** プディング **
レシピブック





* ジャム入りプディング *
Speach House Pudding


甘い蒸しプディングです。 作り方は、 スポンジケーキを作ったことのある人なら、まぁまぁカンタンかも?
おいしいジャムで作ればおいしくなる・・・というタイプのデザートです。
手作りジャム自慢の方に・・・!


<材料>
バター = 大さじ2と1/2杯+110g  卵白 = 4個分   卵黄 = 4個分
グラニュー糖 = 1/3カップ   重曹 = 小さじ1と1/4杯
牛乳 = 大さじ2杯半   小麦粉 = 1と1/4カップ
ラズベリージャム = 1カップ   カスタードソース(作り方は最後に別記)


<作り方>

1リットル入りのイギリス風プディング型か、手近にある代用の型を用意し、 型の内側の、側面と底に、はけで柔らかくしたバター大さじ1杯強を塗っておく。
大きなボールに、柔らかくしたバター約110gとグラニュー糖を入れ、 スプーンでボールの側面に押しつけてかき混ぜ、 なめらかにする。
ふんわりとクリーム状になったら、卵黄をひとつずつ加え、そのたびにかき混ぜる。
全部で4個の卵黄を混ぜ入れたら、小麦粉を半カップ強づつ、2回に分けて加える。
加えるたびによく混ぜ合わせてから、ラズベリージャム1/3カップを混ぜ入れて、 生地を作る。
泡立て器で卵白を泡立てる。
泡立て器を持ち上げてみて、泡立て器についた卵白の先が、 ピンと立つようになるまでかき混ぜる。
牛乳で溶いておいた重曹を、手早く生地に混ぜ入れる。
その中に泡立てた卵白を入れ、全体にムラなく混ざるように、 ふんわりと静かに切るように混ぜ合わせる。
これをスプーンでプディング型に移し、ふたか、 バターを塗ったアルミホイルをピッタリとかぶせる。
大きな深鍋の中に金網を置いて、フタをした型を乗せ、 型の高さの半分くらいまで熱湯を注ぐ。
強火で一度沸騰させてから弱火にし、きっちりフタをして2時間蒸す。
途中で湯が足りなくなったら熱湯を足す。
型を湯から取りだして、そのまま1分くらい置いておく。
ふたかアルミホイルを取り除き、皿を裏返しにして型にかぶせる。
皿と型を一緒にしっかり握り、素早く裏返すと、プディングは簡単にぬける。
小さなソース鍋に、残りのラズベリージャム2/3カップを入れ、 強火で溶かしてからプディングにかけて、できあがり。

カスタードソースを入れた鉢を添え、すぐ食卓に出す。


* マーマレードプディング *
Marmalade Pudding

香りのよいマーマレードの、「焼く」タイプのプディング。
我々なら、”ケーキ” と呼んだ方が、わかりやすい感じです。


<材料>
バター(柔らかくしておく) = 大さじ6杯  卵(割りほぐす) = 2個
小麦粉 = 1と1/4カップ   ベーキングパウダー = 小さじ1と1/2杯
牛乳 = 1/3カップ  オレンジの皮(おろす) = 小さじ1と1/4杯
塩  =  小さじ1/3杯  バニラエッセンス = 小さじ1と1/4杯
シナモン(粉末) = 小さじ2/3杯  オレンジマーマレード = 1と1/4カップ
砂糖 = 3/4カップ
  小麦粉は、強力粉と薄力粉を半々に混ぜて用いる。
  牛乳は1/3カップの水で溶いておく。 オレンジの皮は細かくおろす。
  オレンジマーマレードの代わりに他のマーマレードを用いてもよい。

