「冬の猫」経過と行動
凍てつく冬の夜です。
和睦調停の前日と言うことで、
調停役の大司教が城にやってきて宿泊し、大歓待されていました。
ベネットは2つの国がもめる事で双方から利を得ていたので、
この和睦調停が成立すると、まずい事になると思い、
密かに調停の失敗を画策していました。
主人公のロイズは、和睦の邪魔をしている人物を内密に調査していましたが、
相手の尻尾がつかめないまま今日に至ってしまい、
とりあえず明日は調停があるということで、自分の部屋に下がり、
暖炉に小さく火を入れて暖まろうとしています。
宴会後、犯人ベネットは宴席の済んだ調理場からごちそうの鶏の胸肉をもらって、
かわいがっているデブ猫アルレッキーノに与え、
そのあと大司教の部屋に行って、
酔って寝台で熟睡していた大司教を、短剣の一撃で殺害します。
そこへ、デブ猫アルレッキーノがまだ何かねだろうとベネットを追ってきますが、
大事の客用に盛大に燃えている暖炉の火が気に入って、
そばにあった大司教の法衣を敷いてその上で寝てしまいました。
ベネットは(無類の猫好きだったので)アルレッキーノを起こさずに、
猫が出やすいように客室の扉をわずかに開けたまま出て行きます。
城の雑用係の男が廊下を通りかかり、ふと悪心を起こして、
薄く扉の開いていた大司教の客室に入り、
暖炉の真ん前に法衣を敷いてゴキゲンで寝ているアルレッキーノをどけて
(正しくは蹴飛ばして)、大司教のサイフも盗み
(大司教の寝台の死体については確認せずに)
慌てて出て来たところを女官に見つかって、大騒ぎになります。
さて、暖炉の前から追い出されたデブ猫アルレッキーノは、
ふてくされながら、今度は主人公のロイズの部屋に向かいました。
ロイズがアルレッキーノを部屋に入れ、
毛があまりにほかほかだったので、盛大に燃える暖炉の前(=大司教の部屋)
にいたんだな・・・と思っているところに騒ぎが起きて、
大司教の暗殺が発見されます。
主人公のロイズは、これまでの経緯から殺害犯が別にいるのではないかと思い、
ひとまず「デブ猫アルレッキーノは自分の側にずっといた」 とウソをついて、
こそ泥の男を殺人犯に仕立て、その場の騒ぎを収拾します。
殺害現場にいたアルレッキーノが犯人を知っているかもしれないと考えたロイズは、
宴会の後に鶏の胸肉を猫にやっていたというベネットの行動を聞き出し、
アルレッキーノが大司教の殺害時刻にベネットの後を追って行った事、さらに、
ベネットが夜中にのろし塔に(仲間への連絡の為に)昇っている事を知ります。
のろし塔で城から追ってきたロイズを迎えたベネットは、
(ロイズが、ずっと猫と一緒だったと皆にウソを言った事がわかっているので)、
ロイズが皆に内緒で自分を強請るつもりなのかもしれないと考え、取引を申し出ますが、
かえって証拠を捕まれたことになり、ほぼ自白に近い状態となりました。
なお、捕まったこそ泥の方ですが、
大司教殺しの罪で死刑にされると思って、
寒い牢屋で泣きながら一晩震えてすごし、翌朝やっと出してもらいました。
彼の罪を考えると、このへんが妥当なところでしょうね。