モル日記

 

塀に沿って「獣道」がある。

植え込みの下の「木箱」からそれは続いている。

友人宅に行った時に、

縁側の段ボール箱に何かいるのに気付き中を見た、

「何だこりゃ〜!」

子猫の様で、そうではない物が二匹いた。

「あぁ〜、モルモット」友人が軽く言った。

「モルモット」聞いた事はある。

「モルモット実験」「俺は、モルモットじゃない!」

などと、あまり良い言い方ではないが……。

しかし、見たのは初めてだ。触ったのも初めてだ。

子猫から、尻尾を取ったような、

ウサギに耳がなような、そんな感じだった。

「へぇ〜!これがモルモットって言うんだ!」

「鳴くのか?」

「何を食べるんだ?」

「いつ生まれたんだ!」

「オスか?メスか?」

「何て名前だ?」

「暑いのや、寒いのにはどうなんだ?」

「こんな所に入れて置いて良いのか?」

「噛み付かないか?」「逃げ出さないのか?」

などと一気に聞いた。

友は一言答えた。

それも素っ気無く。

「知らん!」

「知らんたって、おまえん所で飼ってんだろ!?」

「いや!」

「えっ!」

「今朝、来たところだ」

「何処から?捕まえたのか?」

「違うよ!もらったんだ!

そんな物、そこ等辺にいる訳ないだろ!」

それもそうだ。

そこ等辺に、やたらにいるようなものだったら、

こんなに興奮しない。

「裏のうちで、沢山生まれたから

何とかしてくれって泣きつかれたから…」

それを聞いて、欲しくなった。

「おおぉ〜、教えてくれ、何処の家だ!おい!」

「なに!欲しいのか?ほんとか?!」

「ああ!欲しい!飼って見たい!」

「やる!これ、持ってけ!」

段ボール箱をトランクに入れ、すぐに帰った。

「なにしに行ったの!」

段ボールの中を息子たちに見せ、

得意になっていたら、嫁に言われた。

「さぁ〜!忘れた!」

もうぅ〜良いもんねぇ〜!

馬鹿だ、戯けだと言われたって!

もらって来てしまえば、こっちのものだ!

「どうするの!?」

「飼うに決まってるじゃないか!」

「どやって!」

「庭に放す、放し飼いだ!」

と言う訳で、我が家の庭では

「モルモット」と「犬」が放し飼いになっている。

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