<作り方>

あらかじめオーブンを175度Cくらいに熱しておく。 立て23センチ横13センチ高さ7.5センチくらいのパン型を用意し、 内側の側面と底に、柔らかくしたバター大さじ1杯強をはけで塗る。
小さなボールに、小麦粉、ベーキングパウダー、シナモン、塩を振り入れて、 混ぜ合わせてふるう。
大きなボールに残りのバターと砂糖を入れ、 スプーンでボールの側面に押しつけて混ぜ合わせ、 なめらかにする。 ふんわりとクリーム状になったら卵を入れ混ぜ合わせる。
つぎに、ベーキングパウダーを加えてふるった小麦粉を、 1/3カップずつ加えてかき混ぜる。 加えるたびに、 水で溶いた牛乳を少しずつ注ぎ入れ、湿らせる。
材料がよく混ざり合い生地がなめらかになったら、 オレンジの皮とバニラ・エッセンスを加え、よくかきまぜる。
小さな鍋にマーマレードを入れ、弱火にかける。絶えずかき混ぜながら煮て、 マーマレードが溶けたらパン型に注ぎ入れる。
そのパン型に生地を入れ、オーブンの中段に入れて、40分から50分焼く。
プディングの真ん中に串を刺してみて、串に何もつかなくなったらオーブンから出して、 10分間さます。
長いよく切れるナイフを、パン型の内側の縁にそって入れ、 型からプディングを取り出す。 皿を裏返してかぶせ、 皿とパン型を会わせてしっかり握り、そのままひっくり返すと、簡単に抜ける。

好みで温かいカスタードソースを添えて、温かい内に食卓に出す。



* クリスマスプディング *
Cristmas Pudding

イギリスのお菓子系プディングの、定番中の定番!
ドライフルーツ入りブランデー蒸しケーキといったものですが、 正式な材料でちゃんと作ってあれば1年以上持ちます。 (というか、1年置いて味を深めるのが基本)
 このあたりから多少手がこんできますが、 ケーキ作りの得意な方ならダイジョーブ!

なお、牛の生脂という材料がありますが、 このプディングやミンスミートなどの、砂糖の入るお菓子に使うための牛脂は、 使用するための部位が厳密に決まっているので、 ステーキ肉の横についている脂などで代用しないように注意してください。
味が違うなどという生やさしい問題ではなく、脂っこくて臭くて食べられなくなります。


<材料>
干しカレンズ(小粒黒ぶどう) = 1と3/4カップ   干しぶどう = 2と1/2カップ
白い干しぶどう 2と1/2カップ  果物の皮の砂糖漬け = 1カップ
チェリーの砂糖漬け = 1カップ  アーモンド(2つ割り) = 1と1/4カップ
オレンジの皮(おろす) = 大さじ2と1/2杯   りんご = 中1個
レモンの皮(おろす) = 小さじ2と1/2杯   にんじん = 小1個
牛の腰部の生脂 = 230g  生パン粉(柔らかいもの) = 5カップ
小麦粉 = 2と1/2カップ  黒砂糖(上質のもの) = 1と1/4カップ
オールスパイス(粉末) = 小さじ1と1/4杯   塩 = 小さじ1と1/4杯
卵 = 6個   ブランデー = 1と1/4カップ
オレンジ汁(しぼりたて) = 1/2カップ   レモン汁(しぼりたて) = 1/2カップ
ブランデー(好み) = 2/3カップ

 カレンズは干した物を用いる。
 果物の皮の砂糖漬けは、オレンジ、レモンなど2から3種混ぜて、みじん切りにする。
 アーモンドは渋皮をむいておく。
 りんごは紅玉などの酸味の強い物を、皮を剥き、四つ割りにして、 芯をとってから荒くきざむ。
 にんじんは皮を剥いて荒くきざむ。
 オレンジとレモンの皮は細かくおろす。
 生パン粉は、白い食パンをミキサーで粉々にするか、フォークでほぐして作る。
 小麦粉は、薄力粉と強力粉を半々に混ぜて使う。


<作り方>

大きな深いボールに、カレンズ、干しぶどう、白い干しぶどう、 果物の皮の砂糖漬け、チェリーの砂糖漬け、アーモンド、りんご、にんじん、 オレンジとレモンの皮、牛の生脂を入れ、スプーンか手で上下にかき混ぜ、 よく混ぜ合わせる。
この中に小麦粉、生パン粉、黒砂糖、オールスパイス、塩を加えて、 かき混ぜておく。
別のボールに卵を入れてよく泡立て、ブランデーと、 オレンジとレモンの絞り汁を注いでかき混ぜる。
これを、混ぜ合わせた果物の中に注ぎ入れ、両手で強くこねてから、 木じゃくしで材料がよく混ざるまでかき混ぜる。
ホールに濡れぶきんをかぶせ、少なくとも12時間は冷蔵庫に入れておく。
冷やしておいた材料の生地を、スプーンで、 1リットル入りのイギリス風プディング用型か、 それに代わる型4個に、縁から5センチ以内の所まで詰める。
バターを塗った細長いアルミホイルをそれぞれの型にかぶせて端を折り曲げ、 型の側面に押しつける。
濡れぶきんでそれぞれの型を包み、側面に長いタコ糸を巻きつけてしばる。
ふきんの対角線上の隅をつまんで型のてっぺんで結び、もう一組の隅も同じように結ぶ。
大きな深鍋に型を入れ、型の高さの3/4くらいまで熱湯を注いで弱火にかけ、 沸騰したらピッタリふたをして、できるだけ弱火にし、8時間蒸す。
途中で湯が少なくなったら熱湯をつぎ足す。
プディングが蒸し上がったら型を湯から出し、室温になるまで冷ましておく。
ふきんとアルミホイルを取り除き、新しいアルミホイルで型を再びぴったり包む。
そのまま冷蔵庫に入れ、少なくとも3週間は冷やしてから食卓に出す。

