「芋の葉に聴いた咄」 
収録作品ピックアップ



<味噌ひとなめ>

珍見異聞は 「どこかで見たような話」 というのがコンセプトです。
まともな元話はないんですが(多分・・・)、「なんかどっか昔に 聞いたような見たような気がする話」 という雰囲気を中心にして描いています。
その中でこれは少し元があって、 昔話の中の「たのきよ」のとんち話とか、狂言(だったような気がする)の 「茸(くさびら)」だと思います。 (”思います”というとこが実にたよりないのですが、 子供の頃読んだ本が出てこないのであります。)
「たのきよ」は、旅の薬屋さん(かな?)が古屋に泊まって、 その家のバケモノに、狸と間違えられてしまい、 二人で化けくらべをするという話です。  どうもくさびらは塩気に弱いらしいですね。
(ナスの煮汁にも弱いという話なのですが、これは本当なのだろうか???)




<虫合わせ>

「虫の声」を鑑賞して愉しむのは、日本や東洋に特有の感覚のようです。
ドイツ人の植物学者が日本にやってきて、大きな木を見てとても欲しがるので 「そんなに珍しい木なのか」と思ったら、そのドイツ人学者が 「だってあの木は鳴くじゃありませんか!」  ちょうど夏で、セミが鳴きまくっていたから・・・  という話を聞いたことがあります。 作った話だろうと思いますが、 そのくらい、虫の鳴く声は西欧人には馴染みがない・・・という話。  アメリカ人には秋の虫の声が雑音に聞こえる・・・という話もありましたが どうなんでしょう? さてそんな「虫の音」のエピソードを集めてみました。
昔の人は、テーマを決めて持ち寄ったものを競うイベントを  「合わせ」 と呼んで、楽しんでたみたいです。  一種の 「セッション」 みたいなものでしょうか・・・?



2001.4.29.



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