セラフィン・マリン、グラン・ファエナ!あれが何故耳1枚でしかなんだ!
セルヒオ・アギラールがコヒーダされても気迫と技術で男を上げた。

2004年5月1日セビージャ(第1級)闘牛場の結果。

 晴のち曇りで時々風の吹くのセビージャ、レアル・マエストランサ闘牛場。牛、アストルフィ牧場。闘牛士、アントニオ・バレラ、セラフィン・マリン、エル・コルドベスに代わり、セルヒオ・アギラール。観客はほぼ満員の入り。ソルのテンディド8にて写真撮影をしながら観戦す。

 アントニオ・バレラは、牛にも恵まれなかったが観るべきものがなかった。クルサードもしないし、手の引く長いパセを繋ぐも体から遠くを通すつまらないパセばかり。牛がブスカンドして出来ないのは判るが、何とかしようと言う気が感じられない。エル・シドもダメになったが、君もダメになったね。

 セラフィン・マリンは、始めの牛でも良いファエナをした。クルサードをしてマノレティーナを繋いだ所は去年のサン・イシドロを思い出した。2頭目の牛は後ろ脚が悪かったが、良い闘牛をした。カポーテではゆっくりしたベロニカを繋ぎメディア・ベロニカを3回繋ぐと沸いたが牛は角をアレナに突き刺してしまった。ピカは悪い場所ではなかったが良い場所からはずれていた。キーテはガオネラをした。牛は体を擦りながら通っていった。あまりに牛が体の近くを通ので観客は驚きと興奮し喝采を送った。カメラの調子が悪くここを取れなかったのが残念だ。

 牛は観客へ捧げた。デレチャソからアレナ中央へ。デレチャソを繋ぎパセ・デ・ペチョをすると「オーレ」がなり闘牛場が沸いた。直ぐ音楽なった。手の低い長いデレチャソ、ナトゥラルも手の低い長いパセが繋がった。闘牛場に「オーレ」がこだました。剣も非常に良い剣が入った。当然耳2枚だと思った。闘牛場は白いハンカチに包まれた。プレシデンテは耳1枚を出すことを許可したが2枚目を出さなかった。こう言うところがセビージャの悪いところだ。地元やアンダルシアの闘牛士には甘いが他の闘牛士は非常に排他的。そういうのがここに出た感じだ。

 セルヒオ・アギラールは、昔ラス・ベンタスで大怪我をした。その時から注目をしている。見習い闘牛士の頃は良いところがなかった。去年のサン・イシドロでも骨折を隠しして出場したが良くなかった。でも、今日は感動した。今まで、どうしてそういう闘牛をするのかという疑問を持っていた。しかし今日は凄かった。ベンタスならもっと熱狂していただろう。カポーテの時からよく膝を着く牛だった。難しい闘牛になるだろうと思っていた。ムレタに水を付けてアレナ中央へ行き、牛を観客へ捧げた。エスタトゥアリオからナトゥラルを通し拍手が沸く。牛からはなれ距離を取り、誘う場所を変えてクルサードしてデレチャソを繋ぎパセ・デ・ペチョ。拍手が沸く。牛からはなれ距離を取り、誘う場所を変えてクルサードして手の低い長いナトゥラルを繋ぎパセ・デ・ペチョ。

 レマテの後、ちゃんと1回1回距離を取って牛の呼吸を整わせていた。デレチャソをするが牛が動かなくなってきた。アジェダード・ポル・アルトからナトゥラルを続けていたらコヒーダされた。怪我はないようだ。またデレチャソ繋ぐと観客から危ないからやめろと言う意味の口笛が吹かれた。それでも剣を代えてからベルナディーナした。がまたコヒーダ。口笛が吹かれる。僕は好きなようにやった方が良いと思った。コヒーダされてもベルナディーナのような危ない技をする根性と気迫が好きだ。ベルナディーナからマノレティーナをす繋ぎスエルテ・コントラリアでピンチャソ・オンダ。この時またコヒーダされる。

 これが決定的なダメージなった。左膝を非常に痛そうにしていた。何年か前にラス・ベンタスで牛に刺されて大怪我をした場所と同じ場所のような気がする。あの時も半年から1年くらいかけて直したが、同じ場所ならテンポラーダは終わってしまったのだろう。5頭目の時に左膝に包帯を巻いて出てきたがキーテをやっているときに左膝を押さえたままタブラで動けなくなってしまった。そのままエンフェルメリア(医務室)へ行った。

 セラフィン・マリンのファエナはフェリア中を通じて3つの優秀なファエナに数えられるだろう。23日のセサル・リンコン、24日のハビエル・コンデ、そして、今日のセラフィン・マリン。それなのに何故耳1だったのが理解できない。セルヒオ・アギラールはようやく自分がやりたい闘牛が見つかったように活き活きと闘牛をやっていたのでこの怪我が残念でならない。


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