このプディングは冷蔵庫や涼しいところに置いておけば1年間は保存できる。
昔は1年前に作っておくことが多かった。
食卓に出すときは、直前にもう一度蒸す。
深鍋に型を入れ、型の高さの3/4くらいまで熱湯を注いでから強火にかける。
沸騰したら火を弱め、鍋にふたをしてから2時間蒸す。
型の内側の縁にそってナイフを入れ、皿を裏返しにしてかぶせる。
型と皿をいっしょにしっかり握って裏返すと、プディングは簡単に抜ける。

クリスマス用のプディングは昔から、カンバーランド風ラム酒入りバターか、 プランデー入りバターを添えてすすめる。
また、食卓に出す直前に、6ペンス銀貨や3ペンス銀貨のような小銭を紙にくるんで、 プディングに押し込むこともある。 これには幸運を祈るという意味がある。

食卓に出す直前に、好みによってプディングに炎を燃え立たせる場合は、 小さなソース鍋にブランデーを2/3カップ入れ、弱火で温める。
マッチでブランデーに火をつけ、炎の立っているブランデーをプディングにかける。



<カンバーランド風ラム酒入りバター>
Cumberland Rum Butter

<材料>
無塩バター(柔らかくする) = 大さじ5杯   赤砂糖(上質の物) = 2/3カップ
ラム酒 = 1/3カップ   ナツメグ(粉末) = 小さじ1/6杯
赤砂糖はふるっておく。

<作り方>
ボールに、無塩バター、赤砂糖、ラム酒、ナツメグを入れ、 電気泡立て器でなめらかになるまで混ぜ合わせる。
電気泡立て器を使わない場合は、まずボールにバターを入れ、 スプーンでボールの側面に押しつけてかき混ぜ、なめらかにする。
ふんわりとクリーム状になったら赤砂糖を大さじ2から3杯ずつ加えてかき混ぜ、 最後にラム酒とナツメグを加える。
冷蔵庫に入れ、固まるまで少なくとも4時間は冷やす。

このラム酒入りバターは、昔から果物入りプディングに添えて出す。



<ブランデー入りバター>
Brandy Butter

<材料>
無塩バター(柔らかくする) = 大さじ5杯   グラニュー糖 = 2/3カップ
ブランデー = 大さじ3と3/4杯   バニラエッセンス = 小さじ2/3杯

<作り方>
ボールに、無塩バター、グラニュー糖、ブランデー、バニラエッセンスを入れ、 電気泡立て器でなめらかになるまで混ぜ合わせる。
電気泡立て器を使わない場合は、まずボールに無塩バターを入れ、 スプーンでボールの側面に押しつけてかき混ぜ、なめらかにする。
ふんわりとクリーム状になったら、グラニュー糖を大さじ 2杯か3杯ずつ入れてかき混ぜる。
真っ白く泡立ってきたら、ブランデーとバニラエッセンスを加える。
冷蔵庫に入れ、固まるまで少なくとも4時間は冷やす。

このブランデー入りバターは、昔から果物入りプディングに添えて出す。
食卓に出す直前に、ナツメグの粉末をふりかけてもよい。



* 牛肉と腎臓のプディング *
Steak−and−Kidney Pudding

ステーキ&キドニーパイ、というのがありますが、こちらはプディング。
ディケンズの時代には、牡蛎とかヒバリを入れていたようです。


<材料>
牛の肩肉(チャック) = 900g    マッシュルーム(生) = 110g
腎臓(仔牛かラムの物) = 450g   たまねぎ(荒く刻む) = 2/3カップ
小麦粉 = 3/4カップ   パセリ(みじん切り) = 1/3カップ
ナツメグ(粉末) = 小さじ1/3   牛脂入り練り込みパイの皮(下のコラム参照)
塩 = 小さじ2杯   黒こしょう(挽きたて) = 小さじ1/3杯   熱湯 = 1と3/4カップ

