいる多数の働きバチが集まってきます(巣仲間誘引期).飛来する個体数が増える行動パターンが集団攻撃へと変化します(集団殺戮期).その後,巣は多数の働きバチによって占拠され(占領略奪期),巣内の蛹や幼虫は餌として持ち去られます.こうした行動は8月中旬〜10月末にかけてみられ,特に9月中旬以降活発になります. 名古屋市のような都市部においても,オオスズメバチの攻撃を受けて廃巣になる事例がしばしば見られ,オオスズメバチの存在は他のスズメバチやミツバチにとって大きな脅威になっています. モンスズメバチは主にセミを狩りますが,セミが少ない季節にはトンボやバッタなども狩る”準専門家”と言えます. ヒメスズメバチはアシナガバチ巣を襲い,幼虫や蛹を餌として利用する”専門家”で,他の昆虫を狩ることはありません. |
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