TOPメニュー名古屋のスズメバチ図鑑 > キイロスズメバチ

キイロスズメバチ Vespa simillima xanthoptera Cameron, 1903


体長は女王バチ25〜28mm,働きバチ17〜24mmで,5種の中では最も小型です.名古屋市では東部丘陵地に生息していますが件数はそれほど多くなく,また比較的限られた地域に集中して発生する傾向があります.コガタスズメバチと共に都市環境に対する適応能力が高く,各地で問題になっていますが,本市ではむしろ退潮傾向に有り,最近では巣を見かけることもほとんどありません.

営巣場所は軒下や木の枝などの開放的な場所や,天井裏,床下,樹洞などの閉鎖的な場所までさまざまです.名古屋市では家屋に巣を作る割合が95%と圧倒的に多く,樹枝営巣はほとんど見られません.開放的な場所に巣を作る割合と閉鎖的な場所に巣を作る割合はほぼ半々でした.

巣は大きなものでは直径50cmを越え,本市産のスズメバチでは最大です.巣盤数は5〜10層,育房数は5,000〜10,000房位になります.活動期間は5種の中で最も長く,5月上旬には営巣を開始し11月一杯まで活動します.働きバチは6月より羽化し,活動の最盛期には1000頭を越えます.オスバチ,新女王バチは9月〜11月に羽化します.

本種は働きバチの羽化後営巣空間が狭くなると、より広い場所を求めて引っ越しする性質があります.時期は7月〜8月で,働きバチが建物内に入り込んだり,営巣候補地に集団を作ったりして相談が寄せられることがあります.働きバチは全ての幼虫が羽化するまで(引っ越し後1ヶ月ほど)は新巣と旧巣の間を行き来して子育てを行います.

幼虫の餌としてはハエ,アブ,その他の昆虫類やクモなどを狩る何でも屋です.攻撃性,威嚇性ともに強く,巣に近づいただけで被害にあうことがあるので注意が必要です.


名古屋市における
最大巣の記録
巣盤数 9層 多数記録有り
育房数 6428房 1990年9月12日(名東区)
成虫数 988頭

天井裏に作られた営巣初期の巣 天井裏に作られた営巣中期の巣 2階軒下に作られた最盛期の巣
庭に置いてある家具の内部に作られた巣(駆除後) 小屋の壁間に作られた巣の出入口(←印)付近の様子 ヤブガラシの花で吸蜜する働きバチ
巣の上のクモを上手に狩る働きバチ 壁間に作られた巣の入り口の様子 朽ち木内で越冬する新女王バチ