牛の肩肉は、骨なしの赤身の部分を用い、2.5センチの角切りにする。
代わりにもも肉(トップ・ラウンド)を使ってもよい。
腎臓は膜をはぎ、脂身を取り除いて、2.5センチの角切りにする。
マッシュルームは大きめの物を石づきをつけたまま四つ割りにする。
別に、取り粉用の小麦粉少々を用意する。




<作り方>

まず詰め物を作る。
大きなボールに牛肉と腎臓の角切りを入れる。
小麦粉の半量とナツメグ、塩、黒こしょうを一緒に粉ふるいでふるいながら、 牛肉と腎臓にふりかける。大きなスプーンで上下にかき混ぜ、 粉と香辛料を牛肉と腎臓にまんべんなくまぶす。
この中に、マッシュルーム・タマネギ、パセリを加え、 混ぜ合わせておく。

軽く小麦粉をふった板の上に牛脂入り練り込みパイの皮(下のコラム参照) の生地の2/3の量をのせ、直径36センチ、厚さ6ミリくらいの円形に伸ばす。
これをめん棒に巻き付け、巻き戻しながら、カップ7杯半入りの イギリスのプディング型か、直径18センチ、 深さ10センチくらいのカップ7杯半入りの型の上に広げる。
パイの皮を伸ばさないように注意しながら、静かに型の中に押し込む。
残りの1/3の量のパイの皮は、直径20センチの円形に伸ばしておく。

詰め物をスプーンで、型の縁から1センチ以内の所まで詰める。
中央が少し盛り上がるような形に詰めて、 この中に、熱湯カップ1杯と3/4を注ぎ入れる。
型の縁からはみ出しているパイの皮をナイフで切り落とし、 冷水にひたしたハケで、パイの皮の縁に水をつける。
型の上に、直径20センチに伸ばしたパイの皮をかぶせてふたをし、 縁からはみ出した部分は切り捨てる。
指かフォークの先で、かぶせたパイの皮を型の縁にピッタリと押さえ、密封する。
直径25センチのアルミホイルに薄くバターを塗り、 詰め終わったプディングにかぶせ、 アルミホイルの縁を型のまわりにそって折り、動かないようにしておく。
ふきんを冷水で濡らしてから絞って平らに広げ、 その上に残りの小麦粉をむらなくいちめんにふりかけ、 強くふって余分な小麦粉を払い落とす。
ふきんの、粉をふりかけたほうを下にしてプディングの上に広げ、 端を型の側面に沿って垂らす。
型の縁から、3.5センチから5センチ下(プディング型を使う場合は、 縁のすぐ下)に、たこ糸を巻きつけて縛る。
ふきんの対角線上の隅をプディングの上で結び、 もう一組の隅も同じように結ぶ

大きな深鍋に型を入れ、型の高さの3/4くらいまで熱湯を注ぎ、強火にかける。
湯が沸騰したらピッタリふたをし、できるだけ弱火にして約5時間蒸す。
途中で湯が少なくなったら熱湯をつぎ足す。

湯から型を出し(縁つきの型を使った場合はふきんの結び目を持つ) ふきんとアルミホイルを取り除く。
型を拭いて完全に水気をとってから、清潔なリンネルのナプキンで包む。
型のまますぐ食卓に出す。



<ラードと牛乳入り練り込みパイの皮>
Hot−Water Pastry
<材料>
小麦粉 = 6と1/4カップ   牛乳 = 大さじ7と1/2  塩 = 小さじ2/3杯
水 = 大さじ2と1/2杯   ラード = 大さじ12と1/2杯   小麦粉(取り粉用) = 少々
 小麦粉は強力粉と薄力粉を半々に混ぜて使う。

<作り方>
深いボールに小麦粉と塩を入れ、混ぜ合わせる。
ソース鍋に、ラード、牛乳、水を入れ、ラードが溶けるまで絶えずかき混ぜながら、 中火で熱する。
これを大さじ2杯から3杯ずつ小麦粉に加えていき、 全体がかための固まりになるまで、たたくようにかきまぜる。
軽く小麦粉をふった板の上にのせ、手のひらで前後に押しつけるようにしながら、 2分から3分間こねる。
しなやかになったら全体をひとつにまとめ、ボールに移す。
濡れぶきんをかぶせ、約30分間そのままにしておいてから使う。

