ToHeart考


To Heartというゲームについて思ったことをつらつらとメールに書いて友人とお話しておりました。その内容をちょっとまとめました。話は基本的にPC版に準拠してます。が、最後にPS版やアニメの話も書いておきます。またヒロインの順番や内容の多さには他意はないので、「俺の好きなあの娘の分量が少ないぞ」と思う方は、どんどんメールください。妄想がふくらめば、つけたして書きますので。
ysasaki@mtj.biglobe.ne.jp

1:To Heartというゲームについて

最初にこのゲームを知ったのは、Netnewsでの評判でした。まだ出たばっかりだったんですけど、その評判が結構良いものでした。で早速、秋葉原で購入してやってみたんですけど、感情移入がすごく、特にマルチシナリオではコンピューターを前にして初めて泣いてしまいました。

基本的には日常を描いたゲームなんですけど、そのキャラは、超能力者(琴音)やら魔女(芹香)やらロボット(マルチ)やら、非日常のキャラが多いです。各キャラはあくまでも普通の女の子として描かれていましたけどね。従来のアドベンチャーゲームが普段は体験出来ないような非日常的な舞台を持っているのに対して、あくまでも日常を正面に押し出していた感じです。日常にはかなり気を使わないと違和感が残るんです。みんな解っているから。(この考えは、ガラスの仮面より(^^) ) それを違和感を感じさせないようにする<のは大変なんですけどね。昔の作品だと、学園物と銘打ってもその実は何らかの事件を軸にした物が多かったですし。

また、Leafとしては従来の純粋なノベルシリーズ、「雫」「痕」とは違って、多少のゲーム的不確実性を持たせようとしたのではないかと思います。それを「行動の選択肢」から「移動場所の選択肢」と言う形にしたのだと私は解釈してます。

私のゲームのやり方は、基本的に自分が客観的になっており、基本的にRPGとかでも、主人公が死のうがどうでもいいという状態でやっております。しかし、ここで、To Heartを初めてやって、で、マルチのシナリオでのお別れの校門のシーンで、なんかものすごい寂しくなっちゃったんですね。ゲームでは初めての体験でした。これで、思いっきりはまって、友人にもすすめまくってしまいました。(^^)

2:主人公について

主人公は基本的にプレイヤーの分身ですから、その点で浩之を受け入れやすかったのは、彼の考え方(まあリーフのシナリオライターの考え)は比較的自分に近かったからじゃないでしょうか。

3:ヒロイン達について

3-1:神岸あかり

基本的に第1ヒロインです。でもすっごいヒロインぽくない娘です。今までのその他恋愛モノので、男が主人公だった場合、ヒロインはスポーツ万能だったり、美人で優しくて学校の有名人だったりします。

しかし、あかりはそんなことはありません。ただ、大事な点は、「主人公を好きであること」これがはずせないわけですね。周りからは、クラスメイトという認識が中心の平凡なキャラですけど。ここで言えるのが、ゲーム性と言う視点とドラマ性と言う視点の違いでしょう。幼なじみと言う微妙な関係を描くのは、描写し過ぎると陳腐だし、描写が足りないとわかりにくい。そのへんのバランスがうまく取れたところに、あかりと言うキャラが出来たのではないかと思います。

そして、このゲーム最大の攻略キャラですね。あかりとうまくいくためには、委員長、琴音、志保、レミィのうち少なくとも二人と仲良くしている必要があります。そうしないと、おつきあいはできてもうまくいかないという。その意味では嫉妬キャラなんですけどね。まあ嫉妬はしませんが。(^^)

主人公にとってはすごい都合のいいキャラなんですけどね。犬チックとは言い得て妙。犬ってじゃれつくし、ご主人様大好きだし、遊んであげないとすねない代わりにどことなく寂しそう....。うむ、ネコキャラが多い中で貴重かも。

3-2:HMX-12マルチ

マルチというのは、ロボットであり、人間に仕えることを夢としてもっております。そのため、言い付けられた仕事をきちんとこなせるようになりたいという欲求があります。マルチの感情プログラムがどのように作られたのか興味があります。自己学習型のマルチですから感情も研究所の誰かに教えてもらったのかなとも思うんですが....。あ〜ゆ〜性格の研究所員が居たら別の意味で怖い。(^^;;;

で、ここで
「ロボットには心は存在するのか」
「その感情を人間として認めることができるのか」
「さらに、それに対して恋愛感情を持つことができるのか」
というSF的な命題がぜぇーんぶすっとばされて、いきなり
「かわいそう」
と思って手伝ってしまう主人公がいると。自分だと多分出来ないですね。コンピューターのプログラムが反応していると考えてしまうから。....さすがは長瀬主任。

まあ実際にマルチには感情があるわけなんですけどね。そのため、主人公はマルチにとって特別な存在になるわけです。これは、感情を司るAIが存在すると仮定すると、ものすごく幸せな事じゃないでしょうか。理解してくれる教育者がいるわけですからね。ですから、マルチにとって浩之は「ご主人様」なわけですね。これがマルチにとっての最大の愛情のこもった呼び名なのでしょう。ただ、ここで主人公の立場になって見ると、こう呼ばれることによって自分とマルチの人間←→ロボットの関係を再認識させられると思われるのでちょっと辛いかもしれませんね。

