2/9(Sat.) 天気:雨 rain in Tokyo 宿泊地:機中 ホテル:   
 海外旅行を思い立ったのは、1年前の秋である。突然浮かんだのではない。確かにその頃まで色々とゴタゴタ続きだった。山で事故ったり、1年間付き合っていた女の子との別れ、将来のこと etc.しかし、それよりも遥か前から常に心の片隅にあった放浪の要求を、それらの出来事が心の表面に引き上げたと言ったほうがいい。実際、40日ヨーロッパを旅してホームシックにかかることはなかったし、もっともっと旅が続けばいいと思ったくらいだから。

 一ヶ月ヨーロッパ中の電車に乗れるユーレイルパスをフルに生かし、夜行の移動によりできるだけ多くの国を回ることと、日本と異なる生活を理解することを主眼とした。また、万一のため、1年前から空手を習った。幸い使うようなことはなかったが、現地の人と親しくなるきっかけになった。大学の教授から餞別とともにアンデルセンの”即興詩人”の本を頂き、現地で読むと非常に味わい深いものとなった。

 16時いよいよtake off !! 飛行機はエジプト航空で多少の不安あったが、無事離陸した。現地時間21時バンコクでトランジット。あまりの蒸し暑さに耐え切れず、Amaritというビールを買うが、とても苦い。

2/10(Sun.) 天気:晴れ fine 宿泊地:London ホテル:The White House
 0時半バンコク発。5時20分カイロ着。ここは爽やかだ。帰りに3日ばかり寄るのを楽しみにして、8時40分発。機内で読んだエジプトの新聞によると、ヨーロッパの各地の最低気温は、ロンドンで0℃、パリ8℃、コペンハーゲン−15℃、ストックホルム−19℃で、これを見て同じ飛行機で来た人たちは、皆早く南の国に逃げたいと言い出す。

 11時50分、London Heathrow Airport 着。ヨーロッパの第一歩は雪の空港であった。空港一面に雪が積もっているので、照り返しが眩しい。今日のホテルは日本で予約してあるので、探す必要はない。

2/11(Mon.) 天気:晴れ fine 宿泊地:London ホテル:George House
Nationl gallery前の広場 10時頃チェックアウトして、ドーバーを渡る船の予約をしにVictoria St. まで行く。そこで、ベルギーのOostendeまでの割引チケットを買う。昼飯のサンドイッチをぱくつきながらテムズ川下りをした後、大英博物館とNational Galleryへ。大英博物館は広すぎるのと、日本人が多すぎるので大変疲れた。

 夜はディスコへ行くが、何故か日本人ばかりでつまらない。しかし、夜が更けてくると地元の若者がやって来て、だんだんと乗ってきた。今日はもう宿探しが面倒なので、トリプルの部屋に泊っている人の所に泊めてもらう。

2/12(Tue.) 天気:曇り cloudy 宿泊地:London ホテル:Earls CourtのYH
 こっちへ来てから休む暇がないので、体が非常にだるい。今日は、WinsorとGreenwichへ行く。ともに電車で行ったが、Greenwichへ行く時にWaterloo駅でものの見事にボラれてしまった。Greenwichまで£0.39で、£5札を出したのに£1分のおつりしか返ってこなかったので、一瞬呆気に取られた。抗議したのだが、相手の方が一枚上。泣く泣く諦める。

 この日は先に見つけておいたEarls CourtのYHに泊ることにする。夜、すぐ上のベッドのスイス人のBeatと一緒にタワーブリッジを見に行く。

2/13(Wed.) 天気:曇り cloudy 宿泊地:Ferri泊 ホテル:      
 今回の旅の楽しみの一つは、ヨーロッパの美術館巡りである。Tete Galleryには、私の好きなTurnerの絵が多く集められていて面白かった。昼飯はLondon大学の食堂で食べる。安くてうまい。Barまであった。

 今日でLondonは最後で、DoverからベルギーのOostende行きのフェリーに乗る。船の待合いでチェコスロバキアのおばさんが話し掛けてきた。分かりやすい英語であった。日本とチェコスロバキアの社会事情の違いについて話してくれた。船が出発したのは2時間遅れの夜中の1時頃だった。Doverの白い岩壁がとても印象的だった。

2/14(Thu.) 天気:晴れ fine 宿泊地:車中泊 ホテル:      
名高い!?小便小僧 6時半Oostende着。むちゃくちゃ寒い。ここから、ベルギーの首都Brusselへ向かう。電車の中から眺めた雪原からの朝日は幻想的。Brusselで見た小便小僧は思ったより小さく、少しガッカリした。Doverから一緒の相棒とGrand Placeで会った女の子2人とで時計台と王宮を見に行く。皆で昼飯を食べた後、女の子2人を駅に見送りに行くと、お義理のチョコがもらえた。

 小学生の時読んだ子供向けの科学雑誌にベルギーて恐竜の化石を掘り当てた人の話を覚えていたので、その化石が展示されている王立博物館へ行った。これは子供の頃の期待を裏切らず、立派な体格のイグアノドンの骨が数体並んでいて大変面白かった。

