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樹液に集まるスズメバチ


スズメバチの成虫の栄養源は主に炭水化物です.そのため樹液や花蜜,果樹などをよく訪れます.クヌギやアベマキ,コナラ,シラカシやアラカシ,アカメヤナギの樹液には,夏期を中心にスズメバチやアシナガバチなどが樹液を舐めに集まって来ます.

樹液で良く見かけるのはオオスズメバチ,モンスズメバチ,ヒメスズメバチ,コガタスズメバチなどで,キイロスズメバチやクロスズメバチはあまりやってきません.

これらのスズメバチの間には優劣関係があり,オオスズメバチが最も上位を占めています.同じオオスズメバチでも巣が異なると餌場を巡って争いが起こります.ですから同じ餌場を占拠しているオオスズメバチは全て同じ巣の仲間です.樹液に集まるオオスズメバチは,餌場を守ろうとする習性が強く,刺激すると攻撃してくることがありますので,あまり近づかないように注意してください.

また,秋になるとヨウシュイボタ(セイヨウイボタ,プリペット)やシマトネリコ,ネズミモチにもやって来ることがあります.これはカメムシの吸汁によって樹皮が傷つけられ,染み出す樹液を舐めに集まって来るものです.

その他,生け垣によく使われるベニカナメモチ(レッドロビン)にもスズメバチがやって来ます.

これとは別に,”多数のオオスズメバチが樹液のでる木に集まってくる?”という事例が,2004年以降,市内各地で見つかっています.アベマキやコナラの他,ムクゲ,ハナノキ,カリン,シラカシなどで,通常はオオスズメバチのみが集まってきますが,2007年の事例では1本のシラカシの木に、コガタスズメバチとヒメスズメバチが集まってきていました.平野部ではコナラやアベマキがほとんどないため,アラカシやシラカシなどの樹液にさまざまな昆虫が集まってきます.


アベマキ コナラ アカメヤナギ アカメヤナギ ベニカナメモチ アカメガシワ
アベマキ・コナラ シラカシ・アラカシ アカメヤナギ ハルニレ ベニカナメモチ アカメガシワ

下記サイトには,スズメバチが生け垣や庭木に集まってくる理由について,興味深い情報が掲載されています.
上野高敏のウェブサイト