牛は良かったが、何もなされなかった。

2004年5月8日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 晴れているが日陰になると寒いマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、ホセ・エスコラル牧場。闘牛士、ホセ・ルイス・モレノ、ラファエリジョ、ロペス・チャベス。観客は約9割くらいの入り。ソルのテンディド5アルトでTさんとYさんと一緒に観戦す。入場行進の後、エル・コルドベスのバンデリジェーロで交通事故で1週間意識不明の重体の後、先日死んだアントニオ・ペレス・ペレスの為に1分間の黙祷が捧げられた。

 今日の牧場は、ホセ・エスコラル牧場。出てきた牛は、ビクトリーノ・マルティン牧場の牛と同じようにピカを刺されても口を閉じたまま向かってきてパセの後の返りが早い牛。血統が同じだから似ているのだ。良い牛だが闘牛士はやりにくい。

 ホセ・ルイス・モレノは、1頭目の牛はカポーテでパセをすると左角の方ではよく膝を着いた。ムレタではデレチャソをするとパセの後の返りが早く危ない。ナトゥラルをするとブスカンドするし、返りが早く、ダメだった。4頭目の牛は、ムレタの始めのデレチャソでいきなりブスカンドした。直ぐにナトゥラルに切り替えたがパセの後、返りが早く危なかった。ムレタを振って遊ばせたり、気を抜いたようにしていると、一瞬の隙を衝いて体を狙う。だからムレタはちゃんと振らなければならない。この牛でも何も出来なかった。剣はカイーダで、デスカベジョ5回。アビソ1回。

 ラファエリジョは、2頭目の牛で、クルサードせず動いてくる牛にムレタを出してパセをしていた。牛が止まってからはピコで誘い、体の遠くを通すパセ。パセの後の返りが早い。ナトゥラルではブスカンドした。それでも危ない牛でパセを繋いだからそれなりに沸いた。剣は、前に入ったが牛が割と直ぐ倒れて喝采なり観客に挨拶した。5頭目では殆ど何もしなかった。左角がブスカンドしていた。剣は前の方にバホナッソ出入り口笛。次が前にペルペンディクラール(角度が深く)入った。

 ロペス・チャベスは、3頭目の牛でコヒーダされた。この牛もパセの後の返りが早くムレタをちゃんと振っていないとやられる牛だった。ナトゥラルでコヒーダされた。アレナ中央だったのもあり、バンデリジェーロ他が助けに行くのが遅れた。幸い怪我はなかった模様。牛を誘うときの位置が近すぎる。考えているのかなぁ。バリエンテだけじゃ通用しないよ。剣はピンチャソ2回の後、バホナッソ。最後の牛もブスカンドする危ない牛で何も出来なかった。でもこの牛が今日1番の牛だった。良い動きをしていたのにそれでちゃんと闘牛が出来ない。悲しいかな力量がない。出来る人なら耳を切れていただろう。

 牛は難しいが良い牛だった。1頭も交換することなく、闘牛士もちゃんと闘牛だ出来なかったので21時過ぎには終わった。今日は牛を見に来た日。闘牛士?いなかったなぁ。


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