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2003年6月、韓国・ソウルで「大曽根」を見つけ出す!
 
 
往十里(왕십리・ワンシムニ)2003.6.10
ソウルの大河・漢江(한강・ハンガン)の南に位置する新ビジネス街・三成(삼성・サムソン)より地下鉄2号線に乗車した。2号線は東京の大江戸線と同様に環状地下鉄で2本の支線があり、乗り間違えないように行き先を確認して乗車しなければならない。幸い乗り間違えることなく降車駅の往十里に行くことができた。往十里駅は国鉄電鉄線区間(首都圏や近畿圏の通勤電車(旧国電)が走る区間に相当する)の京元線 (경원선・キョングォンソン)や
地下鉄5号線への乗換駅で長い地下道がある。外に出ると、国鉄の往十里駅前は鉄板で囲まれていてホームレスらしき人数人がおしゃべり、国鉄往十里駅の改札口は地下道にしかないことが判明。そのため地下道に戻って、C凉里へ行くため国鉄京元線のホームに上がった。そこのホームは島式一面で古くて狭い。狭いからホームには転落防止用の柵がある。名鉄線の駅で見られるようなシートの屋根の部分があった。両側に貨物線とみられる通過線路がある。西側にある正面口駅舎は閉鎖されているようだった。国鉄往十里駅は都市周辺部の駅っていう感じで、雰囲気は東京・埼京線の板橋駅に似ていると他サイトに書かれていたが確かに似ている。また、ラッシュ時やナゴヤドームで試合などがある時以外は客が少なく東側の三菱電機工場方面を見ると街中の駅とは言いがたい雰囲気のJR大曽根駅をも思い出してしまう程だ。JR大曽根駅も両側に貨物列車や旅客列車の通過若しくは操車路線がある。もしかしたら大曽根に相当する所はC凉里ではなく、往十里なのだろうかと考
えてしまう。しかしここに国鉄盆唐線(분당선・プンダンソン)が乗り入れる予定があり改築工事が行なわれることが予想される。鉄板に囲まれた所にも再開発ビルが建つのだろうか。発展することを考えれば往十里は、南端は貨物駅の面影を残しJRの改札口は地下にもあって地下鉄への乗換が便利な千種に相当すると考えたい。千種は名古屋駅から栄や錦を通って広小路通りや錦通りをまっすぐ東に行った所にあるし、往十里もソウル駅から明洞を通って退溪路(퇴계로・トウェゲーロ)という道路をまっすぐ東にいった所にある。そして往十里も千種も地下道に店舗がある。京元線は約10分ごとに電車が来るダイヤ。韓国の国鉄線は日本と同じ左側通行だ。
やがて江ノ電を思い出させるような黄色と緑を基調とした電車が来て乗車。やけにゆっくりしたスピードだ。そこより上流部は姿を消しているC溪川(청계천・チョンゲーチョン)という川を渡った。暫くして古い茶色い商店が立ち並ぶ道路を過ぎると、長距離列車の急行・ムグンファ号や特急・セマウル号、貨物列車の操車場が見えてきた。今日の主目的のC凉里だ。


