パディージャ、剣刺しで耳を失う。そのミウラの牛だけが良かった。10年ぶりの登場も期待はずれの。

2004年6月3日マドリード、ラス・ベンタス(第1級)闘牛場の結果。

 快晴のマドリード、ラス・ベンタス闘牛場。牛、1頭目から3頭目、5頭目、6頭目エドゥアルド・ミウラ牧場。4頭目、エスパルタコ牧場。ソブレロ、リベラ・オルドニェス牧場。闘牛士、ソトルコ、ファン・ホセ・パディージャ、ダビラ・ミウラ。ノー・アイ・ビジェテ。ソルのテンディド5アルトにてTさんと一緒に観戦す。

 ソトルコは、もう少しやるかと思ったけど・・・。これじゃ、メキシコから闘牛士は来れない。スペイン人闘牛士のフィグラとは太刀打ちできない。今、外国人で対等に渡り合えるのは、コロンビア人闘牛士のセサル・リンコンだけになってしまった。ソトルコはもう呼ばれなくなるかも知れない。

 ファン・ホセ・パディージャは、良い闘牛をした。2頭目の牛は、角が外に向いて先が尖っていた。ブルラデロには行かなかった。ラルガ・カンビアールから始めベロニカ。前脚を痛めた。膝を折ったベロニカからベロニカを繋ぐと「オーレ」がなった。メディアで拍手。牛はパセの時に首を振っている。パセの後、膝を着いた。ピカは左後ろに入った。キーテはチクエリナ2回、ラルガで拍手。ピカは右後ろに入った。バンデリージャは自分で打ったが、3回とも左に廻り1度だけ角間で打ったが後はトロ・パサードだった。パディージャって右に廻って打てないし、トロ・パサードが多い。

 牛は観客へ捧げられた。膝を着いたデレチャソを繋ぐと、「オーレ」がなった。立ってデレチャソからパセ・デ・ペチョで喝采が鳴った。それからアレナ中央へ場所を変え、牛を遠目から呼びデレチャソを繋ぐ。1回ムレタを角にはらわれたが、「オーレ」が続きパセ・デ・ペチョ。拍手が沸く。距離を取りナトゥラルで牛を呼びパセをするがムレタが角にはらわれたが、手の低い長いパセが繋がり「オーレ」が続きパセ・デ・ペチョで拍手が沸いた。距離を取りナトゥラルで牛を呼び手の低い長いパセが繋がると3回、「オーレ」がなって4回目がパセ・デ・ペチョで喝采が鳴った。牛を呼んでパセしているのが良い。

 距離を取りナトゥラルで牛を呼び手の低い長いパセからファロール、パセ・デ・ペチョ。パディージャものってきた。

 

 ダビラ・ミウラは、セビージャの闘牛士。何度もいうけどクルサードしない。牛との距離が解らない。だから、パセを繋げるが本当の闘牛が出来る闘牛士ではない。こいつは良い牛もダメにする典型的な今のセビージャの闘牛士。観るべきものは1つもない。こいつの頭にあるのはパセを繋ぐことだけ。どういう闘牛をしたいとかそういうのはない。牛1頭1頭の違う個性を活かして闘牛をしようという意欲などあるわけがない。それが、今のセビージャの闘牛士。そして、闘牛への美学もない。そんなもの望む方が間違い。何も考えていないし、何もアレナの中で学んでこなかった。勿論、命など懸けてこなかった。3頭目の始めにラルガ・カンビアールをしてコヒーダされ、それからタブラに走って逃げたけど、タブラを越えれず、頭隠して尻隠さすの状態。でも良かったよね、お牛さんにお尻をチクチクされなくて。お坊ちゃんは逃げるの下手。でもこんな非道い3流闘牛士が何故サン・イシドロにでるのか?ミウラ牧場の家系だからです。唯それだけ。トコトン闘牛を舐めきった闘牛士だもん。こういうことをまったく理解も、自覚もしていない闘牛士が、ダメなミウラ君です。セビージャって人間を 甘くする。ダメな闘牛士にこそ甘いところ。

 ダビラ・ミウラも非道いけど、ミウラ牧場の牛も非道かった。94年以来久々の登場だったけど、2頭目の牛は良い牛だった。が、全然ミウラらしさがなかった。何処の牧場からでも出てきそうな良い牛。野性的な怖さが全くない。これじゃ、ミウラ・ブランドは維持できないんじゃないか。


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