その拾 東歌 2 |
巻第十四 3352 読み人知らず
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現在語訳 信濃の須賀の荒野で、ほととぎすが鳴いている。その声を聞くと、もう田植えの時期がすぎてしまったと思うことよ。 解説 東歌の一首である。自分が、今、長野県に在住しているせいか、どうしても信濃の歌に親しみを覚えてしまう。ただ、最初に取り上げた「信濃路は……」の歌は、まだ独身時代にアップした。当時はまさか長野県に引っ越すことになろうとは夢にも思わなかった。 ほととぎすは夏の鳥である。平安時代になると、貴族たちの間で聞くことが流行るが、当時は田植えを告げる鳥だった。時鳥とも書く。田植えは農作業の一大イベントで、村の皆で協力しなければ出来ない作業だった。 須賀の荒野と言うのが何処だか解らないが、須坂と上田の間にある菅平高原あたりか? なにしろまだ来て八年目であるし、地理には疎いのでどこか解る人、教えて下さい。 |