 
往十里駅南西の交差点。真っ直ぐ行けばソウル駅。
 
C凉里(청량리・チョンニャンニ)2003.6.10
いよいよC凉里駅だ。そして下車した。C凉里駅は安東(안동・アンドン)経由で釜山へ行く大静脈路線・中央線(중앙선・チュンガンソン)、春川(춘천・チュンチョン)へ行く京春線(경춘선・キョンチュンソン)、東海(동해・トンヘー=日本海)に面した都市・江陵(강릉・カンヌン)方面に向かう太白線(태백선・テーベクソン)や嶺東線(영동선・ヨンドンソン)の長距離列車の発着駅で地下鉄1号線も乗り入れるソウルの東の玄関口。電鉄線のホームは3本あるうちの真ん中の島式ホーム、長距離列車はその両側にあるホームから乗ることになっている。 往十里に背を向ければ左隣になるホームは旧駅舎と接している岸式(だと思う(C凉里から長距離列車に乗る予定はなかったためホームには下りなかったのであくま
でも推察。韓国の国鉄の駅は電鉄線を除き自分が乗車する列車が出発するホームにしか行くことができない!!))で、降車客専用の出口がある。日本のJR駅でも見られるような構造だ。C凉里はガイドブックや他サイトには東京の上野や大阪の天王寺に相当すると書いてある。それならJR中央線の「あずさ」や「かいじ」の発着駅である新宿にも相当するのではないか。いや、今回の目的は名古屋の大曽根にも相当するかどうかの確認だ。改札口へ登る階段は木の板でできていた。C凉里駅は駅舎新築をしたがまだ工事が続いているようだ。改札口を出ると広い待合室で 、長距離列車の改札を待つ多くの乗客が椅子に座っていた。隅にパソコンコーナーがあり、若い人たちがインターネットを楽しんでいるよう
だった。壁際に乗車券売りの窓口や売店が並んでいる。駅の構造や駅舎内は大曽根とは大きく異なっている。出口の階段を見つけて外に出た。だだっ広い駅前広場があり、ソウル駅やソウル一の繁華街・明洞(명동・ミョンドン)ほどではないが人が多い。ソウル駅方面から来る地下鉄1号線も来ており、駅前にはロッテ百貨店があるから当然のことだろう。地下鉄の入口はロッテ百貨店の角にある。韓国でよく見かける野菜果物類を売っている露天商がここにもあった。ふと大きなパネルを見ると駅ビル完成予想図が描かれていた。C凉里駅はやはり更に大きく改修する予定があるようだ。旧駅舎はケンタッキー、マクドナルド、ロッテリア、バーガーキングといったファーストフード店が並んで入っている建物に生まれ変わっていた。ロッテ百貨店の向こうは車窓から見えたが朽ちかけているような俗にC凉里588(오팔팔・オーパ
C凉里駅の駅舎。その脇道をまっすぐ行けばC凉里588。
ロッテ百貨店C凉里店
ルパル)と称される置屋街だ。いわゆる赤線地帯。588とはその付近の番地、東大門典農洞동대문구전농동・トンデームングチョンノンドン)588番地から来ている。なおC凉里588は再開発で2004年に取り壊される運命になっている。平日の真昼間だから客引きはいない。駅前を走る斜めの広い道路があり、東大門や鍾閣(종각・チョンガク)へと行く。
ロッテ百貨店中2階にあるロッテリアでプルゴギバーガーセット불고기버거세트を食べた。「C凉里にはロッテリアが二つもある!!大曽根には名鉄駅下に1店あるのみ。マクドナルドは大曽根とC凉里と両方あるが、C凉里にあるバーガーキングやケンタッキーは大曽根にはない。」そのあと、地下鉄1号線でC凉里を去った。
1号線は韓国の地下鉄の中で最も早く開通した路線で、それまで2号線だけでなく6号線など新しい路線にも乗車したため、島式1面のC凉里駅は古くて暗く見える。尚、地下鉄1号線はC凉里では斜めに走っており、名鉄瀬戸線は大曽根では斜めであることを思い出す。しかもC凉里で国鉄から地下鉄に乗り換える場合は一旦外に出なければならず、大曽根もかつて中央線南口から外を歩いて名鉄瀬戸線に乗り換えていたそうで現在も乗換には時間がかかるという、大曽根とC凉里の似た面がある。
そして地下鉄に乗車し国鉄京元線と合流する次の回基(회기・フェギ)へと向
 
C凉里駅の旧駅舎。現在は降車客専用の出口とファーストフード店が入っている。 C凉里駅前を通る斜めの道路。東大門へと続く道。
 
かった。
 
回基(회기・フェギ)2003.6.10
途中から地上に出て後ろを見ると国鉄C凉里駅が見え、そして回基駅に着いて降りた。ここは島式1面のホームで、一部板張りの所がある。回基駅も工事中らしい。ここも往十里と同様にシートの屋根の所があった。地図上では回基で中央線が分岐しているように描かれているが中央線のホームはなく通過する単線の線路がホーム北端から少し先へ行った所で東へ分かれているのを見ることが出来た。レールは錆びておらず砂利も新しかった。改札口の外には出なかったが、斜めの道に茶色っぽい商店が立ち並んでいるのが見え。東京や名古屋周辺の住宅地を通る私鉄の駅前のような雰囲気だった。ここは大曽根には相当しないと判断し次の電車に乗って京春線が分岐する城北(성북・ソンブク)へ向
かった。途中聞こえる踏切警報機の音は昔なつかしの鉦をたたく「チンチンチンチン」という音だ。城北の一つ手前の石溪(석계・ソッケー)は交差する地下鉄6号線への乗換駅。地下鉄といっても国鉄駅の上にホームがある。東京・秋葉原駅のような構造か?
 
