2013年5月24日記述
2013年5月23日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の今年25回目(フェリア・デ・サン・イシドロ15日目)の結果。 19時開始、21時19分頃終了。20時34分照明点灯。 プレシデンテ、トリニダ・ロペス・パストル・エクスポシト。今年3回目のノー・アイ・ビジェテ。 ハンディージャ、ベガエルモサ牧場の牛。 全体として、足の弱い牛が出ていた。 1頭目、。2頭目、インバリドで交換。3頭目、。 4頭目、。5頭目、。6頭目、。 ソブレロ、カルメン・セゴビア牧場の牛。 闘牛士 フィニート・デ・コルドバ 沈黙とアビソ1回、沈黙。 モランテ・デ・ラ・プエブラ 沈黙、口笛。 ミゲル・アンヘル・ペレラ 耳要求で場内1周、沈黙。 |
晴。日が差しているので暑い。風が吹く。ハンディージャ、ベガエルモサ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク牧場)。闘牛士、フィニート・デ・コルドバ、モランテ・デ・ラ・プエブラ、ミゲル・アンヘル・ペレラ。
アンダナーダ5にてビデオ撮影しながら観戦する。
フィニート・デ・コルドバ。アンダルシア風クルサードが薄いファエナは相変わらず。1頭目はしつこく長かったが非常に退屈なモノだった。さっさと牛を殺せばいいのにと観客は思っていた。口笛が断続的に吹かれても、フィニートは続けていた。4頭目の牛の時のベロニカは、久々に良いフィニートのモノだった気がする。
モランテ・デ・ラ・プエブラは、観客の期待とその逆の失望を背中合わせにて闘牛をしている。期待が大きいからこそ口笛が吹かれ罵声が飛ぶ。ベロニカが、2・3回良かった。それで、「オーレ」がなった。それ以外印象に残らないような内容だった。
ミゲル・アンヘル・ペレラは、自身の初めの牛で、剣が1回で決まっていれば耳が出ただろう。ピンチャッソが1回あったので場内1周になった。デレチャッソ、ナトゥラル共に、手の低い長いパセを繋いで「オーレ」がなった。ファエナの後半は、牛に近づき過ぎて牛が動かなくなった。剣を代え、ベルナディーナ。それなりに良かったが、距離感が判っていないような気がする。初めの剣が決まらず、観客からため息が漏れた。それでも次の剣が決まり牛が倒れると耳要求の白いハンカチが揺れた。終わった後、挨拶で出てくると観客が場内1周を催促した。
こんな事を書いて良いのか判らないが、バンデリジェーロがバンデリージャを打っているときに、完全にトロ・パサード(牛の角の間で打っていない)なのに、綺麗に見えると拍手や喝采が起き、挨拶までする。どうかしている。こんな事は、何年か前のラス・ベンタス闘牛場ではあり得ないことだった。アフィショナードが、あれはトロ・パサードだからダメなバンデリージャ打ちだと指摘して拍手を打ち消していた。今はそういう事が起きない。相当レベルが落ちたと言われてもしょうがないだろう。
おそらく、ここ何年かの間に、ラス・ベンタス闘牛場に通い続けた長年見続けてきた素晴らしいアフィショナードが次々に死んで行くなり、闘牛場へ来れなくなったからだろうと思う。高齢で病気もすれば来れなくなる。その分若い新しいアフィショナードが闘牛場へ来るのは良いのだが、闘牛というモノを良く知らない状態で、知ったかぶりする。そんな感じがする。つまらなくなったなぁと思う。
不況の折、今までアボノ(通し券)を持っていた人たちがドンドン手放した話も訊く。ホセ・トマスがいないアレナに真実の闘牛の形が残っていくのか、非常に疑問に思えてきた。こういう形でしか、闘牛は残っていかないような、また、闘牛が消えてしまいそうな気さえする。牛がいて、闘牛士がいて、そして、良いアフィショナードがいなければ闘牛は滅びてしまう。今問題なのは、血が濃くなり過ぎた牛の血統と、ホセ・トマス以外良い闘牛士が2・3人しかいないこと、そして、正しく闘牛を評価する本当のアフィショナードが非常に少なくなった事。こういう人たちは、新聞よりも正当な評価をする人たちだ。文章や口が上手くないだけで、新聞記者のようにお金や外圧の影響で闘牛を語らない。
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