12/26(土) 天気:晴れ
  7:00 自宅発
 12:10 成田着
 15:30 成田発





 どうしてキリマンジャロに登るのかといえば、ヘミングウェイの”キリマンジャロの雪”を読んだことによる長年の憧れと、アフリカ最高峰を制覇したいという強い思いによる。今回は山岳専門の旅行会社が主催するツアーで、男性7人・女性8人の計15人が参加した。

 成田空港は年末のせいか、かなり混んでいる。他に2団体キリマンジャロツアーがあった。カナダへアイスクライミングをやりに行く人と互いの健闘を祈り合い、我々はパキスタン航空で一旦カラチに向かう。

12/27(日) 天気:曇り
  3:00 カラチ着
  8:00 カラチ発
 14:20 ナイロビ着
 夜中にカラチでトランジット。朝、飛行機を乗り継いで、アブダビを経由。2回目の南回帰線を越え、ナイロビ上空に来ると、憧れのキリマンジャロが雲海より姿を現した。ナイロビは意外と近代的な町である。しかし、右も左も黒人というのは慣れないうちはなんとなく恐い。ホテルは年配の女子大の先生と同室。

12/28(月) 天気:快晴
  6:20 起床
  8:00 ナイロビ発
 10:30 ナマンガ
 13:50 アルーシャ
 18:20 マラング
 朝起きると、天気は良くアフリカに来ていると言うのに意外と涼しい。マイクロバス2台でナイロビを出発。キリマンジャロはタンザニア側から登のが一般的で、ナマンガというケニア・タンザニア国境の町で入出国手続きをする。マサイ族の格好をした物売りが多くて閉口したが、あれは偽マサイで、誇り高い本物のマサイ族はそんなことはしないそうだ。広い草原を抜け、夕方いよいよキリマンジャロの麓の村マラングに着いた。そこで、今回のガイドのジェームズさんとウィンフレッドさんと対面。

12/29(火) 天気:快晴
  6:40 起床
  9:15 マラング発
 10:00 マラングゲート
 11:00   〃 発
 12:00 休憩
 13:00 休憩
 13:50 マンダラハット



地元の子供つかまえて写真を撮る。私の頭の上で雪を抱いているのがキリマンジャロ最高点のあるキボ峰、右がマウェンジ峰。 朝食前に外に出ると、ホテルを少し登ったところからキボ峰の頂上が見える。マラングからバスで45分登ったところがマラングゲートで、ここが登山口になる。途中、キリマンジャロのキボ峰とマウェンジ峰が良く見えるところで、現地の子供をつかまえて写真を撮る。

 マラングゲートて゛登山届けを済まして、いざアフリカ最高峰への第一歩。荷物はポーターが持ってくれるので、ほとんど空身の状態。最初はジャングルの中の登りで、蒸し暑い。途中、マウンテンバイクで降りてくる外人に出会った。ピークからだろうか? マンダラハットは、快適なバンガロー風の小屋。ちなみに、ここの小屋はすべて、なんとかハットという名前がついている。

12/30(水) 天気:快晴
  6:30 起床
  8:00 マンダラハット発
  8:20 草原に出る
 13:00 ホロンボハット着
     (3720m)










変わった植物が一杯ある草原地帯。奥に見えるのがマウェンジ峰 マンダラハットから20分くらい登ると、樹林帯が終わり草原に出た。今日は目指すキボ峰も良く見える。ポーターとすれ違うたびに”ジャンボ” ”ガンバレ”と声を掛け合う。よほど日本人が多いのだろう。10時頃から雲が出始める。この辺りは、変わった植物や鳥が多く、女子大の先生がいろいろ解説してくれた。(後で聞くと、動物生態学の先生でした。)

 霧の中、昼1時に今日の宿泊地のホロンボハットに着く。しばらく休憩した後、高度順応のため標高4000mぐらいのところまで往復した。霧のマウェンジ峰が幻想的だっ た。

 夕方、またキボ峰とマウェンジ峰のシルエットが浮かんだが、すぐにガスに包まれた。下にはモシの町が見える。こういう所でボケーッと風景を眺めて過ごすのも悪くない。夕食は、久し振りにご飯が出た。

12/31(木) 天気:快晴 → 霧
  6:00 起床
  8:20 ホロンボハット発
  9:55 Last Water
     (4110m)
 12:55 キボハット着
     (4703m)








 早起きし、小屋の外に出て日の出を見る。朝日を受けたキボ峰は素晴らしい。ホロンボハットから、1時間半ほど行くと最後の水場Last Water。ここでポーター達がポリタンに水を汲む。この辺りからちょっと頭痛がしてきた。天気もだんだん悪くなり、キボ峰とマウェンジ峰の間の鞍部(サドル)への登りでは、霧の中みぞれが降り出してので、カッパを着用する。朝日に輝くキボ峰

 霧の中の登山も、また幻想的で良い。4400mを越す辺りから呼吸が苦しくなり、特にキボハットの最後の100mがえらかった。小屋に着いて2時間ぐらい仮眠したが、かえって頭痛がひどくなった。トイレの往復だけで、頭がガンガンする.食欲もなかったが、明日のために無理矢理詰め込んだ。

