ビクトリーノの良い牛でルイス・ビルチェスが良いファエナ。

2004年4月22日セビージャ(第1級)闘牛場の結果。

 晴れだが、風が吹くセビージャ、レアル・マエストランサ闘牛場。牛、ビクトリーノ・マルティン牧場。闘牛士、アントニオ・フェレーラ、エル・シド、ルイス・ビルチェス。観客は8,9割の入り。ソルのテンディド10にて観戦す。

 アントニオ・フェレーラは、良い牛に当たらなかった。パセが繋がるが味のないパセだった。フェレーラも折角足の長いパセを通しても手が高かったして盛り上がりに欠けた。ビクトリーノの牛らしくないから特徴を掴めなかったのかも知れない。剣刺しも悪かった。自身2頭目の時は、凄いバホナッソで口笛を吹かれていた。唯一の見せ場のバンデリージャ打ちも取り立てて素晴らしいものではなかった。1番沸いたのは、2頭目の牛のピカドールが馬が転んでもピカを刺し続けていたこと。

 エル・シドは、失望した。モランテが今年アレナから消えて、セビージャの期待はエル・シドの集中するのにゆっくりしたベロニカで見せ場があった程度。腰が引けたパセをしたりまったく話にならなかった。それでもセビージャの観客は牛が悪いと牛に口笛を吹いていたが牛は悪くなかった。問題があったのはエル・シドの方だ。距離を取らないで牛を誘うはクルサードは足りないはで牛が反応しないのは当然だ。まっ、セビージャのお客さんは暖かいからイッカ。

 ルイス・ビルチェスは、始めの牛で良い牛を引き当てた。割とビクトリーノの牛らしい牛だがパセのしやすい牛だった。パセの後の帰りも早いほうだがムレタを見せるようにして繋いでいたので殆ど危ない場面はなかった。手の弾く長いパセを繋いで、「オーレ」をならしていた。でも、パセの構成力がない。フェレーラなどがやればもっと持ち上がるファエナになっていただろう。悲しいから、そこはセビージャのローカル闘牛士。場数を踏んでないから自分を上手く表現できていなかった。

 彼のパセは形が素晴らしいわけでもないし、美しさを感じるわけでもない。パセが繋がっているから、「オーレ」がなっているだけ。落ち着いてパセを通していたが、長いパセにはなっていたが手は低くなかった。剣はピンチャソ1回の後、ア・ウン・ティエンポで良いところに決まった。耳要求があったが耳にはならず場内1周。

 今日はビクトリーノ・マルティンの牛ということで期待したが、あまり良い牛は出なかった。と、言うよりビクトリーノの牛らしさが足りなかった。体型も太り気味だったし動きもらしさが足りなかった。ルイス・ビチェスが相手にした3頭目の牛も良い牛だったが足が太かった。久々にセビージャにビクトリーノの牛が出たが、ラス・ベンタスに出てくるような牛ではなかったのが残念だ。


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