七色の朝焼け







     七色の朝焼けがあるんだよって
     おまえは言ってた
     きっと、いつか見ることが出来るって
     今日も陽に当たらなかった頬を緩めて
     窓を見ていたね

     俺はいつか見れればいいねって
     あくびのように言い残したはずだ
     あの時おまえに嫌われてやるだけ強くもなかったから
     やさしいねって言われていたかったから

     でも、心の中で俺はおまえを笑っていた
     あるはずないじゃんって
     現実に出なくても生きていける奴が
     思いつきそうな言葉だって

     おまえも夢だってわかってるくせにって
     そんな夢を話してるおまえを見下してた
     幸せだなってバカにしてた

     世の中のなんかの役に立ってみろって
     客の食い残した残飯を素手で掴んで
     ポリバケツに捨ててみろって

     そうだね・・・・・・
     俺はおまえより立場が上だって
     あの時のおまえをそんなふうに思ってたんだ


     今ね、俺ここにいるんだ
     今ね、俺一人になったんだ
     おまえがいなくなったから

     もう、俺がいるところに
     おまえを連れてきてはやれないね



    今ね、音がするはずもないのに
    聞いたことのない音がしてるんだ



     ほらね、ほらね
     遠いけどあそこ

    薄く始まった朝の色

     しっかりと手に取ることは出来ないけど
     ずっと見ていることは出来ないけど
     でも、遠く果てしなく
     今、あるんだよ
     溢れてしまうほど

     残しておくことは出来ないけど
     止まることなく溢れ続けていくよ


    今ね、声があるはずもないのに
    聞いたことのない声がしてるんだ



     こんなこと言ってたよって
     教えてあげたいのに
     なんていってるのかさえわからない
     そうだね、伝えることなんか出来ないよね

     見てよ、見てよ
     あそこだよ、あそこから聞こえるよね


     今、ここにいないおまえに
     もし、手にとって持って行けたなら
     全部、この今を伝えられたなら
     おまえを笑っていた
      俺の心を伝えられたなら




    七色の朝焼け、見れたんだねって

    きっと、おまえは笑っていってくれるよね。









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