22-2b ききょう目(ききょう科・きく科)植物
ミヤコワスレ(都忘れ,ノシュンギク,アズマギクとも,ミヤマヨメナ属)
本州から九州の山地に自生するミヤマヨメナの園芸品種(耐寒性多年草)。野春菊の
名は1805年の『四季賞花集』に記載があります。切花,花壇,鉢植え,茶花用。高さ
30p位,花は普通帯紫白色,花径3.5〜4p。花期は初夏。濃紫色花のカンサイミヤコ
は高性種。
ギヌラ・サルメントーサ(ギヌラ(サンシチソウ)属)
インドネシア・ジャワ島原産の多年草の交配園芸種(半蔓性)で,昭和30年代に渡来。
吊鉢,行燈アンドン仕立てで楽しむ観葉植物。葉の生長部の紫色はビロードのように美し
い。頭状花序に小花を付けます。花期は初夏。
ヘレニウム・ハイブリデン(マツバハルシャギク(ヘレニウム属))
北米中東部原産のヘレニウム・オータムナーレの園芸品種(耐寒性多年草)。オータム
ナーレは1729年欧州に紹介,わが国には大正初年に渡来。花壇や切花用。高さ60〜180
p。ハイブリデンの代表品種は矮性のウインドレイで,大輪の黄褐色の花を付けます。
花期は8〜9月。
タイヨウ(ヒマワリ)(太陽,ヒマワリ(ヘリアンサス)属)
ヒマワリは米国中西部原産の一年草,16世紀には欧州で栽培,わが国には1666年発刊
『訓蒙図彙』に記されます。花壇,切花用。高さ1〜3m,普通舌状花は1列で雌蘂も
雄蘂もなく黄色,中心の管状花は両性,花は径8〜30pの頭花を頂生,花期は8〜9
月。本種は大輪一重咲きの黄色花,中心は黒色。大輪一重咲き園芸品種には,ほかに
黒竜コクリュウがあります。
サンゴールド(ヒマワリ)(ヒマワリ(ヘリアンサス)属)
米国中西部原産の一年草でヒマワリの一園芸品種。本種は高さ1〜2mの高性,花壇や
切花向き。舌状花を欠き管状花のみで芯まで完全八重咲きになり,径15〜20p。
シロタエヒマワリ(白妙向日葵,白山吹シラヤマブキとも,ヒマワリ(ヘリアンサス)属)
米国テキサス原産の一年草で,明治中期に渡来。花壇,切花用。高さ1〜2m,花径
7.5p位,舌状花は橙黄色,管状花は褐紫色,総包片は2列で名が楕円形,絹毛を密
生,頭状花を数個付けます。花期は夏〜秋。種子は小さく帯褐灰色で黒斑があります。
ヒメヒマワリ(コキクイモとも,ヒマワリ(ヘリアンサス)属)
北米南部原産の一年草,1883年欧州に紹介,明治末年頃に渡来。花壇や切花用,また
野生化。高さ50〜150p,舌状花は鮮黄色で長さ2.5p位,中央の管状花は暗褐色又は
紫色を帯び,径5〜9pの頭状花を横向きに開きます。花期は7〜9月。
モンストローザ(ムギワラギク)(ムギワラギク属)
オーストラリア原産の一年草,明治初年に渡来。切花,花壇など,また蕾はドライフ
ラワー用。高さ60〜90p,径3〜5pの総包からなる頭花を単生或いは数個房状に開
きます。本種は大輪八重咲き,その4倍体品種テトラジャイアントは花径5〜6p,
極矮性ホットビキニは緋紅色。花期は7〜11月。
ビキニ(ムギワラギク)(ムギワラギク属)
オーストラリア原産の春蒔き一年草(極矮性品種)で,明治初年に渡来。花壇,鉢物,
プランター。花径3〜4p,花色は紅,橙,白,黄,桃色など,眩マブしいばかりの光
沢があります。花期は夏〜秋。
ヘリオプシス・ヘリアントイデス(擬菊芋キクイモモドキ,姫菊芋ヒメキクイモとも,ヘリオプシス
属)
北米原産の耐寒性多年草で,明治中期に渡来。花壇,切花用。高さ100〜150p,全株
無毛,頭花は黄色又は橙黄色,径4〜6pの花を散房花序に多数付けます。花期は7
