Peppermint Tea

2000.6.30 19版

さわやかなペパーミントの香りに寄せて、ちょっと書いてみました。これを読んで、ほっと一息入れていただければうれしく思います。

 今は梅雨の真っ盛り。それが過ぎると私が大っ嫌いな暑い夏です。夏の風物詩といえば花火に盆踊りにひまわりに……。それに土用丑のうな丼……。
 私は自他ともに認める食いしん坊です。しかし、うなぎは小さい時はあまり好きではありませんでした。うなぎに限らず、丼ものは今でも好きではありません。第一、どんぷりが大きくて持ちにくく箸で食べにくい。それはおそらく手が不自由な私だけでしょうが……。
 今でこそ、天然うなぎは手に入りにくく、養殖でさえ、手間がかかって高級魚の感があるうなぎですが、江戸時代後期までは、下等な食べ物でした。しかし、栄養があると薬のように扱われていたらしいのです。万葉集にも、日ごろ痩せていた人が夏に痩せてしまったらしいのをからかった大伴家持の「石麻呂にわれ物申す 夏痩に良しといふ物ぞ 鰻取り食せ」という歌が伝わっております。
 しかし、池波正太郎氏の「剣客商売」によると、江戸後半の田沼時代でさえ、丸焼きにして醤油をぶっかける調理法しか伝わっておらず、醤油が伝わっていない鎌倉時代以前は調味料といえば塩か、ヒシオ類でしたから、その味はさぞかし生臭くてまずかったことでしょう。
 え、ヒシオってなにかって、魚や肉を塩で漬け込んで醗酵させたものです。いまでも、イタリア料理に使うアンチョビ、秋田県あたりのしょっつる、タイの魚の醤油が使われています。いってみれば、クサヤの干物を漬け込む液体もその一種でしょう……。
 醤油もヒシオの一種でして、日本の醤油は中国のものより質がよく、江戸時代はオランダを通じて世界中に輸出されました。何に使われたかというと、王侯貴族の高級料理の隠し味だそうな……。うーん……。はたしてそれでおいしくなるのかは想像がちょっとつきませんが……。まあ、照り焼きハンバーグやおろしハンバーグは好きですが……。
 おっと、脱線しました。で、土用の丑の日に鰻を食べる習慣は、日本のレオナルド・ダ・ビンチと呼ばれる平賀源内が、夏に鰻が売れないと嘆く鰻屋さんのために考え出した、コピーの走りだったようです。でも、ひょっとしたら源内さん、万葉集の大伴家持の歌を知っててそれをアイデアの元にしたのかもしれません。ダ・ビンチ同様、古典にも、新技術にも詳しい人のようでしたから……。
 こちこちの古典派で凡才の私にはうらやましいかぎりです。はい。
 それにしても、今年も暑くなりそうです。ビタミン、ミネラル豊富で意外と低カロリーだそうですから、うなぎも美容と健康のために食べない手はありませんね。
 しかし、これだけ科学がすすんでも、うなぎの生態については詳しいことはまだ解っていないそうです。
 ところで去年土用の時、社員食堂に家持の歌が張ってあり、驚いたのを覚えております。

善光寺大門

近況

 6月はよく動いた月でした。3週間連続で出かけていました。こんな月も珍しいのですが……。7月はいつものてこでも動かないつばさに戻ると思います。多分……。
 おかげで5月に引き続きホームページを始めとするネット活動を休止せざるを得ませんでした。更新を楽しみにしている皆様には、悪いことしちゃったなと思います。
 でも何とか生きていますので、ご安心ください、ね。(笑)
 応援して下さっている皆様のためにも、このページだけは何があっても更新いたします。至らぬサイト主ですが、どうぞよろしくお願いします。
以上

 

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