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コガタスズメバチ  Vespa analis insularis Dalla Torre, 1894


体長は女王バチ25〜30mm,働きバチ22〜28mmで,5種のなかでは中位の大きさです.名古屋市では最も普通に見られ,駆除件数の90%以上を占めています.営巣場所は樹の枝や家屋の軒下などの開放的な場所で,約80%が樹木に,残り20%が家屋に巣を作ります.

樹木の種類は100種以上と多岐にわたっていますが,特定の樹木に高い割合で巣を作る傾向がみられました.サザンカが最も多く,以下ツツジ,ツバキ,キンモクセイの順でした.これらの樹木は樹高が中程度で枝を密に出す常緑の広葉樹である点で共通しています.また,当地方では生け垣や庭木によく利用されることも理由として考えられます.

巣は外皮に覆われたボール状をしていますが,女王バチが単独で巣作りをしている時期にはトックリを逆さにしたような形をしています.これは本種と宮古島以南に生息するツマグロスズメバチのみの特徴で,巣内の保温と外敵の侵入防止のためだと考えられています.最盛期には巣の大きさもタテ30cm×ヨコ25cm位になり,巣盤数は2〜5層,育房数は1,000房位になります.

越冬を終えた女王バチが5月中旬頃に単独で営巣を開始します.働きバチの羽化は6月中旬で,活動が最も活発となる9月〜10月には100頭を越えます.オスと新女王は9月〜11月に羽化します.

幼虫の餌としてハエ,アブ,小型の甲虫類やハチなどあらゆる昆虫を狩ります.攻撃性,威嚇性は5種の中では弱い方で,巣を刺激しないかぎり刺傷被害が発生することはまれです.しかし,ひとたび巣を刺激すると激しく攻撃してくるため,剪定作業中などにしばしば刺傷被害が発生しています.


名古屋市における
最大巣の記録
巣盤数 6層 2件記録あり
育房数 1955房 2203年10月3日(守山区)
成虫数 395頭

トックリ型をした営巣初期の巣 営巣中期の巣(ウバメガシに営巣) 営巣中期の巣(ツツジに営巣)
成熟巣(アラカシに営巣) 軒下に営巣した成熟巣 巣を冷やすために巣穴から中へ風を送る働きバチ
ヤブカラシを訪れた働きバチ アベマキの樹液を舐める働きバチ 朽ち木内で越冬する新女王