(注)
このパイの皮の生地は昔から「子牛肉とハムのパイ」や、 「ポーク・パイ」を作るときに使われる。



* ヨークシャープディング *
Yorkshire Pudding

ヨークシャープディングは、ローストビーフのお約束ですので入れておきましょう。
肉の右下にある、パイのように焼けているのがヨークシャープディング。
左下の白いものは、西洋わさびのディップ、ラディッシュソースです。

ローストビーフを焼き上げて、肉をオーブンからとりだし、 室温にしている間に、 ローストビーフの肉汁の脂を使ってこのプディングを焼き上げる、 というのが手順になっています。 つまり、しゃぶしゃぶの後の雑炊のようなアイデアですね。


<材料>
卵 = 2個  牛乳 = 1と1/4カップ
小麦粉(薄力粉) = 1と1/4カップ   塩 = 小さじ2/3杯
ローストビーフの焼き汁の脂 = 大さじ2と1/2杯
(ローストビーフの脂がない場合は、ラード大さじ2と1/2杯で代用してもよい)

<作り方>

まず生地を作る。ミキサーを使う場合は、卵、塩、小麦粉、牛乳をジャーに入れ、 高速で2から3秒混ぜる。 スイッチを切ってジャーのまわりについた粉を払ってから、 さらに40秒間混ぜ合わせる。
手で作る場合は、卵敏雄を泡立て器で絶えずかきまぜながら、 小麦粉をゆっくり加えてゆく。 牛乳を少しずつ注ぎ入れ、 なめらかなクリーム状になるまでよくかきまぜる。
できた生地は、冷蔵庫で1時間以上冷やしておく。
オーブンを約200度Cに熱しておく。 縦25センチ、横38センチ、深さ6センチの焼き型に、 ローストビーフの焼き汁の脂を入れ、直接中火にかける。
脂が全体に馴染んだら、生地をもう一度軽くかき混ぜてから、型に流し込む。
焼き型をオーブンの中段に入れて、15分間焼いてから、 オーブンの温度を190度Cに下げ、さらに15分ほど焼く。
生地がふくらんできて、表面に焦げ目がつきパリパリになったら、 よく切れるナイフで切り分け、すぐに食卓に出す。

ヨークシャープディングは昔から必ずローストビーフに添えて出します。
また同じ生地で、型の中にこんがり焼いたソーセージと焼き汁を入れてから、 この生地を入れて焼き、「ソーセージのプディング焼き」を作る事もできます。
「調理した肉から出たおいしい脂を、焼き脂として利用したプディング」 ということです。



* えんどう豆のプディング *
Pease Pudding

ほんとうに「つけあわせ」という感じのもので、  こんなのもプディングだ! という好例。
これは、有名な 「塩漬け牛肉とにんじんとおだんご煮 (Boiled Beef and Carrots with  Dumplings)」 という料理の、伝統的なつけあわせ。


<材料>
干しエンドウ = 21/2カップ(約450g)  バター = 大さじ5杯
水 = 2と1/2カップ   白こしょう = 小さじ1/4杯
塩  =  小さじ1杯強

干しエンドウは、よく熟したエンドウを干して2つに挽き割った物を使う。


<作り方>

干しエンドウを流水にさらしながら、水が濁らなくなるまで洗い、 変色している物は捨てる。
3から4リットル入りの厚手の鍋に、水をカップ2と1/2入れ沸騰させる。
湯の温度が下がらないようにエンドウを少しずつ入れてから弱火にし、 ふたをずらして1時間半ことことと煮る。
スプーンでエンドウを鍋の側面に押しつけてみて、 簡単につぶれるようになったらざるにあけて水を切る。
これをこし器にかけてピュレ状にするか、または大きなボールの上に、 目の細かい裏ごし器を置いて裏ごしする。
裏ごしした豆を鍋に戻し、絶えずかき混ぜながら弱火で煮る。
ピュレに火が通ったら、塩、バター、白こしょうを入れてかきまぜ、味を調える。

