TOPメニュースズメバチの生物誌アブラムシの甘露を舐めるスズメバチ>シラカシで甘露を舐めるスズメバチ

公園のシラカシに甘露を舐めに集まるスズメバチ


2007年9月に,公園を管理する土木事務所jから,緑区内の公園に植えられた高さ3m程のシラカシに,多数のスズメバチが集まってきて周辺を飛び回るという事例について相談がありました.

最初に相談があったのは9月18日で,現地調査ではヒメスズメバチが多数集まっているとのことでした.その後も飛来は止まらず,10月4日にスプレー式殺虫剤で駆除を実施しました.翌日の10月5日午前10時頃に現地調査を実施したところ,7〜8頭のコガタスズメバチと2頭のヒメスズメバチ,1頭のオオスズメバチを確認しました.これらは全て働きバチでした.

オオスズメバチは一番条件の良さそうな場所を占拠し,樹皮を舐めていましたが,コガタスズメバチとヒメスズメバチの2種は,樹皮を舐めてはいるものの終始落ち着きが無く,時々木の間を飛び回ったり,同種間で追いかけるような行動をとって,周辺を飛びまわる姿が目立ちました.またヒメスズメバチとコガタスズメバチがからみあって地上に落下する行動や,追いかけるような行動もしばしば見られました.

周辺には柵が設けられ,注意書きが掲示されています.対策としては十分と思われますが,樹木の周辺を飛び回るという行動は住民に不安感を与えるるようです.

これはスズメバチが,シラカシやアラカシにつくアブラムシやカイガラムシシの甘露を舐めに集まった時によく見られる行動です.この他にはアシナガバチもよく集まってきて,葉や枝に止まって,表面に付着した甘露を舐めます.

2008年8月には,同じ緑区内にある別の緑地で,アベマキにスズメバチやアシナガバチが多数集まって,周辺を飛び回っているという相談がありました.現地を調査したところアブラムシの発生が確認され,スズメバチやアシナガバチが,枝や葉に付着した甘露を舐めに来ていました.


北側から見たシラカシ(危害防止のため柵が設置されている) 南西側から見たシラカシ(手前の木)
ヒメスズメバチ オオスズメバチ(裏側はゴマダラチョウ)