イバン・ファンディニョが流血の代償として耳1枚切る。

2013年5月23日記述

2013年5月22日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の今年22回目(フェリア・デ・サン・イシドロ14日目)の結果。

19時開始、21時09分頃終了。20時19分照明点灯。

プレシデンテ、フリオ・マルティネス・モレノ。ほぼ満員。

パルラデ牧場の牛。

   全体として、微妙な牛が出ていた。
   1頭目、。2頭目が良い牛。3頭目、。
   4頭目、。5頭目、。6頭目、。
   

闘牛士

エル・シド 沈黙、挨拶、沈黙。

イバン・ファンディニョ 耳1枚。怪我のため1頭だけ闘牛をした。右太股に25cmの角傷を受ける重傷。

ダニエル・ルケ 沈黙、沈黙。

 晴時々曇。日が差しているので暑い。風が吹く。パルラデ牧場の牛(Procedencia actual=現在の起源<基の血統>、ファン・ペドロ・ドメク牧場)。闘牛士、エル・シド、イバン・ファンディニョ、ダニエル・ルケ。

 テンディド6バッホにて観戦する。

 エル・シドは、この日4頭目の牛でちょっと良かった。耳にも場内1周にもならなかったが、ダメなわけではなかった。初めの牛はパセが短い牛で、おそらく殆どの闘牛士が出来ない牛だった。4頭の牛で良いところを見せた。観客に捧げた牛は、左角が良い牛だったが、デレチャッソでトレアールを始めた。こういう所はもっとちゃんと観て欲しいと思う。タラバンテも間違いを犯したように、エル・シドも間違った。もっと、良いナトゥラルが引き出せる牛だったと思う。そこが残念だ。

 ラス・ベンタス闘牛場の目の肥えた観客にはそういうことが解る人が大勢いる。フィグラならそこを把握して、左右の角の善し悪しを見極められるようにして欲しい。苦労人で、花がないが、コリーダ・ドゥーラ系の牛でもプエルタ・グランデし、フィグラがやるファン・ペドロ・ドメク系の牛でもプエルタ・グランデ出来る闘牛士は、現在においてエル・シドだけである。

 イバン・ファンディニョは、あわやプエルタ・グランデかという闘牛をして観客を虜にした。久々にラス・ベンタス闘牛場の大きな「オーレ」の合唱を聴いた。遠目から牛を呼んでエスタドアリオから始まると、「オーレ」がなった。手の低い長いパセが繋がって「オーレ」がこだました。良い牛にも当たった。苦言を言えば、牛をちゃんと誘ってファエナをしていない時があった。彼もまた、ダビ・モラの様に自信を持って闘牛をしている。野心が、トレアールの仕方に出ている。非常に良いことだ。闘牛のスタイルとしてどうのと言うことは今回は控えよう。

 ファエナが上手く行き後は剣刺しを決めれば、おそらくプエルタ・グランデしただろう。しかし、スエルテ・ナトウラルでピンチャッソ1回。その後、スエルテ・コントラリアで、剣が決まったが牛の右角に右太股をざっくり刺されてコヒーダされた。落下後も牛の角に突かれた。なかなか起きあがれなくて、クアドリージャに抱きかかえられてエンフェルメリア(医務室)へ連れて行こうとしたが、1度もがいてアレナに立った。しかし、出血が非道く、ピリ(エル・シドのバンデリジェーロ)が白いタオルを持って行って右太股へあてがい、そのまままた抱きかかえて今度はエンフェルメリアへ連れて行った。牛が倒れ、観客は強い耳の要求をプレシデンテに要求した。

 ダニエル・ルケには、もう期待しない方が良いだろう。この日3頭目の牛は頭の高い牛だった。パセをすると返りが早かった。しかし、こういう牛を相手にして技術を見せるのが1流闘牛士。彼はその技術を見せることが出来なかった。やる気はあるが、トレアールの仕方がすっかりセビージャ風のクルサールしない闘牛が定着して来たようだ。4・5年前のサン・イシドロを沸かせた闘牛を観ることは出来ない。退場の時、1人だけ口笛を吹かれた。若いのに終わった感じさえする。ちょっと良かったからと、鼻が高くなりすぎて闘牛が雑になり地方受けする闘牛になった。これじゃ、ラス・ベンタス闘牛場では、耳を切るのは難しいだろう。

 今日は、イバン・ファンディニョの日だ。彼の良さが出ていた。去年も良かったし、来年も期待できる闘牛士だろう。


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