各関係詞について

[2-2-2000]

基本的なことについては前項で触れたので、ここでは個々の関係詞について、もう少し細かな解説を加えたいと思います。

qui

先行詞 中性物を含むあらゆる名詞
従属節での役割 主語

qui は単純で分かりやすい関係詞です。その特徴は、従属節の中で主語として機能することです。先行詞が人であるか、物であるかにかかわらず、 qui を使うことに注意して下さい。

J'aime Marie qui est tres belle.
Regardez les tasses qui sont sur la table.
Il n'y a la rien qui lui plaise.

qui 自体は常に無変化ですが、先行詞の持つ性人称を継承しています。従って、それに続く動詞属辞などは、関係詞の持つ性人称(すなわち先行詞の性人称)に従って変化をします。

特に、C'est...que/quiの強調構文で、

*C'est moi qui a fait cela.

のように、3人称単数で活用してしまわないように注意してください。正しくは、

C'est moi qui ai fait cela.

です。

qui先行詞を伴わずに単独で使われることがあります。

J'aime qui m'aime.

これは、先行詞として celui を補って考えます。

J'aime celui qui m'aime.

「私は、私のことを愛してくれる人が好きだ」という意味です。こういった先行詞の無い文は、ことわざ、慣用句によく見受けられます。その場合を除いて、quiが先行詞なしで使われることはあまりありません。

que

que は、従属節中で直接目的補語となる関係詞ですが、時には属辞、状況補語、主語となる場合もあります。それぞれについて見ていきます。

直接目的補語となる場合

先行詞 中性物を含むあらゆる名詞
従属節での役割 直接目的補語

Voila les fruits que nous avons achetes.
Je te presente Marie que je connais depuis cinq ans.
Quelque chose se preparait qu'il ne comprenait pas.

直接目的補語である que が動詞の前にあるので、1番目の例文では過去分詞 achetess が付いています。

que も、qui 同様不変化語ですが、やはり先行詞の性数を受け継ぐと考えて下さい。従属節の一致に関して、「先行詞に一致する」との解説が見受けられます。そう考えて不都合が生じることはありませんが、でもこれは正確な表現ではありません。従属節内の動詞 avons achetes の直接目的補語は que なのですから、過去分詞が一致している先は que である、というのが正しい解釈です。

関係節内のことは関係節だけで片付けることを肝に銘じてください。そうでないと、どの語がどの語にかかっていくか見失ってしまいます。従属節内の単語が、節の外にある語と直接関わりを持つことはありません。どこからどこまでが節なのかを見極めて、その中で修飾関係を考える癖を付ければ、余計なことで悩まされることが少なくなるはずです。[関係節について][関係節の使い分け] もあわせて参考にしてください。

属辞になる場合

先行詞 名詞形容詞
従属節での役割 属辞

Elle n'est plus la femme qu'elle etait.
Imprudent que je suis, je lui ai prete une grosse somme.
Habile qu'il se jugeait,...
Maleureux que je suis!

「彼女はもう昔の彼女ではない」、「なんて馬鹿なんだ、あんな大金を貸してしまうなんて」、「自分が器用だと思っていたので」、「なんて不幸なんだ」という意味です。このように形容詞が先行詞となることもあります。3つ目の例文で、quese の属辞になっています。難しいですね・・・

そんなに頻繁には用いられません。特に会話では、このような que はまず出てこないので、安心してください。

状況補語になる場合

que が従属節内で状況補語の役割をすることがあります。状況補語と言っても色々種類があって、que がなれるのは以下の状況補語です。

que が受ける状況補語は、いずれも前置詞を伴わないという共通点があります。前置詞を伴う要素を que で受けることはできません。

時の状況補語になる場合

Un jour que Swann etait sorti au milieu de l'apres-midi pour faire une visite,...

