****** * 春いちばん * ****** |
こちらは <春いちばん(家族団欒図)> の衣装設定。 時代感のいる話だったので、けっこー考証にはげんでます。 女中さんの絵は、シャルダンの絵を見ながら、お屋敷勤めの 「働く女の人」の衣装を練習してみているところです。 時代物の衣装はデザイン画や実物を見て描くのは意外に難しく、 実際にその時代に描かれたスケッチの方が、着こなしの感覚や 衣装をつけた動き方、しぐさに生活感があって、資料にはベスト なんですが、欲しい時代の欲しい職種の衣装を当時の絵から 見つけるのはけっこームズカシイです。 うんと低所得者層だと まだマシなんですが(貧乏で服にデザインもクソもなかったりする) 中間層は服で職種を区別してる場合もあり、職業によってかなり クセのあるデザインを着てたりして、「どうしてもこの職種の人を 正確な衣装で描きたい!」なんて場合は、調査に手こずります。 (そこまで正確な時代物を描く場合はあまりありませんが・・・) で、「主役」の衣装のほうは、多少時代感から外れてても 主役の強みでなんとかなる(おいおい)とこがあるんですけど、 周辺部や背景の人々の時代感がヘンだと、背景の実在感が 成り立たなくなっちゃうんで(つまり主役という特定の人じゃなく、 まわりのごく普通の人がズレてると、その世界の常識も時代も全部 ズレちゃうので)、脇役や背景の人の着る衣装は、リアル感の 要になる場合があって、資料が欲しい場合はタイヘンです。 この作品の舞台になったロココ時代てのは、非常に幸運な事に 肖像画や人物画や生活画がものすごく流行った珍しい時代で、 通常注文主として描かれている「特権階級」の人々はもちろん、 シャルダンの絵のように、使用人やごく一般の暮らしの生活風景 などなど、普通なら絵画の画面にはあまり出てこない人々まで けっこう絵画に描かれていて、描く時とても助かりました。
”春いちばん”は 「僕らは優等生/D班レポート1(花とゆめコミックス版)」 の中に収録されていました。 (文庫収録はありません) |
|
|
|
ご案内 |
1冊目もくじ |