また、製品としては利用できないので、感情の無い妹たちが量産されてしまうという悲しさもあります。製品としては利用できないでしょうが、新たな生物としてなら利用できるかもしれませんね。人間の友達として。

感情のあるロボットのように、いまの技術では考えられないものが主人公の元にやってきて、で、主人公と恋に落ちるのは昔からあるんですが、それでも繰り返し出るということはよっぽど好まれた題材なのでしょう。王道かも。やって来る相手が宇宙人だったり神様だったり外国人だったりと色々なパターンはありますが、これらが良く出てくるのは
1. 人間じゃないわけですから、どんな設定にしようがオールOK。
2. 人間の(あるいは日本人の)生活を良く知らないことによるハプニング
という理由があると思ってます。で、これらを巧く使って軌道にのせてしまえば、後はほのぼの路線でも何でも続けることは容易でしょう。例えば現在の「女神さまっ」などは完全にほのぼの路線に入ってますよね。

P.S.マルチのテーマは「夢見るロボット」。そうです、マルチは夢を見られるのです。

3-3:長岡志保

志保ちゃんは、実は最初から浩之が好きです。恋人になりたいとは思っていない気がしますが。でも、あかりのこともあるし、浩之とのいまの関係を壊したくないから、告白することは無かったのです。先輩(名前忘れた)に告白すると決めたときにも、浩之との仲を揶揄されたからだと思うし、最後のHシーンも愛しさが募ってのことだと思います。ただ、現状を維持したい気持ちが強いので、「興味がある」とか「皆が経験している」という理由をつけるのだと思います。志保ちゃんが一番進んでいるようで、一番臆病な女の子ではないでしょうか。

しかし、彼女の真骨頂は、本人シナリオよりも他の娘のシナリオにあります。ねっからのトラブルメーカーで、好奇心が旺盛で、それに主人公を巻き込むことによって全体の話の深みというか面白さを醸し出していると思います。マルチのあそこイベントでの志保ちゃんや初音のないしょ(Leaf)にあるおまけシナリオなどは、私のなかで、To Heartを面白かったとおもわせる一因になっていることは確かです。

彼女とのエンディングは、彼女とハッピーにはなれませんですが、
「あかりと結婚しなさい」
という名台詞を残しております。主演男優賞も主演女優賞もとれない、ヒロインとしては弱いかもしれない彼女ですが、間違いなく助演女優賞であると思います。

3-4:姫川琴音

琴音は自分が人とは違うことを悲しく思っています。そして、その能力が他人を不幸にしていると感じています。運命をみるということはどういうことなのでしょうか。予知した未来を変えることが出来るとしても、そうするとその予知能力は間違っていたということになるし、変えられないとしたら、意味のない能力です。琴音ちゃんは後者の能力と考えていたので、それを前者にしてくれた(=その能力は絶対のものではなく運命を変えることが出来るということに気付かされること)主人公を好きになったと、そういうストーリーですね。

まあ、彼女の場合、エンディングから後が面白そうなんですけど、それはプレイヤーにおまかせってことなんでしょうねぇ。果たして子供は産めるんだろうか.....。

3-5:宮内レミィ

うーむ、ミスリードにはまった私としては、「ふつー金髪ぐらいはおぼえてろよなぁ主人公」ってのが最初の感想なんですねぇ。この娘もあかりとならんで攻略キャラです。パンツの色で好意度がわかるという...。そんなところばっかりに目がいってしまいがちですが、彼女自身のことを考えると、まあ底抜けに明るくて、人見知りをせず...という部分がクローズアップされますねぇ。

ただ、笑えるというのは、何も考えていないというのと、ふかーく考えているという両面を持っていると思います。どんな状況においても笑っていられるのは、ある意味ものすごい努力が必要なのですから。もしかすると彼らの中で一番大人なのかも....。最後の涙を溜めながらの笑顔が、彼女のベストショットだと思っております。

3-6:来栖川芹香

おとなしめのお嬢様なんですけど、趣味がオカルトというすごい方です。友人が少ないのは、お嬢様だからなのか、オカルト趣味だからなのかがちょっと不明瞭ですね。(セバスチャンが悪いといううわさもある。(^^) ) 泰然自若とした行動には風格を感じさせるものがあるんですけど、主人公が普通に接してくれるのを気に入ったところを見ると、さびしがりやなんでしょうねぇ。やはり両親と早いうちから離れたのがこの性格を形作ったんでしょうか。綾香をみるとそう感じることもあります。

唯一の先輩キャラなんで、母親みたいなやさしいところがあるようにかかれてますね。主人公が約束をすっぽかしても笑って許してくれるという。あかりがどちらかというと肝っ玉母さん系なんで、この娘はやさしいお母さんなんでしょう。

