ヘスリン!これが本当の耳なんだ。マティアス・テヘラがナトゥラルで耳1枚。

2004年4月27日セビージャ(第1級)闘牛場の結果。

 晴のち曇りで時々風の吹くのセビージャ、レアル・マエストランサ闘牛場。牛、トレストレジャ牧場。闘牛士、ダビラ・ミウラ、マティアス・テヘラ、ホセ・マリア・マンサナレス。観客はほぼ満員の入り。ソルのグラダ6にて観戦す。

 ダビラ・ミウラは、1頭目の牛を殺した後、拍手が起きていないのに、アレナに出てきて挨拶をした。優しいセビージャの観客は拍手をしてあげていた。クルサードはしない、パセはピコの闘牛で牛を動かして満足している闘牛士では、セビージャ・ローカル闘牛士。何か勘違いをしているようだ。2頭目の牛では、アレナ中央で牛を誘い始めた。クルサードはしていた。が、ピコのパセで、ムレタを良くはらわれていた。ナトゥラルはメディア・パセになっている。それでもつまらないパセをしつこく続けるものだから口笛が吹かれ剣刺し。

 マティアス・テヘラは、始めの牛でも何とかしようとしていたが、風が吹いていたのと、牛が膝を着いて上手く行かなかった。デレチャソでリガールしてトゥリンチェラ、レマテのパセ・デ・ペチョをすると喝采を浴びた。背中から通すシルクラールでも沸いた。2頭目の牛では、後ろ脚を引きずるような牛で、しかも、膝を良く着いたので、観客は牛の交換を要求した。牛は観客に捧げたが、そんな牛だから口笛を吹かれたが、大事に繋げば動きそうな気がした。右手に持ったムレタで牛を誘い背中を通すパセから始めパセを繋ぐ。パセが切れてても、クルサード不足で牛を誘っていた。トゥリンチェラが決まると拍手が起きた。距離を取り、誘う場所、位置に変化を付けて工夫していた。

 ナトゥラルでクルサードしてパセをすると手の低い長いパセが繋がり、「オーレ」がなった。パセ・デ・ペチョで一連のパセが切れると音楽(パソドブレ)がなった。それからまたナトゥラルをリガールすると手の低い長いパセが続き「オーレ」の声はより一層大きくなった。素晴らしいナトゥラルだ。パセの形も綺麗だ。観客は彼のナトゥラルに酔いしれた。一度、コヒーダされそうになったが、パセ・デ・ペチョを繋いで見栄を切ると喝采送られた。剣を代え膝を折ったアジュダード・ポル・バッホを繋ぎスエルテ・コントラリアで牛を置いて、バホナッソで剣が刺さった。牛は直ぐに倒れ闘牛場に白いハンカチで埋まった。

 ナトゥラルが素晴らしいとファエナ全体が締まる。文句なしの耳1枚。ピコじゃないパセをちゃんとやっていし、クルサードもナトゥラルの時は角2本越してやっていた。今日はミウラが見ているけど、昨日のヘスリンにこのファエナ見せたかったよなぁ。なんせ、ピコで牛を誘うことしか出来ない男だもんヘスリンは。

 ホセ・マリア・マンサナレスは、只今勉強中なのか、見るべきものがない。これでお金貰って良いのというような闘牛士。まったく距離が判っていない。最後の牛なんかちゃんとした距離を取っていればもっと動く牛だった。剣は、カイーダでテンディダ。あー疲れるよな。この闘牛で拍手送る人もいるのだ。それはある意味で幸せなアフィショナードかも知れない。

 マティアス・テヘラのナトゥラルは、去年のセビージャで観ても素晴らしかったが今日も素晴らしかった。あれだけで観客を虜に出来る。ノビジェーロの頃より確実に成長している。でも、もっと自分を磨かないと本当のフィグラにはなれないぞ。


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