「塔に降る雪」 
収録作品ピックアップ



<石の谷の姫君>
<アジア変幻記> は、原話の存在しない 「アジアの民話風」 の物語集ですが、 この 「石の谷の姫君」 だけは 実在する(らしい?) 「七夕伝説の変異種のアジア民話」  をベースにしています。
小さい頃に読んだ昔話の本の中に収録されていた物語で、 原話がどこのものか、今ではもう覚えていませんが、 「何かの偶然で天の娘と結婚した男が、禁じられていた瓜を切って洪水になり、 大水に押し流されて奥さんと会えなくなってしまった」  というクライマックスのインパクトが印象的で、その部分をこの話で転用しています。





<塔に降る雪>
僧院は、東洋にも西洋にもありますが、 ある意味ではとても不思議なものです。
「神や仏に一生を捧げる」 という崇高な人生のはずが、 一瞬でも「神や仏は人間の空想上の産物かもしれない」  とカンぐると、すべてが無意味100%になってしまいます。  しかもそれぞれが、「ウチの神さまは正しいが、 むこうは間違ってる」 だったり、  「ウチは本物だが、あっちは想像上の産物だな」 と思ってるわけで、 神さま同士も  「オレとアイツは仲良しなんで、 あっちの神さまもヨロシク頼むな」 なんて言わない訳ですから、 世界宗教会議もけっこう大変だと思うのですが・・・
さてこれは、僧院で育ったお坊さんが、今まで会ったことのないものに 会ってしまったお話。
出会ったものが、「神さま」だったのか 「魔」がさしたのか  「試練」なのか、 はたしてそのどれでもないんでしょうか・・・



2001.4.13.



新月宵
<アジアについて>
おまけ頁です




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