3-7:松原葵

自分というものを持っている、そして自分の夢に突き進む、ほんと熱血キャラクターです。だだ、主人公に弱音を吐いたりするのを見ると、熱血バカではないようですね。女の子としての悩みもあるし、このままでいいのかという悩みもある。目標はスーパーウーマンの綾香ですから、かなり遠いですしね。ただ、夢に向かって努力をするのは後々に役に立つとおもうんだけどねぇ。私も小さいころから水泳をやっていて、まわりのみんなが遊んでいるのにっって思ったことも多々ありますし。でも、今になって思うと、悪くなかったなと思っております。勝ち負けを超えたところに、友情が芽生えることも多いですから。

で、葵ちゃんは唯一の理解者である主人公に心ひかれるわけなんですけど、気がつく状況が、最近になって私のつぼにはまってきておりますです。いいですねぇ。夕刻の神社、今までは一人だったのに先輩が入ってから....。くぅー。寂しさと恋心、結構密接な関係がありますしねぇ。その人がいなくなって思いが募ることも多いし。その人がいない間に浮気をするっていうのは、良くある話ですけど、それはいなくなった人に愛情を感じていない証拠なんじゃないかと筆者は思います。

3-8:保科智子

静かな大阪弁。いままで無かったキャラ設定ですね。通常は関西の人っていうのは、明るくて押しが強くて商売人というキャラ付けがあった思います。でも、当たり前でしょうねぇ。関西の人もみんながみんな明るくて押しが強いわけではないですし。この娘は多分にもれず押しは強いかも知れませんが、どっか世の中をはすに見ているようにかかれてますし。まあ本人が後でそう告白するわけですけどね。自分の居場所っていうのは、難しい話で、ここにいてもいいかどうか、ここにいる理由があるのかっていうのは、みんながずぅーっと思っていくことなんではないでしょうか。

最後には、主人公の家で、主人公のワイシャツ着て(おいおいおやぢの夢な格好だなぁ)、ふたりでぐちゃぐちゃといろんな事話して、どんどん二人の距離が縮まっていくのがわかりますねぇ。個人的にはPS版のように、そのときはずぅーっと話して夜中までっていうのの方が好みなんですけどね。そこにHをするというのは本当の恋かどうかわからなくなりそうですしねぇ。なんか憐憫に見えるし。もちろん主人公を好きなのはわかるんですけどね。

3-9:来栖川綾香(PS版)

基本的にはおまけシナリオなんで、そんなに深い話ではないですね。スーパーウーマンにも悩みってあるんだよってことですけど、そりゃどんな人だって悩んでいるだろうなぁと思ったぐらいです。キャラ的には好きなはずなんですけど、(って巷の人気も高いみたいですけど) あまりはまりませんでしたねぇ。この娘は芹香シナリオや葵シナリオにアクセントを与えていたほうが良かったかなぁと思いました。そのほうが妄想が広がるし。

3-10:雛山理緒(PS版)

こちらは、PC版では基本のおまけシナリオなんで、あまり深くは無かったですけど、PS版になってかなり私的ポイントアップです。(^^)というのも、恋愛って自分の良い面を見せたいもんだ、けど最後には、ありのままの自分を見てもらうのがいいんだっていうのは、なんとなく私の考えに近いものがありました。恋にあこがれている自分から、本当に恋するようになるまでをきちんと描けていたような気がします。大谷ボイスもポイント高。(^^)

4:PS版について

まずPS版の感想は

・志保のデザインが違う!
志保ちゃんのデザインは、目の中に星がちりばめられていていつもうるうるしている印象です。これが違和感を与えているなぁと。アニメ版では、そんなのを動かすのは難しかったのかシンプルになっていますけど、それぐらいがいいですねぇ。

・琴音のデザインはさらに違う!!
たちポーズのいくつかのデザイン目がちょと離れていて変ですぅ。

・オープニングは良いがエンディングはPC版の方が好き。
アニメのAccessやYellは好きです。

・あかりストーリーの改良
あかりストーリーを変更するは、PC版のストーリを考えると難しかったと思います。Hシーンであれが勃たないというのは、主人公の幼馴染としてしか見ていないのをうまく示したと思ってました。でも、PS版もよかったです。自分から飛び込んでくるあかり。いいですねぇ←おじさん

・志保ストーリーの改良
志保はPC版のエンディングの台詞が大好きなんですけど、でもこちらのほうが志保ちゃんらしいですねぇ

・レミィストーリー私的ランキング急降下。
レミィストーリーは改悪だと思うぞ。あの思いでの話を無くするのはなぁ。

・葵は声の威力で私的ランキング急上昇。
いかんですよ。声つきで「先輩....。早く帰ってこないかなぁ。」でプレイヤーもせつなさ大爆発って感じです。坂下好恵もいい感じでした。

・基本的に、ちびキャラに捕まらないと大丈夫な私。
マルチ、あかり、葵、レミィはちょっとキャッチー。(^^)

・芹香おじょうさまとのデートは大正解というより、よくやった!
あぅー白い水着ぃ。