暖めて置いた野菜皿に入れ、すぐ食卓に出す。



* サマープディング *
Summer Pudding

フレッシュデザートですが、作成方法が目からウロコものです。
作り方は超カンタンなのですが、おいしい食パンと、 ものすごく香りのいいベリー類が手に入らないと、作ってもムダかも  ・・・という、 「素材勝負」 の典型のような料理。
部屋に置いたら匂いが充満しそうなラズベリーとか、 石垣からぷんぷん匂ってくるようなイチゴとか、 そういうベリー類が手に入るラッキーな方は、ぜひ作ってみて下さい。



<材料>
ラズベリー = 10カップ(約1.4kg)    白い食パン = 10から12枚
グラニュー糖 = 1と1/2カップ    生クリーム = 1と1/4カップ

ラズベリー(木イチゴ)は、熟していて新鮮な物を使う。
かわりに生のイチゴやブラックベリーを使ってもよい。



<作り方>

ラズベリーはきれいな物を選び、茎とヘタをとって、いたんでいるものは捨てる。
ざるに入れ、冷たい水でよく洗う。
ラズベリーの水を切り、紙タオルの上に広げて、よく水気をとってから、 大きなボールに入れ、グラニュー糖1と1/2カップを振りかける。
大きなスプーンで、砂糖が完全に溶けるまで上下に静かにかき回す。
味を見て、甘みが足りないようなら砂糖を加え、ピッタリふたをしておく。
パン1枚をナイフで、2リットル入りのイギリス風プディング型か、 深い鉢、あるいはシャルロット型の底にぴったり合うような円形か八角形に切り、 型の底に敷く。
パン6枚か7枚を、上の辺が9センチから10センチ、 底の辺が7.5センチくらいの台形に切る。
これを、底の辺を下にし、縦の辺を6ミリくらい重ね合わせながら、 型の内側の側面に立てて並べる(写真参考)
用意しておいたラズベリーをスプーンで型に入れ、残りのパンできっちりふたをする。
型の上に皿を乗せ、その上に1.4から1.8キロの重しか、厚手の平鍋、 またはキャセロールを乗せる。
そのまま冷蔵庫に入れ、ラズベリーから出た汁がパンにしみこむまで、 少なくとも12時間は冷やしておく。
冷やした皿を裏返して型に乗せ、型と皿を一緒につかんでしっかり握り、 手早くひっくり返すと、プディングは簡単に抜ける。
冷やしたボールに生クリームを入れ、泡立て器でふんわりとなるまでかき混ぜ、 別の器に入れて、プディングに添えて食卓に出す。

ラズベリーが、まだ十分に熟さずに堅いときは、
3から4リットル入りの、厚手のソース鍋にラズベリーと砂糖を入れ、 弱火にかける。
ソース鍋を絶えず動かしながら約5分間煮て、柔らかくしてから用いるとよい。


・** おまけ **・


* カスタードソース *
Custard Sauce  

甘いプディングやパイやタルト、アイスクリームやフルーツなど、 とりあえずデザートとおぼしき甘い物すべてに、相手かまわずこれをかけると、 なんとなくイギリス風のデザートになります。

私が行くレストランで、デザートの時必ずこのカスタードソースと、 場合によってはラズベリーソースなどを、 さっと軽くお皿に敷いてくれるのですが、 口当たりがよくて、味にアクセントがつくので、 パイなどがとってもおいしくなります。


<材料>
牛乳 = 1と3/4カップ  卵黄=1個分  コーンスターチ = 小さじ2杯半
バニラエッセンス = 小さじ 2/3杯  砂糖 = 小さじ1と1/4杯


<作り方>

1から1.5リットル入りの厚手のソース鍋に、牛乳1/4カップと コーンスターチを入れ、泡立て器でかき混ぜる。
コーンスターチが溶けたら、牛乳1と1/2カップ、砂糖を加え、中火で、 ソースがトロッとして沸騰するまで、かき混ぜながら煮る。
小さなボールに卵黄を入れて、フォークでほぐしてから、 ソースを大さじ2.3杯混ぜ入れる。
これをソース鍋に戻し、絶えずかき混ぜながら、1分間煮立てる。
ソース鍋を火からおろし、バニラエッセンスを加えてできあがり。

カスタードソースは、温かくした物を、 パイや、ジャムかけ蒸しプディングなどにかけ、食卓に出す。

このページのレシピと図版は、タイムライフ社の「世界の料理/イギリス料理」 の中から、引用/使用しました。

2000.5.17.




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