蒲原城跡
所在 静岡県庵原郡蒲原町蒲原
交通 JR東海道本線蒲原駅より徒歩30分
歴史 蒲原城の正確な築城年代についての記録はないが、南北朝時代
(1331〜1392)今川氏初代範国が駿河守護として入国したころ、東の
押さえとして築城されたのがはじめとされ、戦国時代には今川氏の重臣
飯尾豊前守らが城番として置かれた。
永禄三年以降、今川氏没落に伴ない盟友だった北条氏が入城し大改築を
計るが、同十二年(1569)、駿河に侵攻した武田氏の攻撃を受け落城、
城主北条新三郎兄弟以下、清水・笠原・狩野介らが討死したという。
その後、城は武田氏より徳川氏に移るが、天正十八年(1590)頃、廃城に
なったとされる。
蒲原城跡石碑
一部石垣が残る
一言 城跡は蒲原町の背後、駿河湾を一望できる標高150mの城山に残る。
遺構は本丸跡のほか、その背後に善福寺曲輪、堀切、石垣、土塁などが
残っている。特に本丸と善福寺曲輪とを隔てる堀切りは北条氏時代の遺構
とされ、一部破壊があるもののその深さは秀逸である。
善福寺曲輪からは多くの出土品が発見され、その説明板が建てられている。
このように、遺構がよく残る城跡だが、大手曲輪は東名高速道建設にともない
消失したという。
なお城跡に向かう車道が整備されおり、駐車場もある。城跡は公園化され、桜
の名所らしい。
本丸と善福寺曲輪を隔てる大堀切
善福寺曲輪
善福寺曲輪に残る土塁跡