「ビースト解説」


<オーガー>
オーガーは、日本の 「鬼」 に一番近いイメージの西洋の魔物で、
怪力で図体がかなり大きく、非常に粗暴で不潔で凶悪な食人鬼です。
文化的な生き物ではないらしく、頭はあまりよくないことになっています。
オーガーは、日本語に直訳される場合は「人喰い鬼」と訳されています。
他にゴブリン(小鬼)と呼ばれる鬼がいて、こちらは人間より少し小型で
かなり根性が悪く、人間と取引をする場合もあるのですが、こすっからくて
悪知恵が働きます。 体が大きいと頭がはたらかず粗暴、小柄は知恵が
あって厄介・・・というような、おおまかなイメージ区分があるようです。


<こびと>
西洋にはいろいろな種類の 「こびと」 の伝承があります。
一般的に知能程度が高く、悪霊に近い場合もありますが、妖精的な魔物です。
日本で知られている一般的なイメージの小人は、森に住む自然の精 「ノーム」
家に来て真夜中に家事をしてくれるのは「ブラウニー」(”小人の靴屋”はこれ)
うまくつかまえたらお金持ちにしてくれる 「レプラホーン」というのもあります。
赤い上着に三角帽で垣根の上で靴を直していたり、帽子の先で逆立ちして
くるくる廻って遊んでいたりするらしく、いかにも捕まえやすそうな小人です。
「白雪姫と七人の小人」 の小人さんは、金鉱掘りをする「ドワーフ」のようで、
体格が 「ずんぐりで背が低くてがっしりしている」 のが特徴。 園芸植物で
「ドワーフタイプ」と書いてあるのは、この「背が低くてがっしり型」を言います。
他にもいろいろな種類の「小さい人々」がいて、「妖精」の一角をなしています。
「ランペル・スティルツ・キン」 に出てくる小人は正体がよくわかりませんが、
話の印象では、レプラホーンに近い性格の 「富をくれる」 小人のようです。


<大男>
巨人(ジャイアント)は、見上げるほど背が高く、怪力の持ち主です。
神話から派生した伝承らしく、元は「巨人族」と呼ばれる神族(?)の一種なので、
図体から来るイメージには合わない、神々しい立派なお城に住んでいる事があります。


<精霊親>
ゴッド・マザー と呼びますが、生まれたときに赤ん坊に祝福をしてくれる
善の守護精霊のことです。 人間の「名付け親」もゴッドマザーと呼びます。
ディズニーの「眠れる森の美女」では、豪華3人組の精霊親がついてました。


<呪いと約束>
民話や伝承説話では、だいたい、人間じゃないものと何か「約束」をすると、
とんでもない事態に陥ることが多いようです。 「約束」が、一種の「呪い」化
している状態です。 「約束」は 「言葉」による魔力が働くと考えられたよう
です。 それにしても、王子様やお姫様は童話で無闇に呪われていますが、
あんなんで、人生だいじょうぶなんでしょうか・・・???


<魔女>
西洋ではいろいろなタイプの魔女が物語に描かれています。
だいたいは 「おっかなくて気味の悪い」悪魔的なもののようですが
単に「女性の魔法使い」を指す場合もあるようです(人魚姫など)。
「ハンスルとグレトル(ヘンゼルとグレーテル)」で、おかしの家を
作っている魔女は、森の奥に棲んで人間の子供を食べています。
日本の伝説にある人食いの鬼婆 「山姥」 に近い雰囲気ですね。


<猫>
西洋では 「猫は9つの命を持っている」 と言われています。
賢くて、ちょっとずるくて、ふしぎな生き物・・・という扱いです。
その「猫」が長靴まで履いたんですから、まぁちょっと人間では
タチウチできないでしょう。 日本でも 「猫は長生きすると尾が
七つに割れて、化けられるようになる」 なんて言われています。
猫は、魔女の使い魔としても有名で(使い魔というのはお稲荷
さんの狐にあたるもの) 中世魔女狩り時代のヨーロッパでは、
ペストが大流行した際、恐怖にとりつかれた人々が魔女の使いと
思われていた猫を殺したので急激に鼠が増え、ペストがより猛勢
したという怖い話(どうもかなり実話らしい) まで残っています。




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