1/1(金) 天気:曇り → 晴れ
  0:00 起床
  1:05 キボハット発
  3:45 ハンスメイヤー
     洞穴 (5151m)
  6:15 初日の出
  7:30 ギルマンズポイント
  9:30 ウフルピーク
     最高点(5895m)
 10:00 下山開始
 11:45 ハンスメイヤー
     洞穴
 12:30 キボハット
 13:45 サドル
 15:40 ホロンボハット着
     (3703m)













 頭痛の中、目を覚ます。相変わらず食欲はないが、朝食はカップラーメンを皆で分け合って食べる。午前1時過ぎ、3パーティー編成し、アフリカ最高峰の頂を目指す。だんだん登りは急になりきついが、ハンスメイヤー洞穴で一本取り、温かいコーヒーを飲むとホッとした。6時過ぎ、初日の出。地球の裏側で拝むのもまた格別。
地球の裏側で拝む初日の出はまた格別な味わいあり キリマンジャロのお鉢のへりにあるギルマンズポイント。ここで大部分の人が引返した。

 高山病のため、足取りは重く、2、3歩歩くたびに深呼吸。めちゃくゃえらい。7時半、やっとキリマンジャロのお鉢のへりギルマンズポイントに辿り着いた。天気も良くなってきて、青空の下、氷河が眩しく輝いていた。 ついにアフリカ最高峰の頂上だ!! ガイドのジェームズさんと握手

 ここから、12人は最高点を断念したため、残り3人でキボ峰のウフルピークを目指す。ガイドはジェームズさん。ここからピークは、すぐ前に見えているのになかなか近づかない。2時間の苦闘の末、ついにピークへ。そこには、タンザニアの緑の国旗がはためいていた。ガイドのジェームズさんと固い握手をする。10時、下山にかかる。

 疲労のため、足に力が入らない。ハンスメイヤー洞穴辺りから富士山の砂走りのような感じで、ひざに負担がかからず楽。キボハットに辿り着くと、疲労の極致。温かいお茶とビスケットで栄養補給。サドルでは雪が降ってきて、疲労に追討ちをかけた。ホロンボハットに着くと、夕食もほとんど食べずに、すぐシュラフに潜り込んだ。

1/2(土) 天気:晴れ
  5:30 起床
  7:30 ホロンボハット発
     (3703m)
 10:00 マンダラハット
     (2700m)
 13:10 マラングゲート
     (1800m)
 14:00 キボホテル
 18:30 アルーシャ
 
これがキリマンジャロ最高点の登頂証明書だ!!  12時間ぐっすり寝たら、元気回復。昨日の苦闘が嘘のような爽やかな朝だ。更に麓を目指して下山。途中のマンダラハットでボケーッとする。ガイドもポーターも、皆同じようにボケーッと休んでいる。登山口のマラングゲートで登頂証明書をもらう。最高点とギルマンズポイントとでは、証明書が違う。(右の証明書の画像をクリックすると、拡大が見れます) 文中の"right to the Summit -Uhuru Peak- 5895m"という部分が味噌。まさに、"the highest in Africa"の証だ。最高点に行けた3人は皆の羨望の眼差しを浴びる。

 アルーシャのホテルで何日か振りの風呂に入り、キリマンジャロの垢を流す。夜はディスコ。(でも外人が踊るのを見ていただけ。)

1/3(日) 天気:晴れ
  6:20 起床
  8:00 アルーシャ発
 11:15 ナマンガ
 13:30 ナイロビ着
 16:00 ナイロビ発
 22:20 アブダビ

 今朝もぐっすり寝ていたので、モーニングコールに思わず、もしもしと答えてしまった。アルーシャを出る時、ちらりとなごり惜しむようにキリマンジャロの姿が見えた。さらば、キリマンジャロよ。

 国境のナマンガから1時間ほど行った所で車のタイヤがパンク。修理に手間取っている間に、キリンが道路を悠々と横切っていった。やっぱりここはアフリカだなあ。

1/4(月) 天気:曇り
  2:20 カラチ着
  8:35 起床
 18:30 カラチ発













 アフリカを後にして、またパキスタンのカラチでトランジット。飛行機は夕方まででないので、ホテルに宿泊し、少し寝た後、カラチ市内をぶらぶらする。アジア人の顔を見ると、やはりホッとする。

カラチにて    共同洗濯場

1/5(火) 天気:晴れ
 12:20 成田着










<感想>
 キリマンジャロは、近年非常にポヒュラーな山になっており、コース自体は易しいので、日本人の団体も多い。しかし、それだけに日本の山もろくに登ったことがない人もやってくるのも事実で、ガイド付きの登山であっても少々危なっかしい。

 また、日本人やアメリカ人は団体で来るのに対して、少数だがテント持参のパーティーや、マウンテンバイクで登る人もおり、個性的な山登りをうらやましく思った。

 今回、高山病という貴重な体験をすることができた。今後の山登りの参考にしたい。

 

 


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