〜10月。近似種にH.scabraがあり,その品種に黄色一重の高性早生のサンバーストが
あります。
ヒロハノハナカンザシ(広葉花簪,ローダンセ,ヘリプテルム,ヒメカイザイクとも,
ハナカンザシ(ヘリプテルム)属)
オーストラリア原産の半耐寒性秋蒔き一年草で,明治末期に渡来。花壇,切花,ドラ
イフラワー用。高さ30〜50p,頭花は径2.5〜4pで包片多数,花弁状に広がる包片は
膜質で白色又は淡緋色,中心花は紫色,花弁の基部にも赤紫色の斑紋があります。花
期は春から初夏。近縁種にキバナローダンセがあります。
アクロクリニウム(花簪ハナカンザシとも,ハナカンザシ(ヘリプテルム)属)
オーストラリア原産の一年草で,明治末期に渡来。花壇,ドライフラワー用。高さ30
〜60p,乾膜質の総包片は多列し,多片は褐色,内片は白ないし淡紅色で花弁状,中
心の小花は黄色で筒状の両性花。
レタス(萵苣チシャ,知佐チサとも,アキノノゲシ属)
地中海沿岸地方から西アジア原産の一,二年草,紀元前6世紀にはペルシャの王の食
卓に出されたと云い,わが国には『和名鈔』に白苣の名が見えますが,現在のものは
明治初年に渡来。野菜として栽培。高さ90〜120p,茎葉は茎を抱き,花は頭花を直立
し黄色,午前中に開く。花期は夏。
アカチリメンチシャ(サニーレタスとも,アキノノゲシ属)
地中海沿岸,西アジア原産の一年草で,昭和45年以降導入されたリーフレタスの一品
種。サラダにして食す。葉は縮緬状で外葉は赤い。緑葉種をアオチリメンチシャと云
います。
サラダナ(チシャとも,アキノノゲシ属)
地中海沿岸,西アジア原産の一年草。葉は切れ込みも縮れも少なく,下葉を掻き採っ
て順次利用(食用)。
エーデルワイス(ウスユキソウ(エーデルワイス)属)
ピレネー,アルプス,ヒマラヤ,シベリア西部,チベット,トルキスタンなどの高山
に分布する多年草,山草として栽培。高さ10〜20p,葉に白い軟毛,頭花を茎頂に7
〜9個を密生,包が花弁のようにその周りに付きます。花期は5月。
リアトリス・スカリオサ(マツガサキギクとも,リアトリス属)
カナダからロッキー山系以東原産の多年草で,昭和11年に渡来。主に切花用。高さ100
〜150p,花色が普通桃紫色と白色があり大きな玉咲きの花で,20〜30個穂状に付き,
上から下へと咲きます。花期は8〜9月。花穂が一斉に開花する品種セプテンバー・グ
ローリー,白花で穂の長い晩生のスカリオサ・ホワイトなどがあります。
リアトリス(麒麟菊キリンギクとも,リアトリス属)
北米原産の多年草で,大正末頃渡来したらしい。花壇や切花用。高さ30〜180p,頭状
花は藤桃色で径4〜8p,長さ15〜37pの穂状花序に密に付きます(槍咲き)。花期
は6〜7月。変種に花穂が短く青紫色のvar.montana(商品名コボルド)あります。
アフリカヒナギク(ローナス属)
地中海沿岸地方原産の一年草,1686年英国に紹介。花壇,鉢物,切花,ドライフラワ
ー用。高さ50p,濃黄金色の管状花からなる径1.2pの頭花が30〜40個,径6p位の散
房花序に頂生します。花期は6〜11月(花は雨を嫌う)。
オレアリア・ハステイ(オレアリア属)
ニュージーランド原産の常緑低木,原産地では庭木,わが国では室内や温室で鉢物。
高さ1〜2m,花は白色,柄頂に多数が総状花序をなし,花は芳香性。花期は夏。近似
種でタスマニア,オーストラリア南部原産のオレアリア・プロゴバッパは耐寒性で葉に
も香りがあり,花期は12〜3月。
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