規範文法では、先行詞に付いている冠詞が不定冠詞なら que を、定冠詞なら ou を使うとされますが、日常のフランス語では、どちらの場合にも ou を使うのが一般的なようです。

但し、期間を表す depuis ... que, voila(voici) ... que, il y a ... que, cela(ca) fait ... que や、 副詞の後に置かれる maintenant que, a present que, aujourd'hui que の中では que の使用が義務的になります。(d'apres Grevisse)

度量衡値段の状況補語になる場合

deux heures qu'ils ont marche
dix kilometres qu'ils ont marche
deux cents francs que cette robe lui a coute

直接目的補語ではないので一致は起こりません。これらの語を関係詞にするなら que しかありませんが、あまり使われることはないでしょう。

様態の補語になる場合

de la facon qu'il parle
en etat que nous sommes

1つ目の文は「彼の話し方で」という意味ですが、普通は dont を使います。

2つ目の文は「現状では」という意味で、ou を使うのが普通です。

主語になる場合

実主語として

J'ai achete tout ce qu'il y avait.

形式的には目的補語なので、驚くには値しません。

「主語」として用いられる場合

Faites ce que bon vous semblera.

que が文法的に主語となるのは、決まり切った表現の中だけです。この用法は古語法で、quequi の代わりに使われています。現代フランス語に書き換えると、

Faites ce qui vous semblera bon.

となります。「よいと思われることをしなさい」という意味です。

節を受ける場合

que が先行詞に節をとることがあります。

Il n'est pas marie, que je sache.

決まり切った表現でしか用いられません。「私の知る限り、彼は結婚していない」という意味です。

先行詞がない場合

いよいよ最後です。先行詞がなく用いられる場合があります。全て固定表現です。

coute que coute
advienne que pourra

それぞれ分解すると、

que cela coute ce que cela coute
advienne ce qui pourra advenir

だそうですが、これらは固定表現なので、意味さえ知っておけばいいと思います(というか、良く分からない(^^;)。それぞれ「是が非でも、是非とも」、「何が起きようとも」という意味です。

dont

dont は、前置詞 de によって導かれる要素の代わりをします。

Voila un garcon dont le pere est un ecrivain celebre.
resultat dont il est content
Je connais la femme dont vous parlez.
c'eait la maniere dont ils le disaient
Voila la femme dont il aime.
Voici des livres dont quelques-uns sont remarquables.

また、このような文もあります。

Nous etions cinq, dont deux femmes.

「私たちは5人でした、そのうち2人は女の人です。」従属節の動詞は省略されて、 dontparmi lesquel(le)s、「その中のいくつかは・・・です」という意味です。頻繁に出てくる形なので、覚えておいた方がいいでしょう。

このような用法もあります。

cet homme dont je sais qu'il s'est marie

「結婚していることを私が知っている、その人」という意味です。この文で dontau sujet duquel (・・・に関して言うと)の意味で使われてします。

少し細かくなりますが、dont が一度に2つの要素の補語になることがあります。

Il plaint les pauvres femmes dont les epoux gaspillent la fortune.

dont を使わない文に書き換えると、この様になります。

Il plaint les pauvres femmes. Les epoux de ces femmes gaspillent la fortune de ces femmes.

「彼は、夫に財産を浪費されてしまう可哀想な女達を哀れんでいる。」という意味です。

dont の制限

dont は一般に、主語、直接目的補語、属辞になることはありません。
また dont は基本的に、前置詞で導かれている名詞の補語にはなることはできません。

*l'enfant dont je m'interesse a la famille

一見正しそうに見えますが、dont が前置詞を伴う語(famille)の補語になっているので、この文は誤りです。正しくは、

l'enfant a la famille de qui je m'interesse

としなければなりません。と言っても、こういう複雑な文はお勧めできません。関係詞など使わず、別な言い方をした方がスマートです。

ou

ou は、関係節内で主に場所時の状況補語、となる関係詞です。

Je portai a mes levres une cuilleree du the ou j'avais laisse s'amollir un morceau de madeleine.


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