会社に人は集まる
お店に人は集まる
工場に人は集まる
現場に人は集まる
お金を手に入れるため
晩ゴハンを食べるため
コ−ラを好きなときに飲むため
アパ−トに住むため
電話で話すため
ヌ−ド雑誌を買うため
たまには服を買うため
人が来る
人が集まる
あそこに、ここに
来いと言われる時間に
来いと決められた日に
あの人に会う
あんな人にも会う
あいつにも会う
あいつにも会う
ここで働かなければならないために
仕事というものをしなければならないために
あいつと会わなければならない
あいつと話さなければならない
あいつと笑わなければならない
あいつと並んで歩かなければならない
お金を手にするため
お金がないと暮らしていけないから
あいつと人生の何%かを
ともに過ごさないといけない
俺の持っている性格や特徴を批判され、否定され、
ねじ曲げられる
あいつの信じた
あるべき職場の人間の姿にならされようとしている
俺は罵倒される
でも俺は今日もコ−ラを飲みたいから謝る
俺はコンプレックスである部分を批判され
帰りに自動車の波に
身を投げることを想像しつつ
とぼとぼ歩いていく
何度もあいつの言葉を頭で繰り返し・・・
今、ここで暮らしていかなければならないから
お風呂に毎日入りたいから
一本120円のコ−ラを好きなときに飲みたいから
人は集まる
あのビルにあの地下街のひとつひとつのお店に
そして会ってしまう、
あいつのような奴に
消えたいと思う毎日
あんな奴、事故にでも遭って消えてなくなれと思う日々
それが今のすべて
そんなことが生きているすべて
一日一日が、一年一年が
俺の一生が