「宙の下で」の演奏の初演秘話(笑)

 


「宙の下で」の初演秘話(^^;;

 この曲を初演した、境町立境第一中学校吹奏楽部のみなさんは、小学校の演奏経験はまったくない
いわゆる初心者バンド。初演も、トランペット(2年生1名、1年生2名)、ホルン(2年生)、
トロンボーン(2年生1名、1年生1名)ユーフォ・テューバはともに2年生、というメンバーで、
顧問の鈴木勉先生曰く、「高い音は勘弁して・・・。」という哀願のもとに作曲しました(笑)。

 曲は、当初は「空の下」というタイトルだったのですが、「宙の下で」と命名したのは他ならぬ鈴木先生!
英訳に「Under the So−Ra」と記載したのは私です!だって、ソとラの下の音しか出てこないんですもの!(笑)

 でも、作曲者の意地というか、本当は一箇所だけ「シ」が出てくるのです!
(この音は勝負してほしい、と願って書いたんですよ!)

 曲が完成し、「ほーら、音も低いし簡単でしょ?」と意気込んで、生徒の中に混じり一緒に演奏したのですが、
ユーフォのパートは(楽しそうに?)無事に乗り切ったものの、いざトロンボーンのパートを吹いてみると、
(実はトロンボーンも持ってるんです。(笑))音は簡単なのだけれど、意外に落ちる落ちる・・・・。

 あれれれれれれ・・・って感じだったのですが、意外に入る場所が難しい・・・・?(笑)
確かに音を低くした分だけ「ネリベル風」な作風で作ったのですが、まさか落ちるとは!(笑)

 その後、音源データだと5分を若干超えていたので、テンポを速くして全部やるのかな?と思っていたら、
鈴木先生のマジックカットが炸裂!(初演で、カットするなぁ====って心の中で叫んでいました。(笑))

カットは・・・・・、

 37小節目に入らないで、46小節目へ!(確かにそうすると、トロンボーンは落ちないね。(笑))

 134小節目に入らないで、142小節目へ!(ふむふむ、確かにつながる・・・。)

 154小節目に入らないで、163小節目へ!(また、このパターンか・・・。(笑))

 183小節目に入らないで、187小節目へ!(なるほど!)

 190〜192小節目を工夫!(1小節カット)
 トランペット・トロンボーンは、191をカット。テューバは190の休みの小節をカット。
 ホルンは192をカット。ユーフォは192の連符をカットし(191の三拍目にホルンの連符をplay)
 

 みたいなウルトラカットでした!!でも、意外に繋がるから不思議。(笑)

 極めつけは、一番盛り上がる112の三拍目から113小節目!
ここは作曲者自身「宙(ソラ)を越える気持ちでを吹いて!」と、
言っておいたのにもかかわらず、

 1番トランペット(ソラ)が→2番トランペット(ミファソ)、
 2番トランペット(ミファソ)が→3番トランペット(ドレシ)、
 3番トランペット(ドレシ)が→ホルン(所謂、トランペットの真ん中のソラシ)、

 と、見事に音が下がり、まさしくタイトルの通り「ソラの下で」、ソラを越えない初演となりました。(爆)

 演奏後、生徒たちには、「とても吹く易く、良い曲でした!」と笑顔で返されました。(絶対殺す!(笑))

 でも、タイトルがタイトルなんだから、ま、いいか・・・・って未だに苦笑いしています!(^^;;