   城北(성북・ソンブク)2003.6.10
城北駅で降り一旦外に出る。城北駅の構造はC凉里駅と同じくホーム3本でC凉里から出た京春線の列車が最初に停まる駅、そして貨物列車の操車場がある。黒いタンク車が多数停まっていた。電鉄線は真ん中のホームで高さは日本と同じぐらいだ、 京春線の長距離列車ホームになっている駅舎から最も遠いホームは低い。駅舎 と
接した岸式ホームにはどんな列車が停まるのかは不明。島式ホームへは地下の改札口ってホームに上が。岸式ホーム改札口は駅舎に入ってすぐの所にある。駅舎内は誰かを待っている人が2〜3人いる程度、外C凉里駅にあるような広場はなくベンチで休んでいる人が少しいるらいだった。城北駅は国鉄線の分岐する所だが地下鉄は来ていない。このため大曽根には相当しないようだ。






 
 
龍山(용산・ヨンサン)2003.6.11
コ宮창덕궁・チャンドックン)、コ壽宮덕수궁・トクスグン)を回った後、市廰から地下鉄1号線に乗り、ソウル駅(国鉄往十里駅と同様に転落防止の柵がある)を経たのち地上に出て国鉄電鉄線区間となり、ソウルの南のターミナルである龍山で降りる。龍山には電機店のビル(龍山電子商街)があるが、買う予定はないので外には出なかった。龍山駅は工事中だった。ここはソウルから出た大動脈路線の京釜線경부・キョンブソン)から京元線が分岐する所、少し離れているが地下鉄4号線の新龍山駅もある。位置からすると名古屋の金山に相当する所、電機店ビルのことを思えば大須に相当するようだった。なお龍山も、龍山テキサスと称する置屋街があるというが、C凉里588と同様に2004年取り
壊される計画がある。
 
多少の違いはあっても、またC凉里以外でも「大曽根」を発見したものの、全体から見ればやはり大曽根に相当する所はC凉里であった。
大曽根とC凉里との類似点と相違点を記述してみると以下のとおり
交通の要所
@
 
C凉里はソウルの中心駅・ソウル駅から地下鉄&京元線に乗って半周した所にある。大曽根も名古屋駅から中央線で半周した所にある。但しC凉里は途中龍山で乗り換えなければならず所要時間も長い(ソウル駅〜龍山6分+龍山C凉里20分、名古屋〜大曽根12分)
A
 
ソウルの繁華街・明洞の北に位置する鍾閣へ行く斜めの広い道路が走る。大曽根も栄の北に位置する桜通りへ向かうR19が斜めに走る。しかしR19は大曽根駅から200メートルほど歩いた所にあるが、C凉里は駅前を走る。
B


 
C凉里駅は中央線京春線太白線嶺東線の長距離列車の発着駅で地下鉄1号線も乗り入れるソウルの東の玄関口。大曽根もJRの駅は大きいとは言えないが地下鉄名城線や名鉄瀬戸線、ゆとりーとラインが乗り入れる交通の要所で名古屋のの玄関口。ソウル市廰まで、名古屋市役所まで、両方とも地下鉄1本で行ける。しかしC凉里駅からソウル駅までは地下鉄1号線1本で行けるが、地下鉄で大曽根から名古屋駅まで行くなら途中久屋大通か栄で乗り換えねばならないという違いがある。
C
 
C凉里で国鉄から地下鉄に乗り換える場合、一旦外に出なければならない。大曽根もJRから名鉄に乗り換える場合急ぎ足でも3分ほどかかるし、昭和40年代までは南口から外を歩いて名鉄に乗り換えていた。
他繁華街への距離
@

 
C凉里から、今池や池下に相当すると思われる繁華街・東大門へは約3〜4km程の距離。大曽根から今池や池下までもその位の距離。しかし東大門へは駅前を通る道路や地下鉄1号線だけで行けるが大曽根から今池や池下までは矢田十丁目交差点で曲がらねばならぬし直通の地下鉄もないという違いがある。
A
 
