天方城跡
所在 静岡県周智郡森町向天方
交通 天竜浜名湖鉄道遠州森駅より徒歩1時間
歴史 この城がいつ築かれたかは不明であるが、応永年間には山内対馬
守の居城であったとされる。
その後、室町時代には今川氏配下として天方氏が治めたが、室町時
代後期、今川氏の没落とともに、徳川・武田両氏の圧力を受ける事と
なる。
永禄十二年(1569)、徳川家康はこの城を包囲、天方山城守通興は
防戦に努めたがかなわず降伏。翌元亀元年(1570)にも家康の下知
に従わなかったため再び攻められ、再度降伏する。
その三年後の元亀三年には武田信玄に攻められ戦わずして降伏。
その翌年には再び家康に攻められ降伏、その後武田氏・再び徳川氏と
目まぐるしく主家を替えた。
天方城遠望
天方城石碑
本丸付近に残る堀切跡
一言 上記の通り、この城を巡って武田・徳川氏により激しい争奪戦が繰り広げ
られた。通興の子、通綱は徳川家康の長男信康が織田信長より謀反の疑
いをかけられ切腹する時、その介錯人と務めた。通綱は主君の長男の首
を落としたという自責の念に駆られ、高野山に登り仏門に入ったとされる。
城跡へは道が整備され、車で難なく行くことができる。城跡は公園として整
備されており、本丸跡に建つ石碑の周囲には空掘・土塁・堀切が確認出来
る。但し、城跡へ続く道をなかなか見つけられず、非常に難儀した。
城跡近くに建つ天方三代の墓所、蔵雲院