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* 愛の核シェルター *
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ゴチャゴチャしてますが、左上が<愛の核シェルター>の予告カットラフです。
 (右の会話や下の人物群は、単発で浮かんだイメージの留め書き)

予告ラフの横にタイトルを考えた痕跡がありますが、 内容は決まってなくて、背景に描いたアイテムも日本の庶民的イメージを 使いたいという程度のおおまかなアウトライン。 下の文字は予告カットに添える内容コメントですが、 描いた物は、最終的に<ユーレイとカップ麺>という、 これとは全然別の日本的アイテムに変容しました。

まとまらなくてボツにした予告の「内容」のほうですが、 その時にはまとまらなくても、後でフッと形になるっていう事があって、 ずっと後、「柔らかい機械」 の中の 「定食製造器」  というショートショートになっています。

こういうのはずっと覚えてることもあるし、  「次に何を描こうかなー・・・」 とアイデアノートをパラパラ 見返してると、昔どう扱っていいかわからなかった素材が 突然うまくまとまって、スパッと描ける時もあります。  (「定食製造器」がどっちだったか覚えていませんが、 この設定そのままなので、このメモを見直して出来たのかも)
やはり何でもとっておくもんです・・・!
(という訳で、私の部屋が捨てられない物のゴミの山になるんだな・・・)



下にある 「鹿手袋の男」は、右下の絵とセットで、 「こういうタイトルの話があったら読んでみたいな」 と思った  タイトルとイメージ(人物)のメモです。 (内容は存在しません)

私の場合、タイトルとか上のような会話の1シーンからそのまま物語が 出来ちゃう事が結構多くて、こういう単発メモ(物語になってないタイトルや、 浮かんだ1シーンだけのメモ)がけっこうあります。 で、話が出来て 流れ出すときは、この段階からドーっと続いて最後までつながっていきます。  (浮かんだのが物語の途中の部分なら、スタートの部分にもつながっていくわけです、 まぁ途中から最後まで出来たのなら、最初(イントロ)もすでに 設定ずみな訳なので、あとはそれを、どんなやり方で描くか・・・ (回想から始めるとか事件の最中から始めるとか 会話の途中から突然スタートするとか)みたいな微調整です)

ちなみに、私の場合 「読者にこういう話を読んでもらおう」  と思って描いてることがなくて(おいおい・・・)、 ほぼ100%  「こういうマンガを読んでみたいけど、誰も描いてくれないので 自分で描くか」 て感じなんですけど、 この描き方の利点は、世の中で最低1人は、 自分のマンガの読者がいることで、その点なかなか心強いです。  (こらこら・・・)

「いろんなタイプの雑誌に描いたり同人誌に描いたりしてますが、 どう区別してるんですか?」 と質問されたことがあるんですけど、  「自分が読みたいと思う話を描いちゃう」 点は同じなので、 どの本を読む読者の方はどの話と気が合いそうか(読む方に 楽しんでもらえるかどうかは、けっこー考えてしまいます。 この雑誌なら自分の描いてるやつの中でこのへんが面白がってもらえそうだ とか、この本にこういうのが載ってたら珍しくて面白いかもしれない・・・ とか) そーゆーとこで区分しながら、描く物を決めたりしています。


”愛の核シェルター” は、「月と博士(白泉社文庫)」  に、
”定食製造器” は「時間を我らに(ハヤカワJA文庫)」に収録されています。




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2001.7.26.



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