八久和の夏
− 山形県 八久和川 −
【7月28日】 3日目 起床 8:30
昨夜、飲みすぎたせいか、おもいっきり寝てしまった。(^^;
「そういえば、昨日のイワナがまだ2尾残っていたな...」
ゆっくりと朝飯の支度にとりかかった。
朝飯のメニューだが、写真の左からイワナ入り炊き込み御飯。
真ん中はイワナの油炒めで醤油とダシと砂糖と味醂で味付けするが
これがなかなかうまくて飯がいくらでも食べらる。(笑)
右が定番のイワナ汁という感じである。
朝からやけに張りきって手をかけてしまった。(^^;
それにしても食いすぎた。(^^;
満腹でしばらく動く気力がおきず、テン場でうだうだやっていると鈴の音がした。
何かな?と思い、川を覗き込んでみると4人組の釣り師が下流からやってきた。
そして彼らはこのテン場まで登ってきたのである。
挨拶をして話を聞くと私と同じ日に入っていて、稜線から小国沢を下降してからここまで登ってきたそうだ。
これで謎が解けた! 車が2台しかなかったのに1人しか会わないかったのはおかしいなと思っていたのである。
小国沢から岩屋沢までは八久和で一番人が入らない区間だから...と言っていた。
ちなみに石滝の通過は大変だったらしい。 いやはや、何とも気合いの入った人達である。(^^;
こりゃ、相当、でかいのを釣ったかなと思い、釣果を聞くといいとこ尺2寸だったそうだ。
こんなことを言うのもなんだが、これにはちょっと安心したかも?(^^;
メンバー4人のうち2人はベテラン風で八久和には何度も入っているそうである。
もちろん40cmオーバーも上げていて、次の目標は50cmオーバーだそうだ。
大物が良く出るのはやはり下流部が多いと言っていた。
彼らは岩屋沢から上流は激戦区なのでやらないそうである。
後の2人はどうやらこの人達にくっついてきて入渓した感じである。
見るからに疲れている様子がうかがえる。(^^;
このうちの一人は「もう藪はやらねぇ。俺は普通に釣りがしたいんだ。」と言っていた。
小国沢の藪こぎは相当大変だったんだろう。(笑)
って、笑ったりしたら失礼ですよね。(^^;
また、もう一人は「釣りに行くなら行ってきなよ。俺は帰りが心配だからここで休んでる」
と言っていた。(^^;
しばらくいろいろ話した後、予定を聞いたら呂滝を見に行くという。
しかもまたここまで戻ってから今日のうちに登山道を登って天狗小屋に泊るそうだ。
あまりにも長々と話し込んでいたのでもう昼近くになっていた。
「今からじゃさすがにそれは無理かと思いますよ」とご忠告を差し上げたところ、
んじゃぁ、ということでコマス滝までにすることに決めたみたいである。
「そういえば上流にテンカラ師が一人いますよ。コマス滝の少し下に泊っています。」と言い、
昨日の話しをしていたら、昨日会ったテンカラの人がやってきた。
挨拶をした後、「あれ? どうしたんですか? 今日は釣らなかったんですか?」と聞くと、
転んで指を骨折してしまったので帰ってきたという。本当に災難である。(^^;
「大丈夫なんですか?」と聞くと
「小指が変な方向に向いちゃってまいっちゃったよ。ハハハ...」と言ってから登山道を登っていった。
本当に大丈夫なんだろうか?(^^;
まぁ、後は登山道だから問題ないとは思うが、それにしても指を骨折した状態でよくここまで戻ってきたものである。
そして4人組の方もいろいろあったみたいだが、結局、全員で釣りに出かけていった。
疲れてた人は大丈夫かなぁ...なんか無理やり連れていかれたような感じだったけど...(^^;
さて、自分はどうするか?
ということで地図を見てテン場より下流にある平七沢を釣ってみることにした。
なんか「ここまで来て小沢かよ!」というツッコミがありそうだが、
上流は4人組みが入ったし、下流も歩かれているのでそれが一番いいと思ったのである。(^^;
準備をしてテン場を出発したのは12時半を過ぎた頃だった。
本流はテン場から少し下ると渓は開けた感じになり実に気持ちがいい。
「うひょ〜っ!」と水の中をじゃぶじゃぶと歩いていく。
好きな時間に起きて好きな時間に釣りに行く!
やっぱり渓泊りはこれじゃなくっちゃ!!(爆)
この辺りの本流は実に水量が豊富である。
竿がとどかないような大きいポイントがいくつも連続していた。
あまりにも渓相がいいのでこの辺でやってみようかと思ってしまったぐらいである。
しばらく行くと渓は両岸が狭まり岸いっぱいの大渕が現れる。
風呂にも入っていないし、こりゃちょうどいい。泳いじゃえ!(爆)
てな感じで途中で思いっきり泳いでしまった。(^^;
それにしても下りは楽でいいや。(笑)
この時はもう完全にはしゃいでる子供状態だったような気がする。(^^;
狭い所を抜けるとまた河原になって開ける。
4人組が歩いてるはずだがここの河原ではイワナが走る!走る!
