Peppermint Tea

2000.8.31 21版

さわやかなペパーミントの香りに寄せて、ちょっと書いてみました。これを読んで、ほっと一息入れていただければうれしく思います。

 ようやく9月に近くなり、朝夕涼しくなりました。日中の残暑はまだ厳しいです。こんな時は、体調を崩さないように注意したいものです。
 四季の中で、一番秋が好きです。日本人は北方系民族と南方系民族の混血といわれますが、どうやら、私は北方系のようで、冬は風邪をよくひくくせに嫌いではありません。逆に、暖かくて風邪をひく可能性が皆無と言っていい夏は、けだるく、物事に対して積極的ではなくなります。もっとも、会社では寒いくらいにクーラーが効いているので、このけだるさは冷房病かもしれません。
 そろそろ、昼のセミの声から、夜のマツムシやキリギリスの声へと自然界の歌声も移ってきているようです。虫の声を愛でるという習慣は、世界にも珍しいと本で読んだことがあります。あの、「昆虫記」の作者ファーブルの故郷、フランスでも、セミはおろかマツムシ、スズムシの声まで「騒音」になってしまうのですから。蝶が飛んでいても、女の子なら、怖がって逃げていくそうな。
 あたしは蝶を見て歩いたのが自分で歩いた最初だそうです。もちろん、日本人ですから逃げません、指差して近寄っていったそうです。フランスで生まれていたのなら、さぞかしおてんばと見なされたことでしょうね。(笑)
 3歳の時だったといいますから、その頃から好奇心が強かったのでしょう。それと綺麗なものが好きだったのでしょう。
 今でも、好奇心の強さと芸術好きは変わりません。「三つ子の魂……」を地で行っているといえます。
 何の物語だったか、平安時代に書かれた書物の一節に「虫愛でる姫君」というのがありました。なりふりかまわず虫を愛でている姫君の話です。私は虫嫌いなので、ちょっと違いますが、その当時の女性にも、なりふりかまわぬ女性、つまり殿方なぞ見向きもしない女性がいたのか、とその姫君に近親感を持ったのを覚えています。しかし、その当時から、秋の虫の声を聞く習慣があったということは、驚きです。
 私の家でも、昔鈴虫を飼っていました。今年は母がもらってきました。贅沢にも(笑)キュウリやナスや花かつおを食べて、いい声で鳴いています。
 鳴くといっても、虫ですから、羽と羽をこすり合わせた摩擦音です。でも、それで文字通り鈴の鳴るような音が出るのが不思議です。もっとも、この歌はラプソングで、オスがメスを呼ぶ時に歌うらしいんです。何だか、人間にも似たようなのがいますね。(笑)
 鈴虫が飼われ始めたのはいつかわかりませんが、江戸時代では庶民の間でも飼われていたようです。俳諧が流行った頃には、都市部の旦那方が、田舎にわざわざ出向いて、虫の声を聞き、月を愛でて俳句をひねったそうです。飢饉などがなければ、江戸時代でも庶民でもゆとりがあったのでしょうか。
 そんなことを居候が考えているのを知ってか知らずか、我が家の「秋の使者」は、今夜もいい声でラブソングを歌っています。
 風も涼しくなってきました。

近況

 夏休みは父方の墓参りと母方の祖母の新盆を済ませた後、信州に避暑に行きました。その顛末は、一部旅行記に載せてあります。殆んど友人に車で乗せていってもらったので、足で旅する私にしては珍しく楽な旅行でした。
 またまた、事情により途切れ途切れのネットになりそうです。この分だと、10月に計画しているオフ会も、開催が危ぶまれます。でも、更新だけは細々と続けていこうと思いますので、「最近、つぱさ見ないけどどうしている」と思われた方は、掲示板かメールでお気軽に呼びかけてください。ちょっと時間的にずれるかもしれませんが、必ずお返事させて頂きます。
 つかの間の夏休みの後、日常の忙しい生活に戻っています。なかなか、ゆっくり書く時間もないですが、ご無沙汰の方に手紙も書きたいと思っています。
 しかし、去年は実績を見ると、9月号を休んでいましたので、去年より真面目にやっていると言うことかもしれません。今年の方が、結構忙しいのですが……。
以上

 

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