初恋だった。

子供だったけれど、本気で好きになった人だった。

好きで、好きで、たまらなく好きで。

だから……、身を引くことしかできなかった。

幸せなあの人を見守る側でいられるのなら、それでいいと思っていた。

あの人を守るためなら、身代わりさえかまわないと思った。

けれどそれも叶わないと知ったとき、もう誰も好きにならないと決めた。

もう、誰も、あんなに好きになれないと思ったから……。