カステージャはまだまだだなぁ。マティアス・テヘラもいまいちだな。

2004年4月25日セビージャ(第1級)闘牛場の結果。

 快晴のセビージャ、レアル・マエストランサ闘牛場。牛、エル・ベントリジョ牧場。闘牛士、ヘスリン・デ・ウブリケ、マティアス・テヘラ、セバスティアン・カステージャ。観客は約8割の入り。ソルのグラダ6にて観戦す。

 ヘスリン・デ・ウブリケは、非常に珍しくアレナの中央部分でファエナをしたので驚いた。おそらく始めてみた光景だ。1頭目はそんなことをするくらい良い牛だったので手の低い長いパセを繋いで「オーレ」がなっていたが、基本的にパセは全てピコ。セビージャの観客はそれで喜ぶんだからそれで良いだろうけど・・・。それ以外特に書くことはない。

 一つあった。この日5頭目、セバスティアン・カステージャのカポーテの時にブルラデロの横を牛が角で突くと、タブラの木が全て吹っ飛んだ。もしそこから牛が入れば怪我人が大勢出ただろう。ヘスリンは、カステージャのバンデリジェーロにブルラデロへ牛を誘わないように指示し、カステージャには木がはずれたタブラの部分でランセをしないように指示した。これは、この日のディレクトール・デ・リディアとしての責任を全うした事を意味する。この事については敬意を表したい。が、闘牛の内容は・・・。

 セバスティアン・カステージャは、見習い闘牛士の頃、サン・イシドロで見ている。パセの形、姿勢が非常に綺麗な闘牛士だったが、当時は牛を上手く捌けずにいた。始めの牛では、距離の取り方も良かったし、変化を付けて牛を誘っていた。だから牛も動いたが、パセの時に牛の角にムレタをはらわれていた。この辺が不味いところだ。どうも未だ牛を上手く捌けない。ただ、音楽はなっていた。

 それが2頭目の牛の時に表面化する。良い牛なのに、距離の取り方も立ち位置も悪い。牛が動いている場所に立って牛を誘っている。止まっている牛を誘わなければ闘牛じゃない。この第一条件を満たしていない。デレチャソでパセをリガールするけどそこをちゃんとやっていないから口笛を吹かれる。珍しいね、セビージャでこんな事で口笛が吹かれるなんて。やっぱりセビージャに住んでいるとはフランス人だからだろうか?この内容や、サン・イシドロのコンフィルマシオンは期待薄になってきたな。良い牛なんだから、ちゃんとやれば良いファエナになっていたはずだ。観客が怒るのも当然だろう。この2,3年無為に過ごしてきたんじゃないかと悲しくなるなぁ。良い才能を持っているのに・・・。

 マティアス・テヘラは、始めの牛は非道かった。こんなに非道い闘牛士か?と、ガッカリした。距離の取り方があまりに非道すぎ。まるでカペアやテンタデロの素人闘牛を観ているよう。最低だと思ったが、最後の牛で良いところを見せた。カポーテではチクエリナの連続で馬の前に持って行ったりして喝采を浴びた。ムレタの始めは、カルトゥチョ・デ・ペスカドから手の低い長いナトゥラルを繋ぎレマテのパセ・デ・ペチョをすると喝采が鳴った。距離を取りデレチャソで牛を呼んでパセをリガールすると「オーレ」がこだました。パセ・デ・ペチョで喝采が鳴り音楽もなった。今度は距離の取り方も良い。距離を取り徐々に牛に近づきながらムレタをゆっくり振って牛の動きを確認している。それからナトゥラルで誘う。しかし残念なことに1回パセを通したら牛が前脚を痛めてしまって膝を着いてしまった。何とか立たせてまたナトゥラルをするが次も膝を着いてしまう。これが3,4回続いてもうファエナを続けられないので剣を代えた。

 あれで牛が足を痛めなかったら良いファエナが観られただろう。剣はメディアで良いところに入り、デスカベジョを1回で決めた。始めからこういう闘牛をすれば良いのに、始めの牛は彼に合っていなかったのだろうか?

 去年サン・イシドロで場内1周したエル・ベントリジョ牧場の牛。セビージャでまあまあの牛を出した。


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