モル日記14

 

「決まったかぁ〜!」

帰っていた。

入るが早いか聞いた。

閲覧した書類整理をしないといけない。

「慌てるな!ちびが帰ってからだ!」

「いるよぅ〜!」

「向こうで、ゲームやってる!」

「これやってからな!」

「本当に、決まったのぅ〜!?」

嫁が、お茶を持ってきて言う。

「あぁ〜!決まったさ!」

それ以上言わない。

出て行った。

事件簿をまとめ、公図をファイルした。

居間に戻った。

「あれ?どこ行ったぁ〜?!」

「ねぇ〜!奴等、何処行ったぁ〜!?」

「あれ?そこに居ない?!」

居れば聞かないよ。

「あぁ〜!居ない!」

「チビは?」

外を見たが分からない、窓を開けた。

居れば寄ってくる。

「居ないな!」

「散歩か!」

じゃ、もう少しいいな!

パソコンのスイッチを入れ、

残りの図面を描き始めた。

これが、厄介な図面だ。

「聴こえたぁ〜?」

「えっ?なんか言ったの?」

夢中になって時間の経つのを忘れていた。

「もう少しだから!」

「夕飯になるんだけどぅ〜!」

区切って、出て行った。

「とうちゃん、決まったのかぁ〜!?」

ちびが言った。

「決まったって言ったろぅ〜!」

「兄ちゃんに聞いたんじゃない!」

「お前うるさいぞ!」

「飯食ってから、教えてやるよ!」

「おわりぃ〜!ごっそさん!」

「俺も、ごっそさん」

こう言う時は、早い!

「まだかぁ〜?」

「えぇ〜い!向こうに行ってろ!」

食後、もったいぶって伝えた。

「それでは、発表します」

お茶を一口飲んだ。

チビが、ジッと見ている。

「でっ、なんだっけ!」

「名前だよ!」

「そうだ!名前だ!」

「おぉ〜!そうでした!名前ですね!」

タバコに火をつけ、一服した。

お茶を飲んだ。

「1号・2号」

「あぁ〜?!」

「1号・2号」

「いちごう・にごう、に決まりです!」

ポカァ〜ンとした。

おぉ〜、期待通りのリアクション!

「うそぅ〜!?」

「何だそれぇ〜!」

「あぁ〜、名前だよ!」

嫌だの、何だのと言ったが

ここで引いたらだめだ!

結局、しぶしぶ承知した。

「どっちが1号だ!」

「俺のは何だ!」

と聞かれても、

どっちがどっちか区別できない。

「お前のが、1号」と兄に言う。

「お前のが2号」とチビに言った。

再び、ポカァ〜ン!

良いぞぅ〜!この顔が見たかった。

「やだぁ〜!」

「そんなのやだぁ〜!」

むくれて、二人行っちまった。

「全く、いい加減な名前にして!」

「いい加減じゃない!」

「どこが!?」

「鉄人だって、鉄人28号だ!

サイボーグ009、仮面ライダー1号、

ジェームス・ボンドも007、

ガッチャマンだってG1号だ!」

「君ねぇ〜!あんた大人だよ!」

「モル1号・モル2号!」

「良いじゃ〜あぁ〜りませんか!」

「どこが!」

「・・・・」

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