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鹿友会誌(抄) 「第十五冊」 |
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△祝辞 盛岡 文学士 小笠原敬三 我が鹿友会が、茲に創立二十五年の記念号を発刊せらるゝの企あるを聞き、聊、所懐 を述べて本会の発展を祝するは予の欣悦に堪へざる所り。惟ふに本会の既往に遡り、盛 衰浮沈の詳叙し、光輝ある歴史の成蹟を躍如たらしむるは、別に其の人あらむ。唯々予 は過去二十有五年の間、我が同人が鹿友会なる旗幟の下に、熾烈なる愛郷的精神を以て 団結し、善を責め、悪を戒め、互に士節を研砺し、技を練り、能を磨き、鞭撻激励、必 ず大成を期し、此に於いて年々歳々済々多士錦上又花を添へ、出ては社会の各方面に嶄 然頭角を顕し、邦家の発展に貢献せられつつある現況に顧み、本会の隆運ここに至れる を喜び、併せて、既往に於いて本会経営の重任に膺り、よく存亡の危機に際して松柏の 苦節を持し、創業の鴻基を確立して、盛運の端を拓き、今や本会の元勲として本会の尊 厳を代表せらるる先輩諸士の功績に対して、深く感謝の意を表するものなり。 翻って思ふに、二十五年の歳月、短かからざるに非ずと雖も、天地の悠久に比すれば 固より一瞬のみ、而かも漫然之を送迎し、会の前途に対し何等計画する所なくんば、殆 と無意義と謂はんのみ、然れ共、こゝに一新紀元を画し、新なる自覚と努力とを以て、 創業の鴻基を拡張し、更に其の面目を一新し、本会の前段に一段の光彩を加へ、創立二 十五年の盛事をして、真に意義あらしむると否とは、一に会員諸君の努力如何と顧るの み、請ふ之れを本会の前途に徴せん。 |