キリマンジャロ登山のコツ Know-how of climbing Mt. Kilimanjaro

高山病対策
キリマンジャロの標高は5895mであり、気圧は約500hPaと平地の1013hPa(1気圧)の半分となり、当然、同一体積に含まれる酸素量も半分となる。コース自体は特に危険箇所はないが、このような日本では経験することのできない高度に登るので、高山病をいかに克服するかが登頂の成否を分ける。標高3720mのホロンボハットまでは大抵の人は問題ないが、4000mを越えると大部分の人に頭痛など高山病の症状が現れる。そして、かなりの人は5685mのギルマンズポイントで高山病で登頂を断念する。(最高点に登頂する確率は50%とも言われている)

日本でできることとして、少しでも高度に慣らしておくために事前に富士山に登っておくと良い。本当は、高所順応に必要な3日間ホロンボハット滞在の日程を取って、4000mを確実に高度順応するように登ると楽に登頂できるのだが、働き蜂の日本人には難しいか? 4703mのキボハットでは頭痛に負けずに体を軽く動かすとよい。要するに酸素が足りないので、意識的に深呼吸を心掛けること。また、水分が欠乏するので、水を多めに飲むこと。ただし、高山病の症状がひどくなってきたら無理せずに下山すること。肺水腫など命取りになる場合がある。

最高点登頂のノウハウ

・15時間歩き通せる基礎体力をつけておくべし。(頂上アタック日の行動時間は長い)
   『五合目から富士山往復+1000m下る』のに耐えられる体力が必要

・富士山に何度か登っておくこと。(ただし冬富士は素人は無理、秋以降は低圧室か?)
   日本で唯一、高度順応に効果がある4000mの標高に近い
   冬富士の技術がある人は、冬季の富士山は4000m相当まで気圧低下するので効果的。

・水分を多めに補給し、せっせと排尿すること。
   乾燥大気による血液濃度up防止、水分滞留による肺・脳水腫防止が必要。
   血液濃度upにより酸素の循環が悪くなり、高山病が悪化する。

・意識的に呼吸すること。
   吸うよりも、まず息を吐くことを意識する。吐くと、自然に吸気量も増加する。
   事前に呼吸法を練習しておくとよい。

・Horombo Hut (3720m)に着いたら、4000m付近まで往復して高度に慣れておく。
   ここで4000mの高度に確実に順応するのがポイント。

・Kibo Hut (4700m)へは1000mを6時間ぐらいかけて、ゆっくり登る。決して急ぐな。
   意識的にペースを落とさないと、あとで高山病がひどくなる。
   私は途中の悪天のため足取りが速くなり、4時間半で登ってしまって高山病悪化。

・Kibo Hutに着いても軽く身体を動かすこと。
   頭痛がしても、軽い運動をすると酸素の取込みにより体調が良くなる。

・間違っても仮眠などするな!!地獄を見る。
   私は、これをやって高山病が悪化しました。睡眠時は呼吸が浅くなるので注意。

・アタック日は真夜中で寒い。冷えて血行悪くなると高山病になるので、防寒に留意。
   私は毛の下着+ウールシャツ+羽毛服の冬山完全防寒でしのいだ。

・頂上までは苦しくても、ゆっくりでいいから足を前に出していれば、必ず頂上に辿り着く。
   頂上は見えていても、なかなか近づかない。辛抱あるのみ。

・下山でも呼吸と補給を忘れずに。アメなど手軽に糖分を補給できるものがいい。
   上記を怠ると、私のように記憶が飛んだり、更にHorombo Hutで倒れる人もいる。

  


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