鹿友会誌(抄)
「第十四冊」
 
△花輪歌壇
 学び子がいまやかへらむ埋火に 炭さしそへよさむき夕ぐれ
(埋火) 川村左學

 年をおくりとしをむかふるこの宵は わが身二つの心地こそすれ
(除夜) 同

 花ならでなにゝたぐへむ吉野山 かぜなきあさの雪のけしきを
(雪) 同

 霜ゆきにしほれし野べの枯草も はなのむかしはわすれざらまし
(寒草) 同

 年たちし高嶺のゆきはかはらねど 初日のかげのゝどかなりけり
(新年) 吉田五郎

 久方の雲井に田鶴のこゑすなり あふげばたかき松のこずゑに
(松上鶴) 齋藤麟道

 十二支のかしらにかぞふ嫁の君 くらのたわらに子をふやすらむ
(鼠) 佐藤健助

 山家にもめでたく年をむかへけり 松のかざりもひとをたのまで
(山家新年) 同

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