栄や錦に相当する明洞乙支路을지로・ウルチロ)までC凉里から5〜6kmある。大曽根から栄や錦までも約5km。しかし大曽根から栄までは地下鉄1本でいけるが、C凉里から明洞や乙支路まで地下鉄で行く場合は乗換が必要である。
商業施設等・再開発
@ C凉里駅前にロッテ百貨店がある。大曽根も、百貨店進出計画はご破算となったものの現在東口でメッツ大曽根が貫禄を誇っている。
A


 
かつて大曽根駅付近では古く小さな飲食店が軒を連ねていたというが、C凉里駅付近も古い店舗が集中している。しかしC凉里は飲食店ではなく俗にC凉里588(オーパルパル)と称される置屋街。大曽根駅前の飲食店は再開発で取り壊され現在はその時から続く 新築した店舗が数軒あるのみで、またC凉里にも再開発事業があり2004年に置屋街を取り壊して商業施設を建設する計画がある。かつて大曽根も駅前ではないが遊郭があったがC凉里の置屋街はそれに相当する所か?余談だが東京の新宿2丁目も赤線地帯だった。
B C凉里には大通りに沿ったにソンバオロ(성바오로)病院という大型病院があ、大曽根にも19沿いに大隈病院がある。
C
 
C凉里駅周辺にC凉里青果物市場、典農総合市場などの商店が集まった所がある。大曽根にはそういう所は無いがかつて大曽根市場や新宿市場があった。
その他
@
 
C凉里は東大門に位置するが東大門は東大門ではなく中と鍾路にまたがり、大曽根も東区と北区にまたがっており、両者とも迷ってしまいそうな地理である。
   
C凉里と大曽根の他、ソウルと名古屋との地域対応は下の表のとおり
今回の訪韓で判断した名古屋−ソウルの地域対応
名古屋 ソウル
大曽根 C凉里
栄・錦 明洞・乙支路
千種 往十里
名古屋駅 ソウル駅
今池・池下 東大門
金山・大須 龍山
   
それではC凉里以外で発見した「大曽根」ってどこ?そしてソウルの今後の期待
  C凉里以外で大曽根を見つけた所を挙げる。普段は人で溢れる明洞のメインストリートである明洞ギル(명동길・ミョンドンギル)であっても、早朝は人通りがまばらで、その時通ると並木あり、ブロックで敷き詰められた道、歩道の段差が小さいことを改めて知ることができ、オズモールとの共通点を見出せる。また、行った時は感じることはなかったが帰国後写真を見ると、骨董品で有名な仁寺洞(인사동・インサドン)もそう高くない商店が建ち並んでいるためオズモールに似ていると思えてならない。今後またソウルを訪れる機会があったとしたら再度仁寺洞へ行き大曽根を懐かしく思えるかどうか確認してみる。更に今回行けなかった所も歩くこととする。南山の南に位置する梨泰院(이태원・イテウォン)、漢江の南に位置する狎鷗亭洞(압구
明洞ギル   仁寺洞
정동・アプクジョンドン)とC潭洞(청당동・チョンダンドン)は道路沿いに開けた街で国鉄は走っておらず地下鉄のみ来ているため、そこに行けばもしかしたら新瑞橋、浄心、星ヶ丘などのような広い道路にビルや店舗が並ぶ街に似ていると感じるかもしれない。また、工業地帯の永登浦(영등포・ヨンドゥンポ)、京釜線から仁川線が分岐する九老(구로・クロ)も、予想外な発見があるかもしれない。
 
そして、東京に行く時に実施している「大曽根発新宿行」ばかりではなく、「大曽根発C凉里行」も実行できれば(?)
大曽根−千種−金山−名古屋−(東海道・山陽新幹線)−博多(福岡)−(カメリア,コビーorビートル)−釜山−(KTX)−ソウル−龍山−往十里−C凉里
 

<Click> (ソウルの清涼里以外の場所、釜山、慶州での体験や出来事については)訪韓記2003へ

<Click> C凉里その後 2010(2010年に行ったC凉里は大きく様変わり)

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