『歴代闘牛士紹介』−その2−

99年3月定例会報告。
オルテガ・カノ 報告者 斎藤祐司  ロベルト・ドミンゲス 報告者 安井牧

 

オルテガ・カノ por 斎藤祐司

 闘牛を本格的に見たときにお手本にした闘牛士の1人。カポーテ、ムレタ捌きは、華麗にして優雅。オルテガ・カノは芸術やでぇと、言った人がいた。会でやったのは自身が語る闘牛術のビデオ。カポーテの振り方。他の人のチクエリナと自分のやり方の違い。頭の上でカポーテを廻しながらのパセ。このパセは非常に珍しいものだ。エル・フリでもやらない。

 ムレタ技は、牛を誘う時のクルサード(角の間に体を入れる)についてから。クルサードは闘牛のパセにおいて基本中の基本だ。片側の角から体を入れていって両角の間に自分の体を入れる。そこからムレタを牛の前に出して牛を誘う。これがノーマル。両角の間からもう一方の角先の前まで行くのが、良いと言っていた。これは、ホセ・トマスが良くやっている。

 牛をアレナで向かえる初めの対応でその後の闘牛が決まってくる。だから大事だと。

 そして、コロンビア、マニサレスのインドゥルトの闘牛を見た。牛が物凄かった。これを見てみんなビックリしていた。カポーテやムレタを出すと真っ直ぐに向かって来る牛。カポーテでは数多くの技のバリエーションを見せ、ムレタでは牛を1回転以上廻してパセしていた。歴史に名を残す闘牛士は超一流の技を幾つか持っている。

 

ロベルト・ドミンゲス por 安井牧

 1951年生まれ、バジャドリ出身。89年にマドリッドでビクトリーノ牧場の牛6頭とのウニコエスパーダで大成功を納め一躍、人気実力とも一流闘牛士に。90年には100闘牛を記録し番付2位。建築家を志した頃もあり、35才の時には突然ロンドンに留学したりと変わった経歴を持つ知性派闘牛士。

 闘牛に独自の美学を追い求めた彼の美の結晶がデスカベージョ。キメのポーズでタメテ、タメテからの一刺しは本当に美しかった。闘牛場の外でも話題豊富で、数々の有名女性タレントとの仲が騒がれたり、心無いファンとの暴力事件で裁判沙汰になったりと、芸能雑誌の話題の常連。

 観客に攻撃的な態度で接したり、笑顔を返してくれたり、巨大なマドリッドの闘牛場でも観客と対話できる大きさを持った闘牛士だったと思う。いつもかっこいい、もてもての「不良中年」それがロベルト。引き際も彼らしく92年にあっさりと引退。現在、闘牛番組の解説で活躍中。


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