 18:40 Brusselを出発し、Copenhagenへ向かう。。ここで相棒と別れる。彼とは、3/15にローマで再会することになる。

2/15(Fri.) 天気:曇り後晴れ cloudy to fine 宿泊地:車中泊 ホテル:      
北海の上でうつむく人魚像 途中、列車は海を渡るため船の中に入る。ハンブルクまでは混んでいたが、デンマークに入るとがら空き。窓の外の川は完全に凍っており、シベリアのような景色に、遂に遥々デンマークまで来てしまったという感じだ。電車の中の人の話だと、昨夜は−20℃だったそうである。

 Copenhagenの駅で降りると、さすがに寒く、完全防寒で体はポンポコポンに着膨れの状態。国会議事堂からアマリエンボー宮殿、そして更に足を伸ばして人魚の像を見に行った。完全に凍った北海の上で、少し雪をかぶって恥ずかしげにうつむいた姿はロマンそのものである。

凍った運河。この辺りに入墨倶楽部がある。 近くの公園で、父娘が積もった雪の上でクロスカントリースキーをやっているのを見て、微笑ましくなり、さすが北欧だと感じた。駅まで戻る途中、運河のあたりに日本人入墨倶楽部などの看板が立っている入墨の店が数軒あったのに驚いた。ついにCopenhagenの街では一人も日本人に会わなかった。

 16:40発Hamburg行きの電車に乗る。車中から雪原の夕焼けを見る。感動的。同じコンパートメントのノルウェーの若者とワインを飲みながら話をする。今 long vacationで列車が大変混んでいるのだそうである。23:45Hamburg発、ケルンへ向かう。

2/16(Sat.) 天気:曇り cloudy 宿泊地:Wurzburg ホテル:YH   
 6時少し前、Köln着。待合室で朝飯を食べたが、狭いし騒々しい。7時頃、外に出てみるが、まだ暗い。駅を出るとすぐ目の前にケルンの大聖堂が聳え立っていた。想像より遥かに大きく、圧倒されてしまった。スペイン人の旅行者に写真を撮ってもらったりして、しばらくぶらぶらしたが、寒くてたまらないので、9時のインターシティー(特急電車)で、Frankfurtへ行くことにした。

橋に立つ銅像も中世の雰囲気が漂う 車中あまり眠いので寝てしまったら、どうも様子がおかしい。あわてて同室のドイツ人に聞いたら、もうFrankfurtは通り過ぎてしまったとのこと。やはり寝過ごしてしまったのだ。英語が話せる女の子が、”Wurzburgまで行って、戻ったらどう。2時間半ぐらいかかるけど…”と言ってくれたが、もう面倒くさくなりWurzburgに泊ることにする。

 Wurzburgの人は大変親切で、町のはずれにあるYHも市電とバスの乗り継ぎも皆誰かが手取り足取り教えてくれた。(といってもドイツ語でチンプンカンプンだが) YHでは、Stephanというドイツ学生と仲良くなる。

2/17(Sun.) 天気:晴れ fine 宿泊地:Munchen ホテル:Bahnhofsplatz
凍った朝のマイン川 朝食の時、Stephanにパンの切り方を教えてもらった。切り屑が出ないように横に切るのだそうだ。Wurzburgはロマンチック街道の起点の町で、朝の町並みはとても感じが良い。マリエンベルクの要塞のあたりでバスを降りて、Alte Main橋を渡り、駅まで歩いた。マイン川は完全に凍っていた。

 11時の電車でWurzburgを後にし、ロマンチック街道の真ん中あたりにあるAugsburgに向かう。そこの市庁舎前の広場でカーニバルをやっていて、人だかりができていた。歌の輪の中に少しだけ入れてもらった。一介の旅人ともためらいなく一緒に肩を組もうと誘ってくれた人達。ここの人も親切で温かみがある。

 次の目的地のMunchenへ行くと、ここもカーニバルであった。夕食にステーキで腹ごしらえした後、ビアホールHofbräuhauseでの夜が極め付け。バンドの鳴らす音楽にカーニバルの余韻を楽しみながら、ジョッキになみなみとつがれたビールを飲む。ドイツのビアホールが、こんな居心地がいいとは思わなかった。

ミュンヘンのカーニバル    ビアホールにて

2/18(Mon.) 天気:晴れ fine 宿泊地:Zermatt ホテル:Bellary Hotel
 今日は、Eigerの町Grinderwaldに向かう。憧れのスイスの山々を見ながらスキーを楽しむのが、旅の目的の一つである。電車の乗り換えが分からずに困っていたら、同じコンパートメントのZurichのおばさんがBernでInterlaken行きに乗り換えだと教えてくれた。親切な人で、コーヒーをご馳走してくれた。昼食のパンにジャムをつけるためのナイフを探していたら、別のおばさんがナイフを貸してくれた。スイス人が、愛想悪いと言われているのは間違いだと思った。Zermattに着くと夜の8時を過ぎていたので、なかなか宿が見つからず、結局日本人経営のホテルに泊ることにする。

    旅のページへ back to travel abroad


Go to home

このページについてのご意見、ご感想はこちらへ your impressions & opions

Copyright(C)1998 Yasuhiro Oya. All rights reserved.