「おっ、またいた!でけっ!」みたいな感じである。(笑)
イワナ達はみなのんびりしている。
「おっ、なんか変なヤツが来たぞ...う〜ん、とりあえず逃げとくか...」
本当にそんな感じなのである。
ゆっくりと泳いで逃げていくそんなイワナ達の姿を見ていたら、
それが妙にうれしく、また、おかしくて笑えてきた。
平七沢はこの河原に穏やかな流れで合流してきていた。
この出合いのすぐ右手にもテン場があった。
私は釣りの準備をして出合いからすぐに釣っていくことにした。
出合い付近は平瀬だったが、すぐ渓相は変わってポイントが出てくる。
そして私は泳いでいるイワナを見つけたので、
また背後から近づき例によって目の前に餌を落としてやるとすぐに食いついてきた。
9寸クラスだった。う〜ん、実にかわいい。(^^)
釣っていくとボチボチではあるが、いい型が釣れてくる。
尺2寸も出てくれた。(^^) こりゃ、いけるカモ?(爆)
と思っていたらこの小滝に遭遇する。
というか滝という程のものでもないんだけどね。(^^;
当然ながらここでもイワナは出たのだが、これを越えるとアタリは出なくなった。
ん? なんだ? もういなくなっちゃったか?
そしてすぐに沢はゴルジュになる。
ここがその入口で大きな淵を構えていた。
ずいぶん粘ったがアタリは出なった。イワナの魚影も見えない。
きっとさっきの小滝が遡上止めだったに違いない。
私は平七沢には元々イワナはいないんだろうと勝手に結論を出した。(^^;
もし、ここで釣れてたらゴルジュに突入してたかもしれないが、
釣れなかったのであきらめることにした。
ここまでは本流出合いからわずかな距離である。
思いっきり時間が余ってしまった。(^^;
本流出合いに戻り、地図をチェックすると少し上流で支流が入っているのに気が付いた。
「あれ? 来るとき沢なんて途中にあったっけな?」記憶にない。(^^;
じゃ、行ってみようということで本流を登っていくとありました。ありました。
小さいさいけれど確かに右岸から沢が入っている。これは大赤沢である。
気をつけてないと本当に見落としてしまいそうなぐらいの小沢だった。
ここもすぐ出合いから釣っていくことにする。
するといくらもいかないうちにイワナの小型が釣れた。
おぉ、いるじゃん!(^^)
ということでますます小沢路線にハマっていくのであった。(^^;
この沢は穏やかな流れでしっかりとイワナが定着していた。
でも、型はさすがに小さい。
出てもいいとこ8寸クラスまでだった。
沢も小さいし、なんかいつもの丹沢や山梨で釣っているみたいな感覚だった。(^^;
それにしてもずいぶん奥まで魚がいる感じである。
でも残念ながら切上げる時間がきてしまったのであきらめることにした。
ひょっとしたら奥まで入れば大きいのもいるかもしれないが別に未練はなかった。
ここは本流への貴重な供給源だからそっとしとくべきである。
「とか言って釣ってんじゃねぇよ!」とツッコミありそうだが...(^^;
とりあえず本流まで戻り、おかずを確保して帰ることにする。
本流合流点のポイントで竿を出してみるとすぐにゴーンという感じで尺上がきた。
う〜ん、やっぱ大きいのは本流だよなぁ。(^^;
続けてすぐ9寸クラスが釣れたのでこの2尾をキープしてテン場に戻った。
テン場に戻ると4人組のザックは無くなっていた。
おっ、ちゃんと帰ったみたいだな。無事がわかってちょっと安心する。
夕食を終えて焚き火の準備を始めるがそれにしても暑い。
夜だというのに気温が30℃ぐらいある。
昨日からちょっと感じていたことだが本当に異常な暑さなのである。
ちょっと動くと汗が吹き出てきて嫌になるほどだ。
あまりにも暑いので焚き火は控え目にしておいた。(^^;
後でわかったことだがこの時の朝日村は異例の猛暑だったそうである。
そしてまたイワナの刺身をつまみに飲みながら明日の行動をどうするか考える。
というか、もう心は決まっていた。明日こそ魚止めをやるつもりだった。
予定では明日帰るはずだったが、食料は少し多めにもってきてるし、それに今日は昼を一食抜いた。
まだ米はある。なんとかなるだろう...
あっ、決してテン場にデポしてあった米には手をつけてませんよ。念の為!(^^;
今日で入っていた人はみな帰ったはずだから明日は貸し切りのはずである。
そうと決まれば残っていた酒を一気に飲み干し、明日に備えて早めに寝たのだった。
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